短Ⅱ26〖心の隙〗第18話(完結)
短Ⅱ26〖心の隙〗第18話(完結)
第17話
結局、所長の田中良明(たなか・よしあき:53歳)が転勤していきました。妻(明戸理紗:あけど・りさ:35歳)のパート先には新しい所長が赴任します。理紗は、まだあの会社にパートに出ています。もう妻には、男の気配を一切感じなくなりました。確かに私(明戸郁夫:あけど・いくお:33歳)は寝取られ人間だと、思います。
私は、あの所長と妻が体を貪りあっていたときの記憶や、夜頻繁に外出してあの男に抱かれていたときのこと、不倫旅行のときのことなどを聞き出したりしながら、今でも妻に嫉妬し、妻も私にネチネチと問い詰められることを喜びながら、夫婦の夜の生活を刺激的に送っています。
理紗は私と結婚する直前まで処女でした。また、処女を奪ったのはもちろん私です。そして、こんなことがあるまで、私以外の男は一切知らなかったと思います。妻も女ですから、勤めに出るようになって男の目が気になったと思いますし、自分がほのかに憧れていた男(田中所長)に好意を持たれたことが嫌だったはずはありません。そして田中は、私と違って妻に甘えるようなタイプではなく、理紗を包み込み、妻のほうが甘えられる大人の男の雰囲気だったのでしょう。
妻は私との結婚以来、私の世話を焼き子ども達を産み育てるだけで、少し飽きというか嫌気が差してきていたのかもしれません。そして、再び外に勤めに出るようになって自分が女であることをまた意識し、家庭の束縛を離れたところで働くことで気分も開放的になった僅かな“心の隙”を、あの男に見透かされたのだと思います。
妻の理紗はあまりに男というものを知らな過ぎた。そのため男の罠に手もなく嵌り、堕され狂わされてしまったのです。もっとも、私のほうも妻以外の女は数えるほどしか知りませんが・・・。
私は妻を許し、今までどおりに接しています。あのお宮で妻と田中が密会していたとき、私が割って入っていればこんなことにもならなかった筈です。年齢はいっていても田中は大柄で、腕力もそれなりにありそうですから、普通の状態での一対一の殴りあいなら、どういう結果になったかは分りません。
しかし、男と男の闘いに限らず、闘いでは腕力だけが勝敗を左右するものではありません。あの場面で、夫である私が怒りを田中にぶつけていけば、きっと所長は退散し、このように、妻があの男に奪い取られそうになる展開だけは、避けられた筈です。
男は、自分が愛している女(彼女・妻)が他の男のペニスを受け入れ、精液まで入れられていると知ったり見たりしたとき、普通はどういう反応を示すのでしょうか? 嫉妬と喜びが混じった、あの何ものにも替えがたい興奮した感情は、私だけではないようにも思いますが…。
ただ、この興奮は、何ものにも替えがたい大事な妻を失う危険に晒すことで得られていたのだと思います。妻がここまで田中にのめり込んだのは、私の好奇心というか、他の男と交わって歓喜の声を上げている妻の淫らな姿を見て、自分は嫉妬しながら妻を抱きたいという願望を実行に移してしまった私の“心の隙”に、かなり責任があった。
今、私たち夫婦は以前よりもずっと、お互いの心と体を感じあえるようになった気がします。しかし、もし何か一つ間違っていれば、私たち夫婦の関係や親子の関係も、二度と修復できないことになっていたでしょう。
それで、私たちにとって、たまたま一番幸運だったのは、妻が妊娠していない(できない?)ということかもしれません。もし妻が妊娠していれば、私は自分がどういう手を打ったか自分でも全く想像できません。ただ、どういう手を打つことになったにせよ、地獄の苦しみを味わうことになっただろうと思いました。 [完]
2016/10/02
第17話
結局、所長の田中良明(たなか・よしあき:53歳)が転勤していきました。妻(明戸理紗:あけど・りさ:35歳)のパート先には新しい所長が赴任します。理紗は、まだあの会社にパートに出ています。もう妻には、男の気配を一切感じなくなりました。確かに私(明戸郁夫:あけど・いくお:33歳)は寝取られ人間だと、思います。
私は、あの所長と妻が体を貪りあっていたときの記憶や、夜頻繁に外出してあの男に抱かれていたときのこと、不倫旅行のときのことなどを聞き出したりしながら、今でも妻に嫉妬し、妻も私にネチネチと問い詰められることを喜びながら、夫婦の夜の生活を刺激的に送っています。
理紗は私と結婚する直前まで処女でした。また、処女を奪ったのはもちろん私です。そして、こんなことがあるまで、私以外の男は一切知らなかったと思います。妻も女ですから、勤めに出るようになって男の目が気になったと思いますし、自分がほのかに憧れていた男(田中所長)に好意を持たれたことが嫌だったはずはありません。そして田中は、私と違って妻に甘えるようなタイプではなく、理紗を包み込み、妻のほうが甘えられる大人の男の雰囲気だったのでしょう。
妻は私との結婚以来、私の世話を焼き子ども達を産み育てるだけで、少し飽きというか嫌気が差してきていたのかもしれません。そして、再び外に勤めに出るようになって自分が女であることをまた意識し、家庭の束縛を離れたところで働くことで気分も開放的になった僅かな“心の隙”を、あの男に見透かされたのだと思います。
妻の理紗はあまりに男というものを知らな過ぎた。そのため男の罠に手もなく嵌り、堕され狂わされてしまったのです。もっとも、私のほうも妻以外の女は数えるほどしか知りませんが・・・。
私は妻を許し、今までどおりに接しています。あのお宮で妻と田中が密会していたとき、私が割って入っていればこんなことにもならなかった筈です。年齢はいっていても田中は大柄で、腕力もそれなりにありそうですから、普通の状態での一対一の殴りあいなら、どういう結果になったかは分りません。
しかし、男と男の闘いに限らず、闘いでは腕力だけが勝敗を左右するものではありません。あの場面で、夫である私が怒りを田中にぶつけていけば、きっと所長は退散し、このように、妻があの男に奪い取られそうになる展開だけは、避けられた筈です。
男は、自分が愛している女(彼女・妻)が他の男のペニスを受け入れ、精液まで入れられていると知ったり見たりしたとき、普通はどういう反応を示すのでしょうか? 嫉妬と喜びが混じった、あの何ものにも替えがたい興奮した感情は、私だけではないようにも思いますが…。
ただ、この興奮は、何ものにも替えがたい大事な妻を失う危険に晒すことで得られていたのだと思います。妻がここまで田中にのめり込んだのは、私の好奇心というか、他の男と交わって歓喜の声を上げている妻の淫らな姿を見て、自分は嫉妬しながら妻を抱きたいという願望を実行に移してしまった私の“心の隙”に、かなり責任があった。
今、私たち夫婦は以前よりもずっと、お互いの心と体を感じあえるようになった気がします。しかし、もし何か一つ間違っていれば、私たち夫婦の関係や親子の関係も、二度と修復できないことになっていたでしょう。
それで、私たちにとって、たまたま一番幸運だったのは、妻が妊娠していない(できない?)ということかもしれません。もし妻が妊娠していれば、私は自分がどういう手を打ったか自分でも全く想像できません。ただ、どういう手を打つことになったにせよ、地獄の苦しみを味わうことになっただろうと思いました。 [完]
2016/10/02
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