長6≪MとS≫ 第5話
長6≪MとS≫ 第5話
第4話
「初めまして・・・。」仕事終わりに私達が待ち合わせたのはファミレスだった。初めて見た印象は清潔そうな中年の男性。私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)が会う前まで想像していた通りの姿だった。お互いに「よろしくお願いします。」と椅子から立ち上がり軽く会釈をそるその男の態度にも私は不満はなかった。浅尾琢己(あさお・たくみ)と名乗ったその男は年齢49歳。私も十分中年だがその男はさらに一回りも以上も上だ。〔離婚をして7年が過ぎた。〕と言う。
私達はそんな何気ない話から始めた。ところどころに私が不安に思っている疑問点を交えながらだ。浅尾さんはそんな疑問に応えてくれる。私が心配そうに話した時には真剣に聞いてくれた。冗談話をした時は一緒に笑って話をしてくれる。そんな人柄に私は安心をした。
私が「浅尾さん・・・妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)を・・・成美をよろしくお願いします。」と頭をさげると、〔成美さん成美さんって言うんですね。こちらこそよろしくお願いします。〕と丁寧に頭を下げられる。そうなのだ。浅尾さんはこの時まで成美の名前すら聞いてこなかったのだ。
メール交換をしていた他の方は頻繁に成美の情報を求めたのに。「それで・・・約束事なんですが・・・。」と私はこの日一番大事な話を始める。「挿入は必ずゴムありで・・・キスは妻が嫌がるようならNGです。キスだけじゃなく妻が嫌がることは全部勘弁してください・・・ 初めてのことなので・・・。」とお願いと説明をします。〔心得ています。その辺りは心配しないでください。〕何故かこの人の笑顔を見ると落ち着いた。
浅尾さんの方から、〔逆に桐山(きりやま)さんから、これをして欲しいなんてことはありますか?〕と訊ねられる。私はそう言われ掲示板に書く前に想像していた成美の姿を思い出してしまった。そんなことを告白していいものなのだろうか? 迷ってしまい、下を向き黙ってしまった私の態度で浅尾さんは何かを察したのだろう。〔あるんですね?〕、「はい・・・。」
言い方は悪いかもしれないけれど、会う前、会った直後は私が貸す方。浅尾さんは借りる方と言う事で力関係は私の方が上だったように思う。しかし、成美を抱かせると決まってからはどうだろう。私の愛する妻を抱ける男。おそらく私が嫉妬に狂い興奮しながら見るであろう相手。不思議と私の手の届かない存在に見えてくるのだった。「はい。」と素直に返事をしてしまった理由はそんなところにあるのかもしれない。
〔出来るかどうかは実際に成美さんと会って話してみないと分からないことですけど、一応希望を話してくれませんか?〕の応対に、私は悩んだ・・・と言っても形だけである。心の中ではすでに伝えようと思っていたはずだ。「あの~浅尾さんは縛りとかって出来ますか?」と伺うと。〔えぇ・・・それは出来ますよ。〕との答えに言葉を失い「・・・・・・。」沈黙をすると、〔なるほど・・・よくわかりました。桐山さんのご要望に応えられるよう頑張ってみましょう。〕
そう言われ私は何も言わず頭を下げた。それこそテーブルに額が付いてしまうくらいに。
〔ところで桐山さん・・・成美さんのお相手をする時は桐山さんの前でしますか?〕と突然に言われ、思わず「え?!」となる。私は当然そのつもりだった。 第6話へ続く
2017/05/29
第4話
「初めまして・・・。」仕事終わりに私達が待ち合わせたのはファミレスだった。初めて見た印象は清潔そうな中年の男性。私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)が会う前まで想像していた通りの姿だった。お互いに「よろしくお願いします。」と椅子から立ち上がり軽く会釈をそるその男の態度にも私は不満はなかった。浅尾琢己(あさお・たくみ)と名乗ったその男は年齢49歳。私も十分中年だがその男はさらに一回りも以上も上だ。〔離婚をして7年が過ぎた。〕と言う。
私達はそんな何気ない話から始めた。ところどころに私が不安に思っている疑問点を交えながらだ。浅尾さんはそんな疑問に応えてくれる。私が心配そうに話した時には真剣に聞いてくれた。冗談話をした時は一緒に笑って話をしてくれる。そんな人柄に私は安心をした。
私が「浅尾さん・・・妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)を・・・成美をよろしくお願いします。」と頭をさげると、〔成美さん成美さんって言うんですね。こちらこそよろしくお願いします。〕と丁寧に頭を下げられる。そうなのだ。浅尾さんはこの時まで成美の名前すら聞いてこなかったのだ。
メール交換をしていた他の方は頻繁に成美の情報を求めたのに。「それで・・・約束事なんですが・・・。」と私はこの日一番大事な話を始める。「挿入は必ずゴムありで・・・キスは妻が嫌がるようならNGです。キスだけじゃなく妻が嫌がることは全部勘弁してください・・・ 初めてのことなので・・・。」とお願いと説明をします。〔心得ています。その辺りは心配しないでください。〕何故かこの人の笑顔を見ると落ち着いた。
浅尾さんの方から、〔逆に桐山(きりやま)さんから、これをして欲しいなんてことはありますか?〕と訊ねられる。私はそう言われ掲示板に書く前に想像していた成美の姿を思い出してしまった。そんなことを告白していいものなのだろうか? 迷ってしまい、下を向き黙ってしまった私の態度で浅尾さんは何かを察したのだろう。〔あるんですね?〕、「はい・・・。」
言い方は悪いかもしれないけれど、会う前、会った直後は私が貸す方。浅尾さんは借りる方と言う事で力関係は私の方が上だったように思う。しかし、成美を抱かせると決まってからはどうだろう。私の愛する妻を抱ける男。おそらく私が嫉妬に狂い興奮しながら見るであろう相手。不思議と私の手の届かない存在に見えてくるのだった。「はい。」と素直に返事をしてしまった理由はそんなところにあるのかもしれない。
〔出来るかどうかは実際に成美さんと会って話してみないと分からないことですけど、一応希望を話してくれませんか?〕の応対に、私は悩んだ・・・と言っても形だけである。心の中ではすでに伝えようと思っていたはずだ。「あの~浅尾さんは縛りとかって出来ますか?」と伺うと。〔えぇ・・・それは出来ますよ。〕との答えに言葉を失い「・・・・・・。」沈黙をすると、〔なるほど・・・よくわかりました。桐山さんのご要望に応えられるよう頑張ってみましょう。〕
そう言われ私は何も言わず頭を下げた。それこそテーブルに額が付いてしまうくらいに。
〔ところで桐山さん・・・成美さんのお相手をする時は桐山さんの前でしますか?〕と突然に言われ、思わず「え?!」となる。私は当然そのつもりだった。 第6話へ続く
2017/05/29
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