長I 【裏切り 第1節2章】
長I 【裏切り 第1節2章】
私達夫婦には、家のローンを1年でも早く返し終わろうという目標がありました。土地は親から貰ったので、私の退職金まで充てにしなくても良いと思っていましたが、結局凝った作りにしてしまった為に予定以上にお金がかかり、退職金の一部も充てにしなければならなくなってしまいました。
しかし、娘の理香に老後を見てもらう事は考えず、退職金は全て残そうという事になり、妻の智子も勤めに出たのです。その様な訳で海外赴任に伴う色々な手当ても使わずに、出来る限り節約に心掛けていたので日本に帰る事もしないで、電話も極力控えてEメールで我慢していました。母からの電話から数週間経った頃、私の様に単身赴任して来ている関連会社の仲間達から、「女を買いに行こう。」と誘われましたが断りました。
決して日本人の海外買春問題を考えるような大それた理由ではなくて、妻を裏切る事が嫌だったのです。しかし、その様な理由で断るのは、男として情け無い様な風潮が有ったので、家のローンを理由にしたのですが、日本とは違って5千円も有れば充分楽しめると強く誘われて、その様な事から遠ざかっていた私は少し迷いながらも、結局断ったのでした。
1人で宿舎に戻って智子の事を考えていた時、忘れかかっていた母の電話を思い出しました。結婚して何年かは妻から求める事など有りませんでしたが、理香が生まれてからは徐々に積極的に成り出し、彼女から求めて来る事も珍しくなくなり、海外赴任が決まった頃には、普段の大人しい感じの智子からは、誰も想像も出来ないほどセックスを楽しむ様になっていました。
以前使おうとした時には嫌がって、『そんな物を使ったら離婚する。』とまで言われ、決して使わせてもらえなかった大人の玩具なども、その頃には、一応最初は嫌がる素振りを見せるものの口だけで、いざ使い出せば、それだけで何度も気を遣るほど感じていました。
そんな妻の智子を思い出していると、私が我慢している様に、妻も我慢しているはずだと思いながらも、少し不安になり出し、「妻に限って浮気など無い」と自分に言い聞かせながらも、海外に電話などした事の無かった母が、苦労して電話をかけてきた事が気になりました。
それでも赴任から1年が過ぎた頃には、考えたところでこれだけ離れていてはどうにも成らないので、妻を信じる事にしようと思ったのですが、そんな時に母からまた電話がかかる。
「まだ帰して貰えそうもないのか?社長に頼んで1日でも早く帰らせてもらってくれよ。」
「どうした?また智子の様子がおかしいとでも言いたいのか?」
母の話では、あれから妻の服装が徐々に派手になり始め、次第に化粧も濃くなり、髪も明るい栗色にして、見た目5歳は若くなったと言うのです。
その上、残業だと言って帰りが遅い日も増え、土日も休日出勤だとか、娘の役員会だとか言って、子供を預けて外出する事が増え出し、最近では泊まりの慰安旅行が有ったり、友達の相談に乗っていて帰れないから子供を頼むと電話して来て、朝帰りした事も何度か有るそうです。
それからの私は流石に智子の浮気を疑い、会えないだけに身を切られる様な思いをしていました。電話で問いただしたい気持ちも有りましたが、浮気ではなかった時の智子の気持ちや、母が告げ口をしたと知った時の、妻と母との関係を考えると出来ません。間違いだった時は、妻の気持ちを逆に裏切った形になってしまいます。そうかと言って、このままの気持ちでは笑って妻の智子に逢えないと思い、この様な帰国になってしまったのです。
2015/03/13
私達夫婦には、家のローンを1年でも早く返し終わろうという目標がありました。土地は親から貰ったので、私の退職金まで充てにしなくても良いと思っていましたが、結局凝った作りにしてしまった為に予定以上にお金がかかり、退職金の一部も充てにしなければならなくなってしまいました。
しかし、娘の理香に老後を見てもらう事は考えず、退職金は全て残そうという事になり、妻の智子も勤めに出たのです。その様な訳で海外赴任に伴う色々な手当ても使わずに、出来る限り節約に心掛けていたので日本に帰る事もしないで、電話も極力控えてEメールで我慢していました。母からの電話から数週間経った頃、私の様に単身赴任して来ている関連会社の仲間達から、「女を買いに行こう。」と誘われましたが断りました。
決して日本人の海外買春問題を考えるような大それた理由ではなくて、妻を裏切る事が嫌だったのです。しかし、その様な理由で断るのは、男として情け無い様な風潮が有ったので、家のローンを理由にしたのですが、日本とは違って5千円も有れば充分楽しめると強く誘われて、その様な事から遠ざかっていた私は少し迷いながらも、結局断ったのでした。
1人で宿舎に戻って智子の事を考えていた時、忘れかかっていた母の電話を思い出しました。結婚して何年かは妻から求める事など有りませんでしたが、理香が生まれてからは徐々に積極的に成り出し、彼女から求めて来る事も珍しくなくなり、海外赴任が決まった頃には、普段の大人しい感じの智子からは、誰も想像も出来ないほどセックスを楽しむ様になっていました。
以前使おうとした時には嫌がって、『そんな物を使ったら離婚する。』とまで言われ、決して使わせてもらえなかった大人の玩具なども、その頃には、一応最初は嫌がる素振りを見せるものの口だけで、いざ使い出せば、それだけで何度も気を遣るほど感じていました。
そんな妻の智子を思い出していると、私が我慢している様に、妻も我慢しているはずだと思いながらも、少し不安になり出し、「妻に限って浮気など無い」と自分に言い聞かせながらも、海外に電話などした事の無かった母が、苦労して電話をかけてきた事が気になりました。
それでも赴任から1年が過ぎた頃には、考えたところでこれだけ離れていてはどうにも成らないので、妻を信じる事にしようと思ったのですが、そんな時に母からまた電話がかかる。
「まだ帰して貰えそうもないのか?社長に頼んで1日でも早く帰らせてもらってくれよ。」
「どうした?また智子の様子がおかしいとでも言いたいのか?」
母の話では、あれから妻の服装が徐々に派手になり始め、次第に化粧も濃くなり、髪も明るい栗色にして、見た目5歳は若くなったと言うのです。
その上、残業だと言って帰りが遅い日も増え、土日も休日出勤だとか、娘の役員会だとか言って、子供を預けて外出する事が増え出し、最近では泊まりの慰安旅行が有ったり、友達の相談に乗っていて帰れないから子供を頼むと電話して来て、朝帰りした事も何度か有るそうです。
それからの私は流石に智子の浮気を疑い、会えないだけに身を切られる様な思いをしていました。電話で問いただしたい気持ちも有りましたが、浮気ではなかった時の智子の気持ちや、母が告げ口をしたと知った時の、妻と母との関係を考えると出来ません。間違いだった時は、妻の気持ちを逆に裏切った形になってしまいます。そうかと言って、このままの気持ちでは笑って妻の智子に逢えないと思い、この様な帰国になってしまったのです。
2015/03/13
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