長4〔公認デート〕その9
長4〔公認デート〕その9
その8
俺(斎藤裕樹:さいとう・ひろき:29歳)は高階健吾(たかしな・けんご:24歳)からのライン〔今日詩穂さんの唇ゴチになりました。〕を読むが、それは何か現実感が無くて、いつも通り晩飯作っている妻(斎藤詩穂:さいとう・しほ:29歳)の後ろ姿と、そのラインを何度も往復して見ていた。
正直なところ、これは嘘だと本気で思った。だから俺には動揺とかもなくて、普通に「今日何かあった?」と訊ける。詩穂も料理作りながら『え~、何も無いよ。何で?』って感じだった。その晩もセックスをする。バックで突いているMモードの時に訊けば答えてくれたかもしれないけど、俺はそうしなかった。
別に怖かったわけじゃない。俺は本当に高階が苦し紛れの嘘をついただけって思っていた。だから、その後に高階とはラインで、「嘘つくな!」、〔嘘じゃないですよ。〕という不毛なやりとりを数度する。
次のデートの日、俺は高階のラインが気になり始めていた。それで、出発する詩穂に玄関先で割と強引にキスをしようとしたけど、やっぱり『ん、もう。はいダメー!』って拒否される。まぁ~いつもの事なので、仕方がないとすごすごと居間に戻った。
すると、その後高階から、〔今からオレの車の中覗いていてくださいよ。見えるでしょ? 詩穂さんとキスしますから。。〕とラインが来た。俺は《馬鹿か?》と思った。どちらにせよ近所の目もあるのに詩穂がそんな事をするわけが無いので俺は無視して、窓の外を見なかった。
そうしたら、その数分後にまた高階からラインが、〔どうでした? 詩穂さんが照れて一瞬だったけど嘘じゃなかったでしょ?〕との内容。俺は慌てて3階の窓から下を見たけど、もう居るなかった。それで俺は「見てないよ。」とだけラインの返信をする。
すぐに高階からは、〔何ですかもう! じゃあ絶対証明してみせますからね。〕とラインが来た。それから1時間後に高階と表示された電話がかかってきたが、これを取っても全然応答が無い。ただ、ステレオから聞こえてくる音楽と、車のエンジン音だけである。
しばらくするとゴソゴソって音がした。そして2人の声が聞こえるようになる。高階の声は鮮明だったが、詩穂の声はよく聞こえない。(後で高階に聞くと、スマホを胸ポケットに入れていたらしい。)
〔ねぇ詩穂さん、もう1回キスをしよ?〕
『え~? なに~? さっきしたでしょ?』
〔だってオレ我慢できないよ。〕
『だ~め! 一日一回って約束でしょ? 今日はもう三回もしてるじゃん。』
〔あと一回。あと一回だけお願い。〕
『も~しょうがないな・・・・。』
その会話の後、暫く無言が続いた・・・・。
俺はその時、とにかく喉が渇いて、頭がガンガンしていた。目もすごく乾燥していた気がする。ステレオとエンジンの音の中で、“ちゅっ、ちゅっ”て音が聞こえた。そして、また少し無言がまた続く。
『はい、おしまいね。もう今日はおしまい! 絶対におしまい!』
〔詩穂さん照れていて可愛いな。唇がすごく柔らかいね。〕
そのあと詩歩と高階の2人は何か喋っていたけど俺には記憶が全く無い。そして何時の間にか電話も切れていた。 その10に続く
2017/06/14
その8
俺(斎藤裕樹:さいとう・ひろき:29歳)は高階健吾(たかしな・けんご:24歳)からのライン〔今日詩穂さんの唇ゴチになりました。〕を読むが、それは何か現実感が無くて、いつも通り晩飯作っている妻(斎藤詩穂:さいとう・しほ:29歳)の後ろ姿と、そのラインを何度も往復して見ていた。
正直なところ、これは嘘だと本気で思った。だから俺には動揺とかもなくて、普通に「今日何かあった?」と訊ける。詩穂も料理作りながら『え~、何も無いよ。何で?』って感じだった。その晩もセックスをする。バックで突いているMモードの時に訊けば答えてくれたかもしれないけど、俺はそうしなかった。
別に怖かったわけじゃない。俺は本当に高階が苦し紛れの嘘をついただけって思っていた。だから、その後に高階とはラインで、「嘘つくな!」、〔嘘じゃないですよ。〕という不毛なやりとりを数度する。
次のデートの日、俺は高階のラインが気になり始めていた。それで、出発する詩穂に玄関先で割と強引にキスをしようとしたけど、やっぱり『ん、もう。はいダメー!』って拒否される。まぁ~いつもの事なので、仕方がないとすごすごと居間に戻った。
すると、その後高階から、〔今からオレの車の中覗いていてくださいよ。見えるでしょ? 詩穂さんとキスしますから。。〕とラインが来た。俺は《馬鹿か?》と思った。どちらにせよ近所の目もあるのに詩穂がそんな事をするわけが無いので俺は無視して、窓の外を見なかった。
そうしたら、その数分後にまた高階からラインが、〔どうでした? 詩穂さんが照れて一瞬だったけど嘘じゃなかったでしょ?〕との内容。俺は慌てて3階の窓から下を見たけど、もう居るなかった。それで俺は「見てないよ。」とだけラインの返信をする。
すぐに高階からは、〔何ですかもう! じゃあ絶対証明してみせますからね。〕とラインが来た。それから1時間後に高階と表示された電話がかかってきたが、これを取っても全然応答が無い。ただ、ステレオから聞こえてくる音楽と、車のエンジン音だけである。
しばらくするとゴソゴソって音がした。そして2人の声が聞こえるようになる。高階の声は鮮明だったが、詩穂の声はよく聞こえない。(後で高階に聞くと、スマホを胸ポケットに入れていたらしい。)
〔ねぇ詩穂さん、もう1回キスをしよ?〕
『え~? なに~? さっきしたでしょ?』
〔だってオレ我慢できないよ。〕
『だ~め! 一日一回って約束でしょ? 今日はもう三回もしてるじゃん。』
〔あと一回。あと一回だけお願い。〕
『も~しょうがないな・・・・。』
その会話の後、暫く無言が続いた・・・・。
俺はその時、とにかく喉が渇いて、頭がガンガンしていた。目もすごく乾燥していた気がする。ステレオとエンジンの音の中で、“ちゅっ、ちゅっ”て音が聞こえた。そして、また少し無言がまた続く。
『はい、おしまいね。もう今日はおしまい! 絶対におしまい!』
〔詩穂さん照れていて可愛いな。唇がすごく柔らかいね。〕
そのあと詩歩と高階の2人は何か喋っていたけど俺には記憶が全く無い。そして何時の間にか電話も切れていた。 その10に続く
2017/06/14
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