長6≪MとS≫ 第2話
長6≪MとS≫ 第2話
第1話
「成美(なるみ)・・・。」と呼ぶと、『何?』って答える。妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)と2人きりで寝られるようになったのは1年ほど前からだ。やっと一人息子が小学校3年生になり自分の部屋で寝るようになってくれた。
「最近・・・なかなかしなくなったよな・・・。」と、私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)がそういうと背中を向けて眠ろうとしていた成美がこちらを向いた。『えっ急に何? 確かにしなくなったけど・・・貴方も誘ってこなかったでしょ? それにわたしからは言いづらいし・・・。』妻には私の性格を話してきた。“S”であると言うことも正直に話している。そのせいもあるのだろうか? セックスの主導権は常に私にあり、私が誘うと妻は受け入れ
てきた。
断られた記憶はない。受け入れていた妻が渋々だったのかどうかはわからないが、兎に角私を満足させ続けてくれていた。「そうだよな・・・俺から誘うことって少なくなったよな・・・。この年になるとマンネリって言うのか? そういのがあるのかもしれないな。」
『わたしに・・・飽きたって言うことですか? 貴方、浮気でもしているの?』
「いや そうじゃない。浮気なんてしたことは今まで一度もないよ。」
それは正直な答えだった。私は今まで浮気と言うものを経験したことがない。妻の成美にはなんら不満があるわけでもないし、そんな成美を裏切る程の女は今までいなかったのだ。
《こんな話をして成美はどう思っているのだろう?》私が口を開くまで何も言おうとしない。ただ、こちらに向けた目は開かれたまま私を見つめている。「マンネリが続いて、このままずっと・・・ってのも嫌だしな。」と私はそう前置きした後、「新しい刺激って言うのかな。そういうのには興味ないか?」と私も身体を成美の方に向けた。私達はベッドの中で向かい会うような格好になる。先ほどまで何の話をされるか成美は不安だったのだろう。
しかし、私の今の言葉で不安だった方向の話ではないと思ったのか少しながら笑みを零(こぼ)したように見えた。『新しい刺激って何?』って、少し擦(かす)れたような小さな呟きで聞いてくる。「そうだな・・・。」私は言いたいことをすでに決めていた。ただ今は考えているという振りをしたのだ。《もうそろそろ言おうか? いやまだだろうか?》そんな時間を計りながら沈黙の時間を続ける。「成美・・・他の男に抱かれてみないか?」
私としては十分な時間を計ったつもりだった。しかし、妻としたらそんな時間など関係なく驚く発言だったのだろう。それでも成美は大きな声を出すわけでもなく、先ほどと同じように呟く声で、『それって私に浮気をしろって言うことなの?』、「いや・・・浮気・・・と言えばそうかもしれないがちょっと違うかな? お前が他の男に抱かれているの見たら興奮するかなって・・・。」それに加えて「・・・嫌なら・・・嫌でいいんだけ・・・無理になんて言えることではないしな。」と言い添えた・・。 第3話に続く
2017/05/19
第1話
「成美(なるみ)・・・。」と呼ぶと、『何?』って答える。妻(桐山成美:きりやま・なるみ:33歳)と2人きりで寝られるようになったのは1年ほど前からだ。やっと一人息子が小学校3年生になり自分の部屋で寝るようになってくれた。
「最近・・・なかなかしなくなったよな・・・。」と、私(桐山直哉:きりやま・なおや:36歳)がそういうと背中を向けて眠ろうとしていた成美がこちらを向いた。『えっ急に何? 確かにしなくなったけど・・・貴方も誘ってこなかったでしょ? それにわたしからは言いづらいし・・・。』妻には私の性格を話してきた。“S”であると言うことも正直に話している。そのせいもあるのだろうか? セックスの主導権は常に私にあり、私が誘うと妻は受け入れ
てきた。
断られた記憶はない。受け入れていた妻が渋々だったのかどうかはわからないが、兎に角私を満足させ続けてくれていた。「そうだよな・・・俺から誘うことって少なくなったよな・・・。この年になるとマンネリって言うのか? そういのがあるのかもしれないな。」
『わたしに・・・飽きたって言うことですか? 貴方、浮気でもしているの?』
「いや そうじゃない。浮気なんてしたことは今まで一度もないよ。」
それは正直な答えだった。私は今まで浮気と言うものを経験したことがない。妻の成美にはなんら不満があるわけでもないし、そんな成美を裏切る程の女は今までいなかったのだ。
《こんな話をして成美はどう思っているのだろう?》私が口を開くまで何も言おうとしない。ただ、こちらに向けた目は開かれたまま私を見つめている。「マンネリが続いて、このままずっと・・・ってのも嫌だしな。」と私はそう前置きした後、「新しい刺激って言うのかな。そういうのには興味ないか?」と私も身体を成美の方に向けた。私達はベッドの中で向かい会うような格好になる。先ほどまで何の話をされるか成美は不安だったのだろう。
しかし、私の今の言葉で不安だった方向の話ではないと思ったのか少しながら笑みを零(こぼ)したように見えた。『新しい刺激って何?』って、少し擦(かす)れたような小さな呟きで聞いてくる。「そうだな・・・。」私は言いたいことをすでに決めていた。ただ今は考えているという振りをしたのだ。《もうそろそろ言おうか? いやまだだろうか?》そんな時間を計りながら沈黙の時間を続ける。「成美・・・他の男に抱かれてみないか?」
私としては十分な時間を計ったつもりだった。しかし、妻としたらそんな時間など関係なく驚く発言だったのだろう。それでも成美は大きな声を出すわけでもなく、先ほどと同じように呟く声で、『それって私に浮気をしろって言うことなの?』、「いや・・・浮気・・・と言えばそうかもしれないがちょっと違うかな? お前が他の男に抱かれているの見たら興奮するかなって・・・。」それに加えて「・・・嫌なら・・・嫌でいいんだけ・・・無理になんて言えることではないしな。」と言い添えた・・。 第3話に続く
2017/05/19
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