長5〖ふたりのめざめ〗その2話
長5〖ふたりのめざめ〗その2話
その1話
俺(渡部久志:わたべ・ひさし:33歳)は…《どうすれば妻(渡部真歩:わたべ・まほ:30歳)を他の男に・・・》ばかり考えていた。また或る時は・・・《いや真歩にそんなことは・・・きっと後悔することに・・・》隠れた願望の炎を焚き付ける心と、消火させる心が交差する。
そんな悶々とした思いが仕事中も頭から離れなくなってきていた。そして、或る日の仕事中・・・[おい、何ボーとしているんだよ。]と同僚の谷津真司(やつ・しんじ)が物思いに耽(ふけ)る僕に声をかける。「いや何でもないよ。」僕はハッとして取り繕う。[どうせ真歩ちゃんと喧嘩でもしたんだろ? ははは。]と、谷津が夫婦喧嘩は犬も喰わないぞ。というような感じで仕事に戻っていった。
谷津の後ろ姿を見ながら・・・《そういえば、あいつの言葉が俺に真歩を意識させたんだよな》ふと村中真歩(むらなか・まほ)と付き合い始めたきっかけを思いだす。現在、妻は僕の勤める会社を辞めているが、元々は同じ会社に勤めていた・・・当時僕は営業部、真歩は総務部に配属されていた。・・・正直当初俺がもった真歩のイメージは“煩(わずら)わしい女”である。
真歩は地元の有名大学を卒業し、語学が堪能で会計の知識も凄い新入社員という評判で僕より二年後に入社してきた。評判通り、彼女はテキパキと仕事をこなし、また先輩であろうとも物事ははっきり言える性格です。僕も総務部へ提出する稟議書、領収書などについて真歩に何度かダメ出しを食らうことがあった。また真歩には、取っ付きにくい雰囲気もあり、当時僕は真歩に好意を持つどころか、《絶対あの女結婚出来ない。》と感じていたのである。また僕が三流大学を留年して卒業したという経歴が、真歩に対してコンプレックスを抱かせていた。しかし、4年前僕に真歩を意識する出来事が・・・。
4年前の夏、河原にて職場のバーベキューが行われる。『どうぞ。』って、並んでバーベキューをつつく僕と谷津に、村中真歩が缶ビールを差し出す。その時の彼女の表情は、職場では見ることの無かった笑みに満ちたものだった。《村中でも、こんな表情を見せるんだ・・・。》
俺の視線は、再びクーラーボックスに向う真歩の後ろ姿に向う。クーラーボックスから缶ビールを取り出そうとする真歩の尻が、僕達の方に突出した感じになった。[彼女なかなかいい尻してるよな。]と谷津が僕に耳打ちする。
谷津の言葉に、ピッチリとしたジーンズを穿いた真歩の尻を凝視する僕・・・この時僕の心の中に、何か真歩に感じるものがあった。[そういえば、久志よく彼女と話してるじゃないか、どうだ? 彼女と付き合ったら? 彼女よく見ると可愛いし、なあ!]と谷津が久志に言葉をかける。
「いや話してるっていったって、村中はいつも俺に書類の文句言ってるだけだぜ!」
俺は缶ビールをグィと飲んだ。[でもなあ、端から見てると何かお前らお似合いだよ。営業部の連中は皆そう言ってるぜ。なあ、今日は村中と親しくなれるチャンスだぜ、久志彼女に何か持ってたりして、きっかけ掴めよ!]とニヤリとしながら僕に肘打ちする谷津。
「大きなお世話だ。」俺は谷津の言葉に何か不貞腐れた感じで缶ビールを飲み干す。しかし、その日僕は何度か真歩の方に視線を向かわせた・・・他の同僚達との会話の中で見せる真歩のチャーミングな笑顔・・・まめに飲み物を配ったり、気遣いを見せる真歩・・・更には酔いが深まり、屈む真歩の胸元や、突出した真歩の尻・・・俺は完全に真歩を意識していた。《普段は澄まして仕事をしているけど・・・村中にも可愛い所あるし、気遣いも出来る。色気も少しあるんだな・・・。》 その3話に続く
2017/05/04
その1話
俺(渡部久志:わたべ・ひさし:33歳)は…《どうすれば妻(渡部真歩:わたべ・まほ:30歳)を他の男に・・・》ばかり考えていた。また或る時は・・・《いや真歩にそんなことは・・・きっと後悔することに・・・》隠れた願望の炎を焚き付ける心と、消火させる心が交差する。
そんな悶々とした思いが仕事中も頭から離れなくなってきていた。そして、或る日の仕事中・・・[おい、何ボーとしているんだよ。]と同僚の谷津真司(やつ・しんじ)が物思いに耽(ふけ)る僕に声をかける。「いや何でもないよ。」僕はハッとして取り繕う。[どうせ真歩ちゃんと喧嘩でもしたんだろ? ははは。]と、谷津が夫婦喧嘩は犬も喰わないぞ。というような感じで仕事に戻っていった。
谷津の後ろ姿を見ながら・・・《そういえば、あいつの言葉が俺に真歩を意識させたんだよな》ふと村中真歩(むらなか・まほ)と付き合い始めたきっかけを思いだす。現在、妻は僕の勤める会社を辞めているが、元々は同じ会社に勤めていた・・・当時僕は営業部、真歩は総務部に配属されていた。・・・正直当初俺がもった真歩のイメージは“煩(わずら)わしい女”である。
真歩は地元の有名大学を卒業し、語学が堪能で会計の知識も凄い新入社員という評判で僕より二年後に入社してきた。評判通り、彼女はテキパキと仕事をこなし、また先輩であろうとも物事ははっきり言える性格です。僕も総務部へ提出する稟議書、領収書などについて真歩に何度かダメ出しを食らうことがあった。また真歩には、取っ付きにくい雰囲気もあり、当時僕は真歩に好意を持つどころか、《絶対あの女結婚出来ない。》と感じていたのである。また僕が三流大学を留年して卒業したという経歴が、真歩に対してコンプレックスを抱かせていた。しかし、4年前僕に真歩を意識する出来事が・・・。
4年前の夏、河原にて職場のバーベキューが行われる。『どうぞ。』って、並んでバーベキューをつつく僕と谷津に、村中真歩が缶ビールを差し出す。その時の彼女の表情は、職場では見ることの無かった笑みに満ちたものだった。《村中でも、こんな表情を見せるんだ・・・。》
俺の視線は、再びクーラーボックスに向う真歩の後ろ姿に向う。クーラーボックスから缶ビールを取り出そうとする真歩の尻が、僕達の方に突出した感じになった。[彼女なかなかいい尻してるよな。]と谷津が僕に耳打ちする。
谷津の言葉に、ピッチリとしたジーンズを穿いた真歩の尻を凝視する僕・・・この時僕の心の中に、何か真歩に感じるものがあった。[そういえば、久志よく彼女と話してるじゃないか、どうだ? 彼女と付き合ったら? 彼女よく見ると可愛いし、なあ!]と谷津が久志に言葉をかける。
「いや話してるっていったって、村中はいつも俺に書類の文句言ってるだけだぜ!」
俺は缶ビールをグィと飲んだ。[でもなあ、端から見てると何かお前らお似合いだよ。営業部の連中は皆そう言ってるぜ。なあ、今日は村中と親しくなれるチャンスだぜ、久志彼女に何か持ってたりして、きっかけ掴めよ!]とニヤリとしながら僕に肘打ちする谷津。
「大きなお世話だ。」俺は谷津の言葉に何か不貞腐れた感じで缶ビールを飲み干す。しかし、その日僕は何度か真歩の方に視線を向かわせた・・・他の同僚達との会話の中で見せる真歩のチャーミングな笑顔・・・まめに飲み物を配ったり、気遣いを見せる真歩・・・更には酔いが深まり、屈む真歩の胸元や、突出した真歩の尻・・・俺は完全に真歩を意識していた。《普段は澄まして仕事をしているけど・・・村中にも可愛い所あるし、気遣いも出来る。色気も少しあるんだな・・・。》 その3話に続く
2017/05/04
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