長6≪MとS≫ 第7話
長6≪MとS≫ 第7話
第6話
その日の夜。私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)はベッドの中で今日のことを妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)に話した。そして段取りを説明しても成美はただ頷くばかり。たまに『わかったわ。』と返事が返ってくるだけだった。
「浅尾(琢己:あさお・たくみ:49歳)さんの電話番号は明日にでも紙に書いておいておく。」
『うん・・・。』
「撮影の方はね・・・。」
『大丈夫。さっきも聞いたよ。』
成美がそう答えて、いつものように笑みを浮かべる。
私は「そっか・・・。」と、そう言って成美を抱き寄せて告白した日と同じように唇を合わせた。成美の手が私の背中に回る。一瞬唇が離れたとき、『わたしがんばってくるね・・・。』
って、そう成美は呟いた。「・・・ありがとう。」それだけ言うと私達はこの日久しぶりのセックスをしたのである。
成美が浅尾さん達と会う日。当然だが私は真面目に仕事など出来るはずはなかった。社内の時計を見ては、「今頃は何を・・・?」と、腕時計を見ては「成美は嫌がってないだろうか?」とか、そんな考えばかりが浮かんでくる。
帰り道も急ぐように帰った。今までの帰宅時間記録を作ってしまったのではないだろうか。玄関を開けると『おかえり。』って、いつもと変わらない成美の声が聞こえてくる。“無事に帰ってきた。”それが最初の安心だった。テレビに夢中になる子供を気にしながらも私は小声で「どうだった?」と成美に訊いた。一刻も早くどうだったのかを聞きたかった。
もちろん子供の前でそんな話が出来ないことはわかっている。それでも聞いてしまった。成美はいつも通りの笑顔を作って頷く。そしてリビングから見えるキッチンの脇に目線を移動させる。私も釣られてそちらを見た。そこには封筒が置かれている。私は慌ててそっちに駆け寄った。
その封筒には予想通りにSDXCカード(事前に私が数枚購入し浅尾さんへ送付していた。)
が入っている。朝10時に待ち合わせて16時に帰宅の予定だった。実際のプレイは約3時間。封筒には手紙が入っていた。
〔桐山さんへ、とても楽しい1日でした。また機会があったら誘ってください。 浅尾〕
短い文章であったが頭のどこかでルール違反があったのでは? と思っていた心配が和らいだ。成美の表情を見ても無理に嫌がる事をされたと言う訳でもないみたいだ。私の選んだ相手は間違っていなかった。そう思うと安堵のため息と同時に腰が砕け落ちそうになる。
そんな不恰好な私の姿を見てクスクスと笑う成美の顔が更に落ち着かせてくれた。
その夜。私と成美の寝ている部屋には小さいがテレビもありDVDを観るためのDVDプレーヤーも接続されている。寝室というと当然に成美もいる。自分が他の男に抱かれている映像を夫と一緒に成美が見られるだろうか? そんな心配があった。別の日にこっそりと1人で見ようかとも考えた。
しかし、成美が頑張ってくれたのは私が喜ぶからという理由だろうか? 私が興奮して成美の映像を見ることが成美にとっては一番良いのではないだろうか? そんな考えが頭の中で交差する。そうした私の葛藤など成美には簡単にわかってしまうものなのだろう。『いいよ・・・喜んでくれるんでしょ?』って、はにかんだ様な笑顔を見せてくる。
「いいんだね。一緒に観ても。」と、私がそう返事するとベッドの縁に座っていた私の背中に豊満な胸を押し付けてきた。そして肩から手を回してくる。私は無理な体勢ながらも後ろを振り返り、唇を付ける。肩から回している成美の片手を取り、ゆっくりと下に下ろしていく。パジャマ代わりにしているジャージの上からでもはっきりと分かるくらい固くなったペニスを触らせた。「まだ見てないのにもう・・・こんなになってるんだ。わかるだろ?」そう云うと成美は目を瞑り何度も小さく首を縦に振った。そして目を開き笑顔を見せる。
第8話に続く
2017/06/07
第6話
その日の夜。私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)はベッドの中で今日のことを妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)に話した。そして段取りを説明しても成美はただ頷くばかり。たまに『わかったわ。』と返事が返ってくるだけだった。
「浅尾(琢己:あさお・たくみ:49歳)さんの電話番号は明日にでも紙に書いておいておく。」
『うん・・・。』
「撮影の方はね・・・。」
『大丈夫。さっきも聞いたよ。』
成美がそう答えて、いつものように笑みを浮かべる。
私は「そっか・・・。」と、そう言って成美を抱き寄せて告白した日と同じように唇を合わせた。成美の手が私の背中に回る。一瞬唇が離れたとき、『わたしがんばってくるね・・・。』
って、そう成美は呟いた。「・・・ありがとう。」それだけ言うと私達はこの日久しぶりのセックスをしたのである。
成美が浅尾さん達と会う日。当然だが私は真面目に仕事など出来るはずはなかった。社内の時計を見ては、「今頃は何を・・・?」と、腕時計を見ては「成美は嫌がってないだろうか?」とか、そんな考えばかりが浮かんでくる。
帰り道も急ぐように帰った。今までの帰宅時間記録を作ってしまったのではないだろうか。玄関を開けると『おかえり。』って、いつもと変わらない成美の声が聞こえてくる。“無事に帰ってきた。”それが最初の安心だった。テレビに夢中になる子供を気にしながらも私は小声で「どうだった?」と成美に訊いた。一刻も早くどうだったのかを聞きたかった。
もちろん子供の前でそんな話が出来ないことはわかっている。それでも聞いてしまった。成美はいつも通りの笑顔を作って頷く。そしてリビングから見えるキッチンの脇に目線を移動させる。私も釣られてそちらを見た。そこには封筒が置かれている。私は慌ててそっちに駆け寄った。
その封筒には予想通りにSDXCカード(事前に私が数枚購入し浅尾さんへ送付していた。)
が入っている。朝10時に待ち合わせて16時に帰宅の予定だった。実際のプレイは約3時間。封筒には手紙が入っていた。
〔桐山さんへ、とても楽しい1日でした。また機会があったら誘ってください。 浅尾〕
短い文章であったが頭のどこかでルール違反があったのでは? と思っていた心配が和らいだ。成美の表情を見ても無理に嫌がる事をされたと言う訳でもないみたいだ。私の選んだ相手は間違っていなかった。そう思うと安堵のため息と同時に腰が砕け落ちそうになる。
そんな不恰好な私の姿を見てクスクスと笑う成美の顔が更に落ち着かせてくれた。
その夜。私と成美の寝ている部屋には小さいがテレビもありDVDを観るためのDVDプレーヤーも接続されている。寝室というと当然に成美もいる。自分が他の男に抱かれている映像を夫と一緒に成美が見られるだろうか? そんな心配があった。別の日にこっそりと1人で見ようかとも考えた。
しかし、成美が頑張ってくれたのは私が喜ぶからという理由だろうか? 私が興奮して成美の映像を見ることが成美にとっては一番良いのではないだろうか? そんな考えが頭の中で交差する。そうした私の葛藤など成美には簡単にわかってしまうものなのだろう。『いいよ・・・喜んでくれるんでしょ?』って、はにかんだ様な笑顔を見せてくる。
「いいんだね。一緒に観ても。」と、私がそう返事するとベッドの縁に座っていた私の背中に豊満な胸を押し付けてきた。そして肩から手を回してくる。私は無理な体勢ながらも後ろを振り返り、唇を付ける。肩から回している成美の片手を取り、ゆっくりと下に下ろしていく。パジャマ代わりにしているジャージの上からでもはっきりと分かるくらい固くなったペニスを触らせた。「まだ見てないのにもう・・・こんなになってるんだ。わかるだろ?」そう云うと成美は目を瞑り何度も小さく首を縦に振った。そして目を開き笑顔を見せる。
第8話に続く
2017/06/07
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