中U【本当は・・・】第1回 〖夫視点①〗
中U【本当は・・・】第1回 〖夫視点①〗
(原題:妻とケンカして、仲直りした話 投稿者:不明 投稿日:2012/02/16)
俺(南野芳隆:みなみの・よしたか:29歳)は幸せ者だ。朝の支度をする恵梨香(えりか)の後ろ姿を見て、つくづくそう思う。我が妻、南野恵梨香(みなみの・えりか:27歳)の今日のいでたちはいつも通りのフォーマルである。濃紺のジャケットを羽織っていてもそのウエストはまるでモデルみたく引き締まっているのがよく分かる。そのくせタイトスカートに包まれたお尻は女性らしさに満ちた魅惑的な曲線を描いている。それが恵梨香の機敏な動きにあわせてひょこひょこと揺れるのを見せられてはたまらない。毎朝後ろから襲いかかってお尻を撫で回したくなる衝動を堪えるのに四苦八苦させられる。《本来なら、俺達は夫婦なのだから堪える必要なんてないはずないのだけど・・・。》
『芳隆、目がスケベになってるよ!』肩越しに振り返って、恵梨香はぴしゃりと言い放つ。うっすらと茶色がかったミディアムヘアがさらりと揺れる。朝から愛しい妻を不機嫌にさせたくない俺としては、素直に「ごめん。」と謝るしかない。
恵梨香曰く『仕事とプライベートを混同するのは不健康。』だそうで、いったんフォーマルスーツに身を包んだら一切そういうことはしない。そういう誓いを結婚当初に立てさせられた。どうやら彼女の中では『たとえ家に居てもスーツを着込んだらもう仕事が始まっている。』という意識らしい。1度だけそれを破って俺が後ろから抱きついてみたら、恵梨香にかなり本気で怒られた。
二人が結婚してから2年と少しです。未だに視線だけで怒られるあたり、どうやら恵梨香はこの誓いを一生続けるつもりのようだ。一度でいいからタイトスカートの上からお尻を撫で回してみたい。そしてスカートの中に手を突っ込んで、黒タイツに包まれたふとももを思いっきりまさぐってみたい。男なら誰しもが抱く衝動だと思うのだけど、どうやらその欲求が満たされることは永遠になさそうだ。
「いただきます。」朝の食卓。2人とも忙しいので、朝はいつも簡単だ。今朝はトーストと夕飯の残りもののサラダ、それとコーヒー。そんなありふれた朝の食事も、妻(南野恵梨香:みなみの・えりか:27歳)と2人でテーブルを挟んで食べるのならば、とたんに何物にも代えがたいご馳走と化す。大げさなようだけど、彼女の顔を眺めていると本気でそう思えてくる。スーツ姿がよく似合う美人系の顔立ち。笑うとすごく柔らかい印象になるのだけれど、無表情で居るときつそうに見られることも多いらしい。実際俺も大学で知り合ったばかりの頃はどことなく近付きがたいものを感じていた。高嶺の花というか、どうせ俺なんかじゃダメだろうと思わせる雰囲気が当時の恵梨香には確かにあった。
『なによ?じっと見て。』
俺の視線に気がついた恵梨香が無表情のまま言ってくる。昔はこんなことにもいちいち慌てたりしたけど、別に怒っているわけじゃないと今なら分かる。
「いや、綺麗だなと思って・・。」
『・・・ば~か。いい加減に飽きないの?』
「飽きないよ。ちっとも。」
『もうバカね・・・早く食べないと遅刻するわよ。』
彼女はくすぐったそうに笑う。そんな一つ一つの仕草がたまらなく愛おしい。こんなふうに根気よく恵梨香を口説き続けた末に今の生活があるわけだ。途中で何度も挫折しそうになったけど、諦めなくてよかったと心から思う。
付き合い始めてから分かったことだけど、なんと恵梨香にとって俺が初めての彼氏だったらしい。初デートもファーストキスも初体験も何から何まで俺が奪って、これからも恵梨香の魅力を独り占めし続ける。そう思うといつも優越感に浸ってしまう。今のところ、スーツ姿でエッチさせてくれないことを除けば結婚生活に何の不満もない。《そろそろ子供を作ってもいいかな》とは思うけど、恵梨香は『今は仕事を休みたくない。』と言うので先送りにしている。今急ぐ必要はどこにも無い。《これから先もずっとこれを続けていくために》と思えば仕事にも張り合いがでるというものだ。
「それじゃあ行ってきます。今日はそんなに遅くならないと思う。」
『いってらっしゃい。私もいつも通りに帰ってこられると思うわ。』
出かける時間は俺のほうが少し早い。いつも通り今夜の予定を言い合って、玄関先で軽く唇を重ねる。仕事とプライベートの線引きにこだわる恵梨香だけど、これだけは許してくれていた。彼女曰く『だって芳隆ったら、キスしてあげないと捨てられた子犬みたいな目をするんだもの。』だそうな。情けない男と言われているようで複雑だが、そのおかげでいってらっしゃいのキスを貰えるのだったら安いものだ。足取りも軽く、俺はいつものルートで駅へと向かった。 第2回に続く
2015/05/13
(原題:妻とケンカして、仲直りした話 投稿者:不明 投稿日:2012/02/16)
俺(南野芳隆:みなみの・よしたか:29歳)は幸せ者だ。朝の支度をする恵梨香(えりか)の後ろ姿を見て、つくづくそう思う。我が妻、南野恵梨香(みなみの・えりか:27歳)の今日のいでたちはいつも通りのフォーマルである。濃紺のジャケットを羽織っていてもそのウエストはまるでモデルみたく引き締まっているのがよく分かる。そのくせタイトスカートに包まれたお尻は女性らしさに満ちた魅惑的な曲線を描いている。それが恵梨香の機敏な動きにあわせてひょこひょこと揺れるのを見せられてはたまらない。毎朝後ろから襲いかかってお尻を撫で回したくなる衝動を堪えるのに四苦八苦させられる。《本来なら、俺達は夫婦なのだから堪える必要なんてないはずないのだけど・・・。》
『芳隆、目がスケベになってるよ!』肩越しに振り返って、恵梨香はぴしゃりと言い放つ。うっすらと茶色がかったミディアムヘアがさらりと揺れる。朝から愛しい妻を不機嫌にさせたくない俺としては、素直に「ごめん。」と謝るしかない。
恵梨香曰く『仕事とプライベートを混同するのは不健康。』だそうで、いったんフォーマルスーツに身を包んだら一切そういうことはしない。そういう誓いを結婚当初に立てさせられた。どうやら彼女の中では『たとえ家に居てもスーツを着込んだらもう仕事が始まっている。』という意識らしい。1度だけそれを破って俺が後ろから抱きついてみたら、恵梨香にかなり本気で怒られた。
二人が結婚してから2年と少しです。未だに視線だけで怒られるあたり、どうやら恵梨香はこの誓いを一生続けるつもりのようだ。一度でいいからタイトスカートの上からお尻を撫で回してみたい。そしてスカートの中に手を突っ込んで、黒タイツに包まれたふとももを思いっきりまさぐってみたい。男なら誰しもが抱く衝動だと思うのだけど、どうやらその欲求が満たされることは永遠になさそうだ。
「いただきます。」朝の食卓。2人とも忙しいので、朝はいつも簡単だ。今朝はトーストと夕飯の残りもののサラダ、それとコーヒー。そんなありふれた朝の食事も、妻(南野恵梨香:みなみの・えりか:27歳)と2人でテーブルを挟んで食べるのならば、とたんに何物にも代えがたいご馳走と化す。大げさなようだけど、彼女の顔を眺めていると本気でそう思えてくる。スーツ姿がよく似合う美人系の顔立ち。笑うとすごく柔らかい印象になるのだけれど、無表情で居るときつそうに見られることも多いらしい。実際俺も大学で知り合ったばかりの頃はどことなく近付きがたいものを感じていた。高嶺の花というか、どうせ俺なんかじゃダメだろうと思わせる雰囲気が当時の恵梨香には確かにあった。
『なによ?じっと見て。』
俺の視線に気がついた恵梨香が無表情のまま言ってくる。昔はこんなことにもいちいち慌てたりしたけど、別に怒っているわけじゃないと今なら分かる。
「いや、綺麗だなと思って・・。」
『・・・ば~か。いい加減に飽きないの?』
「飽きないよ。ちっとも。」
『もうバカね・・・早く食べないと遅刻するわよ。』
彼女はくすぐったそうに笑う。そんな一つ一つの仕草がたまらなく愛おしい。こんなふうに根気よく恵梨香を口説き続けた末に今の生活があるわけだ。途中で何度も挫折しそうになったけど、諦めなくてよかったと心から思う。
付き合い始めてから分かったことだけど、なんと恵梨香にとって俺が初めての彼氏だったらしい。初デートもファーストキスも初体験も何から何まで俺が奪って、これからも恵梨香の魅力を独り占めし続ける。そう思うといつも優越感に浸ってしまう。今のところ、スーツ姿でエッチさせてくれないことを除けば結婚生活に何の不満もない。《そろそろ子供を作ってもいいかな》とは思うけど、恵梨香は『今は仕事を休みたくない。』と言うので先送りにしている。今急ぐ必要はどこにも無い。《これから先もずっとこれを続けていくために》と思えば仕事にも張り合いがでるというものだ。
「それじゃあ行ってきます。今日はそんなに遅くならないと思う。」
『いってらっしゃい。私もいつも通りに帰ってこられると思うわ。』
出かける時間は俺のほうが少し早い。いつも通り今夜の予定を言い合って、玄関先で軽く唇を重ねる。仕事とプライベートの線引きにこだわる恵梨香だけど、これだけは許してくれていた。彼女曰く『だって芳隆ったら、キスしてあげないと捨てられた子犬みたいな目をするんだもの。』だそうな。情けない男と言われているようで複雑だが、そのおかげでいってらっしゃいのキスを貰えるのだったら安いものだ。足取りも軽く、俺はいつものルートで駅へと向かった。 第2回に続く
2015/05/13
- 関連記事
-
- 中U【本当は・・・】第1回 〖夫視点①〗 (2015/05/13)
- 中U【本当は・・・】第2回 【妻視点①】 (2015/05/15)
- 中U【本当は・・・】第3回 【夫視点②】&〖妻視点②〗 (2015/05/19)
- 中U【本当は・・・】第4回 【夫視点③】 (2015/05/31)
- 中U【本当は・・・】第5回 〖妻視点③〗 (2015/06/17)
- 中U【本当は・・・】第6回 〖妻視点④〗 (2015/07/22)
- 中U【本当は・・・】第7回 (2016/12/15)
- 中U【本当は・・・】第8回 (2017/01/14)
- 中U【本当は・・・】第9回 (2019/08/18)
- 中U【本当は・・・】第10回 (2019/08/19)
コメント
コメントの投稿