長P『目覚めていく妻』 第29話
長P『目覚めていく妻』 第29話
第28話
妻(清水瑞穂:しみず・みずほ:44歳)が江崎学(えざき・まなぶ:57歳)と逢いたいと言い出したのは、私(清水一成:しみず・かずなり:48歳)が江崎と話してから2日しかたたない頃でした。そして、いつものように下着までお洒落して出かけたであろう妻は私が仕事から戻ってきて、イライラする気持ちと、ドキドキはらはらする興奮との私を朝方まで待たすのです。
《江崎にあんなことを言ったばかりに、調子にのりやがって・・・また妻もいくら私が良いといってもここまで遅い時間にならなくっても》と、帰って来ない妻を待っていると最初はドキドキ、ハラハラの興奮でいっぱいでしたが、遅くなれば遅くなるほどそんな気持ちになりイライラとし出します。私は何度も寝室に行き寝ようかと思いましたが、とても寝れる心境ではありませんでした。
時計を見ると既に午前3時を過ぎています。何度も妻に電話しようと思う気持ちを抑えてその時間まで我慢しましたが、ついに私の我慢も限界になり妻に電話をしてしまいました。呼び出し音を鳴らし続けますが、私の携帯からは『もしもし、パパ?』という妻の声は聞こえてきません。諦めて電話を切り、無性に腹だたしい気持ちをぶつけるかのように、私は携帯をソファに投げ捨てます。それから足元に有ったクッションを蹴り上げたとき携帯に瑞穂の着信音が鳴り響きました。
慌てて携帯を手に取り電話に出ると、『パパ・・・ごめんなさい。』って申し訳なさそうに妻が謝ります。「いったい何時だと思っているんだ! いい加減にしろ!」と私は今までの怒りをそのまま妻にぶつけてしまいました。
『パパ・・本当にごめんなさい・・・直ぐに帰ります。』
「当たり前だ! 直ぐに帰って来い! 人妻と知りながらこんな時間まで付き合わせる男なんてろくな奴じゃない!」
『怒らないで・・とにかく直ぐに帰るから・・・。』
妻はそう言って電話を切ります。カッとなり妻をに怒鳴った私は、電話が切れてから驚いたように冷静さを取り戻してしまうのでした。
自分から「江崎と会ってきてもいいよ。」と言っておきながら・・・江崎にも「妻と関係を続けろ。」と自分から言ったのに、帰りが遅いだけで我を忘れて妻を怒鳴ってしまったことに自己嫌悪に陥ります。興奮もなにもありませんでした。ただただ自分の器の小ささを思い知らされます。
妻の瑞穂が家に戻ってきたのは午前5時前でした。ソファで横になっている私に妻は『パパ・・・嫌な思いさせてごめんなさい。』それが私への妻の最初の言葉です。私は妻に何も言わずにその場から寝室へと向かいました。瑞穂が後を追って寝室へと来るかと思いましたが、来ません。しばらく待ちましたが、妻を待っている間に私はいつのまにか寝てしまいます。朝の光で眼を覚ますと私の横には瑞穂はいませんでした。 第30話へ続く
2017/05/20
第28話
妻(清水瑞穂:しみず・みずほ:44歳)が江崎学(えざき・まなぶ:57歳)と逢いたいと言い出したのは、私(清水一成:しみず・かずなり:48歳)が江崎と話してから2日しかたたない頃でした。そして、いつものように下着までお洒落して出かけたであろう妻は私が仕事から戻ってきて、イライラする気持ちと、ドキドキはらはらする興奮との私を朝方まで待たすのです。
《江崎にあんなことを言ったばかりに、調子にのりやがって・・・また妻もいくら私が良いといってもここまで遅い時間にならなくっても》と、帰って来ない妻を待っていると最初はドキドキ、ハラハラの興奮でいっぱいでしたが、遅くなれば遅くなるほどそんな気持ちになりイライラとし出します。私は何度も寝室に行き寝ようかと思いましたが、とても寝れる心境ではありませんでした。
時計を見ると既に午前3時を過ぎています。何度も妻に電話しようと思う気持ちを抑えてその時間まで我慢しましたが、ついに私の我慢も限界になり妻に電話をしてしまいました。呼び出し音を鳴らし続けますが、私の携帯からは『もしもし、パパ?』という妻の声は聞こえてきません。諦めて電話を切り、無性に腹だたしい気持ちをぶつけるかのように、私は携帯をソファに投げ捨てます。それから足元に有ったクッションを蹴り上げたとき携帯に瑞穂の着信音が鳴り響きました。
慌てて携帯を手に取り電話に出ると、『パパ・・・ごめんなさい。』って申し訳なさそうに妻が謝ります。「いったい何時だと思っているんだ! いい加減にしろ!」と私は今までの怒りをそのまま妻にぶつけてしまいました。
『パパ・・本当にごめんなさい・・・直ぐに帰ります。』
「当たり前だ! 直ぐに帰って来い! 人妻と知りながらこんな時間まで付き合わせる男なんてろくな奴じゃない!」
『怒らないで・・とにかく直ぐに帰るから・・・。』
妻はそう言って電話を切ります。カッとなり妻をに怒鳴った私は、電話が切れてから驚いたように冷静さを取り戻してしまうのでした。
自分から「江崎と会ってきてもいいよ。」と言っておきながら・・・江崎にも「妻と関係を続けろ。」と自分から言ったのに、帰りが遅いだけで我を忘れて妻を怒鳴ってしまったことに自己嫌悪に陥ります。興奮もなにもありませんでした。ただただ自分の器の小ささを思い知らされます。
妻の瑞穂が家に戻ってきたのは午前5時前でした。ソファで横になっている私に妻は『パパ・・・嫌な思いさせてごめんなさい。』それが私への妻の最初の言葉です。私は妻に何も言わずにその場から寝室へと向かいました。瑞穂が後を追って寝室へと来るかと思いましたが、来ません。しばらく待ちましたが、妻を待っている間に私はいつのまにか寝てしまいます。朝の光で眼を覚ますと私の横には瑞穂はいませんでした。 第30話へ続く
2017/05/20
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