長4〔公認デート〕その7
長4〔公認デート〕その7
その6
それから妻の詩穂(しほ:29歳)を家に置いて、喫茶店で待っている間、俺(斎藤裕樹さいとう・ひろき:29歳)は少し頭を冷すと、《なんで俺こんなに怒っているのだろう? そもそも俺がデートさせていたのじゃないか。詩穂が何度もデートの誘いに乗ってきたら、いけると思いこむ。告白もしたくなるな。》と冷静に考えるようになる。すると、嘘みたいにすーーっと高階への怒りが消えていった。むしろ《これで怒られる高階の方が可哀想だなって・・・・。》
しばらく待っていると、高階健吾(たかしな・けんご:24歳)がスーツ姿で登場する。俺を確認するなり(以前から詩穂に写真とか見せてもらっていた)深々と頭を下げて、何度も何度も謝罪を繰り返してきた。俺は一応しかめっ面をしながらも、「別に君は悪くないんだけどな。」と言いつつも周りの客の奇異な視線もあって、居心地の悪さを感じている。
それから俺はすぐに、「もう別に怒っていない。誘いに乗っていた妻(斎藤詩穂:さいとう・しほ:29歳)にも問題はある。」と自分の事を棚にあげて軽く高階を許したポーズをとった。彼は自分の人生が終わるのを覚悟していたみたいで、泣きそうな顔で謝罪とお礼を繰り返している。
高階(たかしな)は実際にみると、やはりイケメンだった。ジャニーズでも通用しそうだ。ただ身長だけは詩穂(166センチ)より少し高いくらいだった。24歳とは詩穂から聞いていたが、高校生でも通りそうな感じだった。
俺はその高階の容姿に、怒りよりもむしろ、《こんなのに惚れられるウチの詩穂》ってことを感じる。そして何より《こんなイケメそれに惚れられても詩穂は俺の事しか眼中にない》ってことに優越感を感じた。
それだから俺はむしろ高階に優しくする。詩穂の良さがわかる奴だってことで変な連帯感が・・・・。でも詩穂には相手されていない。それだけに、「詩穂のどういうところに惚れたんだ?」と訊いてしまう。最初は俺が怒っていると予想していたが、そうでもないと気づくと、色々と惚れた箇所を列挙していった。
それで俺は「あと胸もでかいぞ!」と追加して教えてやると嬉しそうに〔マジですか?〕と言うので、俺は《エロいやつだな。》と内心思ったが、まぁ悪い気はしない。高階は助かりたい一心のお世辞なのか、それとも本心なのか、しきりと〔ご主人(俺のこと)が羨ましい。〕と言ってくる。
そこまでは良かったのだが、問題はここからで、その後も詩穂に関する話を続けていたのだが、高階がもう大丈夫かと気が緩んだのか、ぼそっと〔もう少しで堕とせそうだったんですけどね(笑)。〕と呟いた。俺は鼻で笑って、(でも内心むかついていた)「それは無理だって。詩穂は俺以外に興味が無いから。」と言いかえした。
すると〔え~そうかな?〕と自信ありげな反論をするので、「じゃあ今の関係を続けてみろよ? 絶対に詩穂は堕ちないよ。君にはね。」と挑発すると、高階が〔え? いいんですか?〕と凄く嬉しそうな顔になる。
普通に考えたら俺の立場が完全に上なのだが、なんていうのかその時の人間関係の上下は詩穂との関係で成り立っている感じで、〔詩穂を堕とせる。〕と自信満々の高階と俺はなんだか五分と五分の関係になっていた。 その8へ続く
2017/05/31
その6
それから妻の詩穂(しほ:29歳)を家に置いて、喫茶店で待っている間、俺(斎藤裕樹さいとう・ひろき:29歳)は少し頭を冷すと、《なんで俺こんなに怒っているのだろう? そもそも俺がデートさせていたのじゃないか。詩穂が何度もデートの誘いに乗ってきたら、いけると思いこむ。告白もしたくなるな。》と冷静に考えるようになる。すると、嘘みたいにすーーっと高階への怒りが消えていった。むしろ《これで怒られる高階の方が可哀想だなって・・・・。》
しばらく待っていると、高階健吾(たかしな・けんご:24歳)がスーツ姿で登場する。俺を確認するなり(以前から詩穂に写真とか見せてもらっていた)深々と頭を下げて、何度も何度も謝罪を繰り返してきた。俺は一応しかめっ面をしながらも、「別に君は悪くないんだけどな。」と言いつつも周りの客の奇異な視線もあって、居心地の悪さを感じている。
それから俺はすぐに、「もう別に怒っていない。誘いに乗っていた妻(斎藤詩穂:さいとう・しほ:29歳)にも問題はある。」と自分の事を棚にあげて軽く高階を許したポーズをとった。彼は自分の人生が終わるのを覚悟していたみたいで、泣きそうな顔で謝罪とお礼を繰り返している。
高階(たかしな)は実際にみると、やはりイケメンだった。ジャニーズでも通用しそうだ。ただ身長だけは詩穂(166センチ)より少し高いくらいだった。24歳とは詩穂から聞いていたが、高校生でも通りそうな感じだった。
俺はその高階の容姿に、怒りよりもむしろ、《こんなのに惚れられるウチの詩穂》ってことを感じる。そして何より《こんなイケメそれに惚れられても詩穂は俺の事しか眼中にない》ってことに優越感を感じた。
それだから俺はむしろ高階に優しくする。詩穂の良さがわかる奴だってことで変な連帯感が・・・・。でも詩穂には相手されていない。それだけに、「詩穂のどういうところに惚れたんだ?」と訊いてしまう。最初は俺が怒っていると予想していたが、そうでもないと気づくと、色々と惚れた箇所を列挙していった。
それで俺は「あと胸もでかいぞ!」と追加して教えてやると嬉しそうに〔マジですか?〕と言うので、俺は《エロいやつだな。》と内心思ったが、まぁ悪い気はしない。高階は助かりたい一心のお世辞なのか、それとも本心なのか、しきりと〔ご主人(俺のこと)が羨ましい。〕と言ってくる。
そこまでは良かったのだが、問題はここからで、その後も詩穂に関する話を続けていたのだが、高階がもう大丈夫かと気が緩んだのか、ぼそっと〔もう少しで堕とせそうだったんですけどね(笑)。〕と呟いた。俺は鼻で笑って、(でも内心むかついていた)「それは無理だって。詩穂は俺以外に興味が無いから。」と言いかえした。
すると〔え~そうかな?〕と自信ありげな反論をするので、「じゃあ今の関係を続けてみろよ? 絶対に詩穂は堕ちないよ。君にはね。」と挑発すると、高階が〔え? いいんですか?〕と凄く嬉しそうな顔になる。
普通に考えたら俺の立場が完全に上なのだが、なんていうのかその時の人間関係の上下は詩穂との関係で成り立っている感じで、〔詩穂を堕とせる。〕と自信満々の高階と俺はなんだか五分と五分の関係になっていた。 その8へ続く
2017/05/31
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