長4〔公認デート〕その6
長4〔公認デート〕その6
その5
取り敢えず俺(斎藤裕樹:さいとう・ひろき:29歳)は、〖デート〗を続行させることにした。次のデートも来週の土曜日とする。妻(斎藤詩穂:さいとう・しほ:29歳)は、会社ではすぐに人の噂になる怖れがあるので、高階健吾(たかしな・けんご:24歳)とは、『直接会話をすることは仕事上の連絡等以外ではしていない。』とのこと。ただ、時たま会釈をしたり、アイコンタクトらしいのはしたりするそうだ。
そうこうするうちに土曜日がくる。詩穂は先週俺に怒られたので、すごくおどおどしていた。『裕樹君、今日は行ってきてもいいの?』って尋ねてくる。「もちろん行けよ。」、『はい。』、「でもラインは忘れずにしろよ!」と少し偉そうに云う。妻は結構おしゃれな格好をしてデートに出かけて行った。
だから、詩穂からは、ラインが何度も届く。『××に着きました。』とか『今から食事に行きます。』って伝えてきた。以前は、俺を挑発するような文面だったのに、今日のは味気ない事務的なものばかりである。これでは面白くもないし、嫉妬も湧きようがなかった。
俺は詩穂を信用している。〖高階(たかしな)との関係〗もなんか発展しないし、刺激も嫉妬もしない。《最初に詩穂に言った「最近夫婦関係はマンネリしているし、お互いの為の良い刺激になるんじゃない?」を》思い出す。それで《相手がストーカーとかになる前に止めさせとこうかな。》と思い始めていたころ、デートから帰ってきた詩穂の様子が少しおかしかった。
いつもなら楽しそうに帰ってくるのだけど、なんか浮かない表情で、俺が問いただしてもなんというか引きつった苦笑いで『何にも無いよ。』って言うだけである。こういう時はセックスをして無理矢理にも訊きだせるのだけど、なんか変だったから、そういうの無しでちゃんと訊こうとした。しかし、どれだけしつこく聞いても口を割らない。《え? もしかして? 嘘だろ?》とすごく焦った。それでも、ようやく詩穂が『裕樹君、絶対に怒らない?』って言うから、《変なことをされたなら俺は絶対怒るだろうな》と、自分でも確信しつつ「怒らない、怒らない。約束する。」と答える。自分でもすごく冷静だった。
詩穂は写メを送ってきたり、あと俺の目の前で高階健吾のスマホの登録名を“彼氏”にしたりして、(勿論高階には秘密で詩穂が勝手にやっているだけだったが)俺の嫉妬を誘ってきたのだ。その度にデートしてきた服を着させたまま犯して、『ごめんなさい! ごめんさない!』って謝らせながら喘がせる。詩穂もそうした一連の流れに対して、満更でもない、というか大分積極的になっていた。
そんな感じで何度かデート重ねていったのだけど、そうするとやっぱり高階(たかしな)のほうも段々と、その気になって、割と本気でキスとかホテルとか、せがんで来るようになる。勿論詩穂は全部断っていた。しかし今日は、そういうのじゃなくて、〔旦那には内緒で、彼氏にしてほしい。〕と本気で告白される。
これを聞いた俺はやっぱり怒った。目の前にあったプラスチックのゴミ箱を蹴り倒す。だが詩穂に対して怒ったわけでもないし、詩穂にも語気を荒げることもしなかった。それでもオロオロしている詩穂に、「高階を呼べ!」と命令した。 その7に続く
2017/05/24
その5
取り敢えず俺(斎藤裕樹:さいとう・ひろき:29歳)は、〖デート〗を続行させることにした。次のデートも来週の土曜日とする。妻(斎藤詩穂:さいとう・しほ:29歳)は、会社ではすぐに人の噂になる怖れがあるので、高階健吾(たかしな・けんご:24歳)とは、『直接会話をすることは仕事上の連絡等以外ではしていない。』とのこと。ただ、時たま会釈をしたり、アイコンタクトらしいのはしたりするそうだ。
そうこうするうちに土曜日がくる。詩穂は先週俺に怒られたので、すごくおどおどしていた。『裕樹君、今日は行ってきてもいいの?』って尋ねてくる。「もちろん行けよ。」、『はい。』、「でもラインは忘れずにしろよ!」と少し偉そうに云う。妻は結構おしゃれな格好をしてデートに出かけて行った。
だから、詩穂からは、ラインが何度も届く。『××に着きました。』とか『今から食事に行きます。』って伝えてきた。以前は、俺を挑発するような文面だったのに、今日のは味気ない事務的なものばかりである。これでは面白くもないし、嫉妬も湧きようがなかった。
俺は詩穂を信用している。〖高階(たかしな)との関係〗もなんか発展しないし、刺激も嫉妬もしない。《最初に詩穂に言った「最近夫婦関係はマンネリしているし、お互いの為の良い刺激になるんじゃない?」を》思い出す。それで《相手がストーカーとかになる前に止めさせとこうかな。》と思い始めていたころ、デートから帰ってきた詩穂の様子が少しおかしかった。
いつもなら楽しそうに帰ってくるのだけど、なんか浮かない表情で、俺が問いただしてもなんというか引きつった苦笑いで『何にも無いよ。』って言うだけである。こういう時はセックスをして無理矢理にも訊きだせるのだけど、なんか変だったから、そういうの無しでちゃんと訊こうとした。しかし、どれだけしつこく聞いても口を割らない。《え? もしかして? 嘘だろ?》とすごく焦った。それでも、ようやく詩穂が『裕樹君、絶対に怒らない?』って言うから、《変なことをされたなら俺は絶対怒るだろうな》と、自分でも確信しつつ「怒らない、怒らない。約束する。」と答える。自分でもすごく冷静だった。
詩穂は写メを送ってきたり、あと俺の目の前で高階健吾のスマホの登録名を“彼氏”にしたりして、(勿論高階には秘密で詩穂が勝手にやっているだけだったが)俺の嫉妬を誘ってきたのだ。その度にデートしてきた服を着させたまま犯して、『ごめんなさい! ごめんさない!』って謝らせながら喘がせる。詩穂もそうした一連の流れに対して、満更でもない、というか大分積極的になっていた。
そんな感じで何度かデート重ねていったのだけど、そうするとやっぱり高階(たかしな)のほうも段々と、その気になって、割と本気でキスとかホテルとか、せがんで来るようになる。勿論詩穂は全部断っていた。しかし今日は、そういうのじゃなくて、〔旦那には内緒で、彼氏にしてほしい。〕と本気で告白される。
これを聞いた俺はやっぱり怒った。目の前にあったプラスチックのゴミ箱を蹴り倒す。だが詩穂に対して怒ったわけでもないし、詩穂にも語気を荒げることもしなかった。それでもオロオロしている詩穂に、「高階を呼べ!」と命令した。 その7に続く
2017/05/24
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