長I 【裏切り 第2節3章】10
長I 【裏切り 第2節3章】10
柴田直孝が歓迎会の席上で、〔今回が初めての単身赴任です。〕と挨拶した事が気になったので、2次会でビールを注ぎに行った時に事情を聞くと、その時は子供達の学校の関係だと説明されましたが、その後で妻の智子(ともこ38歳)がトイレにたった時に柴田もついて来て、相談に乗ってもらいたい事が有るのでお開きの後、〔後で付き合って欲しい。〕と小声で誘われたそうです。
他の者に誤解されない様に、一旦別れてから待ち合わせた喫茶店に行き、そこで妻は柴田から、〔子供達の学校の事情だけでなく、奥さんの浮気が原因で離婚も考えていて、その為の別居の様なものだ。〕と打ち明けられました。
「それが可哀想で、身体を使って毎晩慰めてやっていたと言う事か。」
『違います。身体の関係は有りません。本当です。色々愚痴を聞いてあげたり、相談に乗ってあげたりしていました。でも、朝まで話しをしていただけなんて信じて貰えないですよね。誤解されても仕方の無い軽率な行動でした。』
「お前には一般常識はないのか?男女が朝まで何もしないはずはないだろう。」
『あなたに嫌な思いをさせた事は、本当に申し訳無かったと反省しています。私が愛しているのはあなただけです。支店長に特別な感情は有りません。どうか離婚だけは許して下さい。あなたがいないのを良い事に、あなた以外の男性と2人だけで会っていた事の償いは、例え一生掛かってもさせて下さい。お願いですから、離婚だけは許して下さい。』
私は大袈裟に拍手をしながら、「大変良く出来ました。どうせそれも、あの男にそう言えと言われたのだろ?それともおまえが考えたのか?そうだとしたら立派なものだ。嘘のつけなかったおまえが、1年半でそこまで平然と嘘が言える様になったとしたら、余程毎日嘘ばかりついていて、嘘になれてしまい、嘘をつく事など平気な女になったと言う事だな。」自分自身の保身も有るのでしょうが、妻の必死に話す姿を見ていると、余計に柴田との只ならぬ繋がりを感じてしまいます。
完全に黒に近い行動をしておきながら、未だに関係を認めない事は自分への保身だけで無く、柴田を気遣うという普通では無い妻の感情を感じてしまいます。智子は私と初めて関係を持った時に、痛がりはしましたが出血は有りませんでした。しかし、処女膜がスポーツなどで破れてしまい、初めての時に出血しない事も珍しくは無いと聞いた事が有りましたし、それ以外にも色々な理由で出血しない事はよく有ると聞いていたので、私が初めての男だと言う妻の言葉を信じていましたが、実はそれも嘘で、初めての男は柴田だったのではないかと勘ぐってしまいます。
処女と思わせる為にわざと痛がり、演技をしていたのではないかとさえ疑います。ただこれは、私と付き合う前の事なら許せます。また、本来、許す、許さない、の問題では無いでしょう。しかし、私が赴任中にずっと関係を持っていたとしたら、それは許す事など到底出来ません。
「残業だと嘘をついて、あいつと会っていたのだな?」
『はい。』
「休日出勤や役員会だと嘘をついて、あいつと会っていたな?」
『はい。』
「友達の相談に乗っていると言った“友達”とはあいつの事で、朝まであのアパートに2人だけでいたのだな。」
『はい。』
「慰安旅行というのも嘘で、あいつと旅行に行ったのだな?」
『・・・・。』
妻は最初から小さな声で返事をしていましたが、この時は更に小さくなり、何を言っているのか聞き取れません。
「明日銀行に行って他の行員に聞けば、本当に慰安旅行が有ったかどうか分かるから、言いたくなければそれでいい。」
『それだけは許して下さい。銀行だけには行かないで下さい。支店長にも迷惑をかけてしまいます。どうか、それだけは許して下さい。』
この期に及んでもあの男を庇う事が許せず、銀行に行かれる事がそれ程嫌なら、私(岩本慎介)は逆に行ってやろうと思いました。
2016/03/04
柴田直孝が歓迎会の席上で、〔今回が初めての単身赴任です。〕と挨拶した事が気になったので、2次会でビールを注ぎに行った時に事情を聞くと、その時は子供達の学校の関係だと説明されましたが、その後で妻の智子(ともこ38歳)がトイレにたった時に柴田もついて来て、相談に乗ってもらいたい事が有るのでお開きの後、〔後で付き合って欲しい。〕と小声で誘われたそうです。
他の者に誤解されない様に、一旦別れてから待ち合わせた喫茶店に行き、そこで妻は柴田から、〔子供達の学校の事情だけでなく、奥さんの浮気が原因で離婚も考えていて、その為の別居の様なものだ。〕と打ち明けられました。
「それが可哀想で、身体を使って毎晩慰めてやっていたと言う事か。」
『違います。身体の関係は有りません。本当です。色々愚痴を聞いてあげたり、相談に乗ってあげたりしていました。でも、朝まで話しをしていただけなんて信じて貰えないですよね。誤解されても仕方の無い軽率な行動でした。』
「お前には一般常識はないのか?男女が朝まで何もしないはずはないだろう。」
『あなたに嫌な思いをさせた事は、本当に申し訳無かったと反省しています。私が愛しているのはあなただけです。支店長に特別な感情は有りません。どうか離婚だけは許して下さい。あなたがいないのを良い事に、あなた以外の男性と2人だけで会っていた事の償いは、例え一生掛かってもさせて下さい。お願いですから、離婚だけは許して下さい。』
私は大袈裟に拍手をしながら、「大変良く出来ました。どうせそれも、あの男にそう言えと言われたのだろ?それともおまえが考えたのか?そうだとしたら立派なものだ。嘘のつけなかったおまえが、1年半でそこまで平然と嘘が言える様になったとしたら、余程毎日嘘ばかりついていて、嘘になれてしまい、嘘をつく事など平気な女になったと言う事だな。」自分自身の保身も有るのでしょうが、妻の必死に話す姿を見ていると、余計に柴田との只ならぬ繋がりを感じてしまいます。
完全に黒に近い行動をしておきながら、未だに関係を認めない事は自分への保身だけで無く、柴田を気遣うという普通では無い妻の感情を感じてしまいます。智子は私と初めて関係を持った時に、痛がりはしましたが出血は有りませんでした。しかし、処女膜がスポーツなどで破れてしまい、初めての時に出血しない事も珍しくは無いと聞いた事が有りましたし、それ以外にも色々な理由で出血しない事はよく有ると聞いていたので、私が初めての男だと言う妻の言葉を信じていましたが、実はそれも嘘で、初めての男は柴田だったのではないかと勘ぐってしまいます。
処女と思わせる為にわざと痛がり、演技をしていたのではないかとさえ疑います。ただこれは、私と付き合う前の事なら許せます。また、本来、許す、許さない、の問題では無いでしょう。しかし、私が赴任中にずっと関係を持っていたとしたら、それは許す事など到底出来ません。
「残業だと嘘をついて、あいつと会っていたのだな?」
『はい。』
「休日出勤や役員会だと嘘をついて、あいつと会っていたな?」
『はい。』
「友達の相談に乗っていると言った“友達”とはあいつの事で、朝まであのアパートに2人だけでいたのだな。」
『はい。』
「慰安旅行というのも嘘で、あいつと旅行に行ったのだな?」
『・・・・。』
妻は最初から小さな声で返事をしていましたが、この時は更に小さくなり、何を言っているのか聞き取れません。
「明日銀行に行って他の行員に聞けば、本当に慰安旅行が有ったかどうか分かるから、言いたくなければそれでいい。」
『それだけは許して下さい。銀行だけには行かないで下さい。支店長にも迷惑をかけてしまいます。どうか、それだけは許して下さい。』
この期に及んでもあの男を庇う事が許せず、銀行に行かれる事がそれ程嫌なら、私(岩本慎介)は逆に行ってやろうと思いました。
2016/03/04
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