短Ⅲ2〖ずっと抱きしめて〗第3回
短Ⅲ2〖ずっと抱きしめて〗第3回
第2回
翌朝いつもの通り妻(大原未央:みお:29歳)と二人で向かい合って朝食をとり食後のコーヒーを飲んでいました。いつもの通りの我が家の朝の風景ですが私(大原篤志:あつし:34歳)には違った景色に見えます。
私は自分が昨日、これまでの自分と変わってしまったことをはっきりと感じていました。妻も多分同じ思いだろうと思いました。今日、目覚めてからずっと目を伏せていて一度も私と目を合わさないのです。
我が家は、普段はインスタントコーヒーですが時々ちゃんと豆を買ってきて本格的に煎れることがあります。それはいつも市役所の近くにある店で買っていました。
私がコーヒーを飲み終わって出勤の為に立ち上がりに告げます。
「・・久し振りにあの店のコーヒー豆を買ってきてくれないか?」
妻の未央は少し驚いたように今日初めて私と目を合わせてきました。そして小さな声で、
『・・はい・・・わかりました。・・・いいのね、あなた?』
「ああ・・頼むよ。」
その夜は残業で遅くなり帰宅すると昨日のように妻が告白をします。
『あなた聞いてください。今日またあの店にいってきました。私このことで絶対貴方に隠し事をしたくないの。今度の事はどんなことがあっても必ず全てきちんと貴方に報告します。だから聞いてください。』
妻はコーヒー豆を買うと、まっすぐあの古本屋に向かったそうです。店の前で深呼吸をするように一度大きく息をついて店に入りました。店主はそれを店の中から見ていたそうです。妻が店内に入ると店主はにやりといやらしい笑みを浮かべて、はっきりと妻の全身をその視線で舐め回した。
昨日と同じように店主とは目を合わさずにそして昨日と同じように行き止まりの死角になっているスペースに行き昨日の本(〖SM大全(編集した書物)Ⅱ 凄かった!気が狂いそうな緊縛!〗)を手に取り、昨日のページを開き昨日のように見入る姿勢を取ったそうです。
『多分昨日と同じ、いいえ多分それ以上のことをされるのに平静を装ってまたあの凄いページを開いて待っている自分がとても不思議だったわ。でもそんな自分がいやではなかったの。あのいやらしい男(店主)にもなぜか不思議と嫌悪感はなかったの。』
店主は妻の後についてきたそうです。そして妻の未央が昨日と同じ姿勢になると、当然のごとく昨日と同じように背後から乱暴に息が詰まるほど強く抱きしめてきた。
『それは〔お前はもうオレのおんなだ! オレがオレの思う通りに扱っていいオレのおんななんだ!〕と宣告されている気がしたわ。でも・・・それが少しも嫌じゃなかったの。』
第4回に続く
2016/06/15
第2回
翌朝いつもの通り妻(大原未央:みお:29歳)と二人で向かい合って朝食をとり食後のコーヒーを飲んでいました。いつもの通りの我が家の朝の風景ですが私(大原篤志:あつし:34歳)には違った景色に見えます。
私は自分が昨日、これまでの自分と変わってしまったことをはっきりと感じていました。妻も多分同じ思いだろうと思いました。今日、目覚めてからずっと目を伏せていて一度も私と目を合わさないのです。
我が家は、普段はインスタントコーヒーですが時々ちゃんと豆を買ってきて本格的に煎れることがあります。それはいつも市役所の近くにある店で買っていました。
私がコーヒーを飲み終わって出勤の為に立ち上がりに告げます。
「・・久し振りにあの店のコーヒー豆を買ってきてくれないか?」
妻の未央は少し驚いたように今日初めて私と目を合わせてきました。そして小さな声で、
『・・はい・・・わかりました。・・・いいのね、あなた?』
「ああ・・頼むよ。」
その夜は残業で遅くなり帰宅すると昨日のように妻が告白をします。
『あなた聞いてください。今日またあの店にいってきました。私このことで絶対貴方に隠し事をしたくないの。今度の事はどんなことがあっても必ず全てきちんと貴方に報告します。だから聞いてください。』
妻はコーヒー豆を買うと、まっすぐあの古本屋に向かったそうです。店の前で深呼吸をするように一度大きく息をついて店に入りました。店主はそれを店の中から見ていたそうです。妻が店内に入ると店主はにやりといやらしい笑みを浮かべて、はっきりと妻の全身をその視線で舐め回した。
昨日と同じように店主とは目を合わさずにそして昨日と同じように行き止まりの死角になっているスペースに行き昨日の本(〖SM大全(編集した書物)Ⅱ 凄かった!気が狂いそうな緊縛!〗)を手に取り、昨日のページを開き昨日のように見入る姿勢を取ったそうです。
『多分昨日と同じ、いいえ多分それ以上のことをされるのに平静を装ってまたあの凄いページを開いて待っている自分がとても不思議だったわ。でもそんな自分がいやではなかったの。あのいやらしい男(店主)にもなぜか不思議と嫌悪感はなかったの。』
店主は妻の後についてきたそうです。そして妻の未央が昨日と同じ姿勢になると、当然のごとく昨日と同じように背後から乱暴に息が詰まるほど強く抱きしめてきた。
『それは〔お前はもうオレのおんなだ! オレがオレの思う通りに扱っていいオレのおんななんだ!〕と宣告されている気がしたわ。でも・・・それが少しも嫌じゃなかったの。』
第4回に続く
2016/06/15
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