長I 【裏切り 第2節2章】09
長I 【裏切り 第2節2章】09
私(岩本慎介)が居間で待っていると顔を洗って入って来た妻の智子(ともこ)は、黙って入り口に正座しています。
「何か話したらどうだ?」
『ごめんなさい。何からお話ししたら良いか分かりません。あなたから訊いてもらえませんか?』
「全て最初から順に話すと思っていたが、そうか。俺が訊いてもいいのだな?それなら訊くが、俺がいない間、毎日抱いて貰っていたのか?あいつの物は大きかったか?一度のセックスで何回ぐらい気を遣った?あいつの物も毎回口に含んでやったのか?尻の穴も舐めてやったか?おまえの尻の穴も舐めてもらったか?俺には許さなかった尻の穴にも入れてもらったのか?」
『そんな酷い事を言わないで~。そんな事はしていません。身体の関係など有りません。本当です。本当です。』
「そんな酷い事をしていたのは誰だ?身体の関係が無いなんて信用出来る訳が無いだろ。俺は絶対に許さない。おまえもあの男も必ず地獄に落としてやる。どちらにしても俺達はもう駄目だ。離婚するしかない。」
まだ何も考えてもいなかったなかで“離婚”という言葉を云ってしまった私自身が動揺してしまいました。
『離婚なんて言わないで。浮気なんてしていません。あなたを愛しています。』
「浮気ではない?浮気で無いなら本気という事か?」
『違います。あなたを愛しています。私が愛しているのは、あなただけです。』
「あいつに言われたのか?何とかこの場は嘘をつき通して乗り切れと。もう旦那など愛していなくても、『愛しています』と言ってやれば許してもらえると。1年半も知らない土地にいて、どうせ愛に飢えているから、『愛しています』と言ってやれば泣いて喜ぶから、辛くても我慢して言ってやれと。お気遣い頂きましてありがとうございました。」
また泣き出したのを見て玄関に向かうと、追い掛けて来た妻は私の足に縋り付き、『そんな事は絶対に有りません。愛しているのはあなただけです。ごめんなさい。もう少し話だけでも聞いて下さい。』また居間に戻ると今度は近くに正座して、昔の事から順に話し出しました。
智子が短大を出て銀行に就職し、初めて配属になった支店に柴田直孝がいた。柴田は一流大学を出ていて、仕事も出来るのに偉ぶった素振りも無く、話し方もソフトだったので女子行員に人気が有ったそうです。しかし、歳も一回り上で既に結婚していた事も有り、智子にとっては恋愛対象ではなくて良き先輩でした。
大手銀行は転勤が多く、転勤が仕事だと言う人もいるぐらいだそうですが、智子が私と結婚をして、娘が生まれるまで勤めていた別の支店で偶然また一緒になり、以前一緒の支店にいた事からお互い親近感を覚え、昼食が一緒になった時や飲み会の時などには、お互いの家庭の事などプライベートな事なども、何でも話せる間柄に成っていきます。
ここでは2年弱しか重ならずに、柴田が別の支店に転勤となったのですが、私が海外に赴任した翌月、妻がパートで働いていた支店に支店長として赴任して来て、三度一緒の職場で働く事になったそうです。
2015/07/25
私(岩本慎介)が居間で待っていると顔を洗って入って来た妻の智子(ともこ)は、黙って入り口に正座しています。
「何か話したらどうだ?」
『ごめんなさい。何からお話ししたら良いか分かりません。あなたから訊いてもらえませんか?』
「全て最初から順に話すと思っていたが、そうか。俺が訊いてもいいのだな?それなら訊くが、俺がいない間、毎日抱いて貰っていたのか?あいつの物は大きかったか?一度のセックスで何回ぐらい気を遣った?あいつの物も毎回口に含んでやったのか?尻の穴も舐めてやったか?おまえの尻の穴も舐めてもらったか?俺には許さなかった尻の穴にも入れてもらったのか?」
『そんな酷い事を言わないで~。そんな事はしていません。身体の関係など有りません。本当です。本当です。』
「そんな酷い事をしていたのは誰だ?身体の関係が無いなんて信用出来る訳が無いだろ。俺は絶対に許さない。おまえもあの男も必ず地獄に落としてやる。どちらにしても俺達はもう駄目だ。離婚するしかない。」
まだ何も考えてもいなかったなかで“離婚”という言葉を云ってしまった私自身が動揺してしまいました。
『離婚なんて言わないで。浮気なんてしていません。あなたを愛しています。』
「浮気ではない?浮気で無いなら本気という事か?」
『違います。あなたを愛しています。私が愛しているのは、あなただけです。』
「あいつに言われたのか?何とかこの場は嘘をつき通して乗り切れと。もう旦那など愛していなくても、『愛しています』と言ってやれば許してもらえると。1年半も知らない土地にいて、どうせ愛に飢えているから、『愛しています』と言ってやれば泣いて喜ぶから、辛くても我慢して言ってやれと。お気遣い頂きましてありがとうございました。」
また泣き出したのを見て玄関に向かうと、追い掛けて来た妻は私の足に縋り付き、『そんな事は絶対に有りません。愛しているのはあなただけです。ごめんなさい。もう少し話だけでも聞いて下さい。』また居間に戻ると今度は近くに正座して、昔の事から順に話し出しました。
智子が短大を出て銀行に就職し、初めて配属になった支店に柴田直孝がいた。柴田は一流大学を出ていて、仕事も出来るのに偉ぶった素振りも無く、話し方もソフトだったので女子行員に人気が有ったそうです。しかし、歳も一回り上で既に結婚していた事も有り、智子にとっては恋愛対象ではなくて良き先輩でした。
大手銀行は転勤が多く、転勤が仕事だと言う人もいるぐらいだそうですが、智子が私と結婚をして、娘が生まれるまで勤めていた別の支店で偶然また一緒になり、以前一緒の支店にいた事からお互い親近感を覚え、昼食が一緒になった時や飲み会の時などには、お互いの家庭の事などプライベートな事なども、何でも話せる間柄に成っていきます。
ここでは2年弱しか重ならずに、柴田が別の支店に転勤となったのですが、私が海外に赴任した翌月、妻がパートで働いていた支店に支店長として赴任して来て、三度一緒の職場で働く事になったそうです。
2015/07/25
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