長6≪MとS≫ 第3話
長6≪MとS≫ 第3話
第2話
また沈黙が続く・・・・1分ほどだろうか? 2分ほどだろうか? いやもっと長く感じた。妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)は目を瞑り大きく息を吐くと、再度目を開いて私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)を見る。『本当にそれで貴方は興奮出来るの?』それは思ってもいなかった返事だった。
思えば私が“S”であると告白して求めてきたプレイは応じてくれている。《健気に》と言う言葉がぴったりだろう。そんな成美の心情を考えると、【他の男に抱かせたい】なんて言った事に〖罪悪感〗を覚えてしまう。だが、この成美(なるみ)の質問を否定してしまうともう次はないだろう。私は成美の目を見ながら小さく何度も首を縦に振った。『そうなの・・・。』それだけ言うと妻はまた黙り込んでしまう。
私は「成美・・・。」と、手を伸ばし、成美を引き寄せた。そして唇を合わせる。静かな寝室にクチャッと言う様な濡れた音を立てながら私は成美の口内へと舌を伸ばした。ゆっくりと目を閉じてそれに応えるように舌をからめてくる成美。これだけ濃厚なキスはいつ以来だろう? 私は夢中で舌を絡ませていた。
私の唾液が成美の口内に、そしてその逆も。そんなキスの途中に成美はゆっくりと唇を遠ざける。そして私の顔を見て笑みを浮かべると、『でも・・・貴方が他の人とするなんてことはダメだよ。』そう言って今度は妻から唇を寄せてくる。私が告白し、成美が受け入れ承諾してくれた。私と成美にとってターニグポイント(変節)の夜である。
その日から私は成美の相手となる初めの男を捜し始めた。方法はインターネットを使う。ネット上にはそんな募集掲示板などもあり私は正直驚かされた。どちらかと言えば私だけの特殊な性格と感じていたからである。そんな心境だった為か思ったよりも同じ性癖の人が多かったのは、私の後ろめたさを柔らかせた。
掲示板に書き込むとき私は迷った。何を書けばいいのか? 何と書けば私も成美も安心出来る相手を見つけられるのか? 頭の中で文章を作り、その文章で来た相手を想像し、さらに成美を抱いている姿を想像してみる。
それで何通りか想像してみるのだが一つだけどうしても同じ映像が頭に浮かんでくる。それは元からあった私のSと言う性格から来るのかも知れない。その映像は成美が縛られている姿だった。
初めて妻の成美を抱かせる相手を間違ってはならない。S男性募集と書けば勘違いをした無茶をする男が現れるかもしれない。それだけは避けたいことだった。悩んだ末に私の乗せた文章はとても短いものになってしまう。
≪私(山田一郎)の妻の奈津子(仮称)を抱いてくれる男性を求めています。時間は半日程になると思います。ルールを守れる方、紳士的対応の出来る方。≫正直この程度の文章でどれくらいの人が返信してくるかと不安ではあった。
しかし翌日、私が書き込んだ募集板を見てみると想像以上の返信が返ってきている。返信件数は52件。あえて地域を書かずに投稿したことで様々な地域の方から集まっていた。その中に書かれている内容を読み、私からメールを送っても良いと思われる方を捜す。よく読んでみるとこの52件と件数だけは多いようだが勘違いでもしているような書き込みは多かった。
≪奥様はどんな人ですか? スリーサイズを教えてください。自分は○○県からです。そちらはどちらからですか? 奥様とぜひ楽しませてください。≫
≪いいですよ。たっぷり奈津子さんを必ず喘がせますよ。山田さんの前で奈津子さんを犯します。≫
≪こんばんは 自分のは18㎝あります。これで奈津子さんを喜ばせることが出来ると思います。お任せ下さい。≫
これらのメールに私は思わずため息を漏らしてしまう。 第4話に続く
2017/05/20
第2話
また沈黙が続く・・・・1分ほどだろうか? 2分ほどだろうか? いやもっと長く感じた。妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)は目を瞑り大きく息を吐くと、再度目を開いて私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)を見る。『本当にそれで貴方は興奮出来るの?』それは思ってもいなかった返事だった。
思えば私が“S”であると告白して求めてきたプレイは応じてくれている。《健気に》と言う言葉がぴったりだろう。そんな成美の心情を考えると、【他の男に抱かせたい】なんて言った事に〖罪悪感〗を覚えてしまう。だが、この成美(なるみ)の質問を否定してしまうともう次はないだろう。私は成美の目を見ながら小さく何度も首を縦に振った。『そうなの・・・。』それだけ言うと妻はまた黙り込んでしまう。
私は「成美・・・。」と、手を伸ばし、成美を引き寄せた。そして唇を合わせる。静かな寝室にクチャッと言う様な濡れた音を立てながら私は成美の口内へと舌を伸ばした。ゆっくりと目を閉じてそれに応えるように舌をからめてくる成美。これだけ濃厚なキスはいつ以来だろう? 私は夢中で舌を絡ませていた。
私の唾液が成美の口内に、そしてその逆も。そんなキスの途中に成美はゆっくりと唇を遠ざける。そして私の顔を見て笑みを浮かべると、『でも・・・貴方が他の人とするなんてことはダメだよ。』そう言って今度は妻から唇を寄せてくる。私が告白し、成美が受け入れ承諾してくれた。私と成美にとってターニグポイント(変節)の夜である。
その日から私は成美の相手となる初めの男を捜し始めた。方法はインターネットを使う。ネット上にはそんな募集掲示板などもあり私は正直驚かされた。どちらかと言えば私だけの特殊な性格と感じていたからである。そんな心境だった為か思ったよりも同じ性癖の人が多かったのは、私の後ろめたさを柔らかせた。
掲示板に書き込むとき私は迷った。何を書けばいいのか? 何と書けば私も成美も安心出来る相手を見つけられるのか? 頭の中で文章を作り、その文章で来た相手を想像し、さらに成美を抱いている姿を想像してみる。
それで何通りか想像してみるのだが一つだけどうしても同じ映像が頭に浮かんでくる。それは元からあった私のSと言う性格から来るのかも知れない。その映像は成美が縛られている姿だった。
初めて妻の成美を抱かせる相手を間違ってはならない。S男性募集と書けば勘違いをした無茶をする男が現れるかもしれない。それだけは避けたいことだった。悩んだ末に私の乗せた文章はとても短いものになってしまう。
≪私(山田一郎)の妻の奈津子(仮称)を抱いてくれる男性を求めています。時間は半日程になると思います。ルールを守れる方、紳士的対応の出来る方。≫正直この程度の文章でどれくらいの人が返信してくるかと不安ではあった。
しかし翌日、私が書き込んだ募集板を見てみると想像以上の返信が返ってきている。返信件数は52件。あえて地域を書かずに投稿したことで様々な地域の方から集まっていた。その中に書かれている内容を読み、私からメールを送っても良いと思われる方を捜す。よく読んでみるとこの52件と件数だけは多いようだが勘違いでもしているような書き込みは多かった。
≪奥様はどんな人ですか? スリーサイズを教えてください。自分は○○県からです。そちらはどちらからですか? 奥様とぜひ楽しませてください。≫
≪いいですよ。たっぷり奈津子さんを必ず喘がせますよ。山田さんの前で奈津子さんを犯します。≫
≪こんばんは 自分のは18㎝あります。これで奈津子さんを喜ばせることが出来ると思います。お任せ下さい。≫
これらのメールに私は思わずため息を漏らしてしまう。 第4話に続く
2017/05/20
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