長6≪MとS≫ 第4話
長6≪MとS≫ 第4話
第3話
それ以降も、応募の返信メールは届いた。冷やかしや誇大妄想、遠距離や意味不明などを除いて、1週間後に私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)が返信をしたのは4件だった。それらはしっかりとプロフィールが書かれている方。しっかりと話を聞いてみたいと返信用にアドレスを載せている方。そして、私がなんとなくと言う感情ではあるが紳士的対応の出来そうな文章であった方。そういう理由で決めさせてもらった。
私としても初めての経験だけにじっくりと交渉をしたいと思う。返信をした4人とのメールの交換が続いた。4人の方と交渉を進めていく内に、私が初心者だけに不安も沢山あることについて、ある意味同じ目線で相談に応じてくれる1人に決めようと思う。申し訳ないが3人の方には丁重なお断わりのメールを差し上げました。
「なあ成美・・・。」私が告白したあの日から妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)とこの話はしていない。しかし抱かれるのは成美である。黙って話を進めるわけにはいかない。『?』告白した日と同じように私達はベッドの中で会話をした。
「この間の話だけど・・・今相手を探しているんだ。」
『そうなの・・・。』
私の顔を見ている成美は微かな笑みを浮かべるがそれは決して喜んでいる顔ではない。本当にやらなきゃいけないと言う不安だろうか? それとも私が本気になって相手を探していることに対しての怒りでも感じているのだろうか? どちらにしても成美にとっては有難い話ではないのだろう。
「明日・・・その相手と会って話をするんだけど・・・。」
成美は不安そうな顔をしながら
『私も行くの?』
って聞いてくる。
「いや・・・俺と相手の人と2人だけだ。もしその人に決めたら・・・。」
私はそれから言葉が続かなくなった。そんな私を見て成美は口元を緩め笑顔を見せながら、『貴方はそれで喜ぶんでしょ? だからいいよ。』そう言ってくれる。
しかし、本心ではないのだろう。その笑顔も作ったものとすぐにわかった。だが決心はしてくれている。この話を進めたことに、罪悪感を覚えているが、今では私が喜ぶからという理由で成美は他の男に抱かれることを決心してくれたことが正直に嬉しい。
そんな状況で妻の愛を確かめるなんて間違っているのかもしれなかった。他の者が聞いたら笑い話しにされることだろう。でも私は健気な成美の返事にそれを感じてしまったのだ。言おうと思っていたわけではない。自然に出た私の言葉が「ありがとう・・・。」だ。 第5話へ続く
2017/05/26
第3話
それ以降も、応募の返信メールは届いた。冷やかしや誇大妄想、遠距離や意味不明などを除いて、1週間後に私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)が返信をしたのは4件だった。それらはしっかりとプロフィールが書かれている方。しっかりと話を聞いてみたいと返信用にアドレスを載せている方。そして、私がなんとなくと言う感情ではあるが紳士的対応の出来そうな文章であった方。そういう理由で決めさせてもらった。
私としても初めての経験だけにじっくりと交渉をしたいと思う。返信をした4人とのメールの交換が続いた。4人の方と交渉を進めていく内に、私が初心者だけに不安も沢山あることについて、ある意味同じ目線で相談に応じてくれる1人に決めようと思う。申し訳ないが3人の方には丁重なお断わりのメールを差し上げました。
「なあ成美・・・。」私が告白したあの日から妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)とこの話はしていない。しかし抱かれるのは成美である。黙って話を進めるわけにはいかない。『?』告白した日と同じように私達はベッドの中で会話をした。
「この間の話だけど・・・今相手を探しているんだ。」
『そうなの・・・。』
私の顔を見ている成美は微かな笑みを浮かべるがそれは決して喜んでいる顔ではない。本当にやらなきゃいけないと言う不安だろうか? それとも私が本気になって相手を探していることに対しての怒りでも感じているのだろうか? どちらにしても成美にとっては有難い話ではないのだろう。
「明日・・・その相手と会って話をするんだけど・・・。」
成美は不安そうな顔をしながら
『私も行くの?』
って聞いてくる。
「いや・・・俺と相手の人と2人だけだ。もしその人に決めたら・・・。」
私はそれから言葉が続かなくなった。そんな私を見て成美は口元を緩め笑顔を見せながら、『貴方はそれで喜ぶんでしょ? だからいいよ。』そう言ってくれる。
しかし、本心ではないのだろう。その笑顔も作ったものとすぐにわかった。だが決心はしてくれている。この話を進めたことに、罪悪感を覚えているが、今では私が喜ぶからという理由で成美は他の男に抱かれることを決心してくれたことが正直に嬉しい。
そんな状況で妻の愛を確かめるなんて間違っているのかもしれなかった。他の者が聞いたら笑い話しにされることだろう。でも私は健気な成美の返事にそれを感じてしまったのだ。言おうと思っていたわけではない。自然に出た私の言葉が「ありがとう・・・。」だ。 第5話へ続く
2017/05/26
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