中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第12話
中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第12話
第11話
突然に、浴室のドアが開いた。僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)は咄嗟の出来事に“えっ?!”となる。妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)が『真悟君! 凄い!』って笑う。僕の男性自身は勃起したままだったから、天音に完全に直視されていた。「どうしたの?」と尋ねるのがやっとだった。『今、変なこと考えてたでしょ? 私のことかな?』って、裸の天音が問う。
「いや、そんな、なんにも・・・。」と言うものの、しっかりと今度は天音に握られた。僕が《性癖》を告白してから、以前は交際中も結婚してからも、どちらかというと“亭主関白(家庭内で、夫が支配権を持っていること。)”だったのが、徐々に妻との力関係が逆転してきた。
『朝から元気でうれしいわ。』って笑いながら扱(しご)き出す。「だめだよ。そんなことしちゃ。」と天音の手を押さえた。『洗ってあげる。とボディシャンプーで全身につける。漸く落ち着いた僕も反撃に出た。シャワーを乳房に思い切りかけた。『やだ。くすぐったいよ。』ってふざけ合うことになる。
《くよくよしても仕方ないわ》と思った。でも、【キス】のことはもう少しあとにしよう。ところで天音は最近の夫の告白に、最初は戸惑いがあったが、インターネットでこっそり調べていくうちに、そうした“寝取らせのような性癖”の持ち主が案外多いという事実に驚いた。《真悟君がそれほど特別じゃないんだ》(もちろん社会の少数派には違いない。)《決して妻や恋人が嫌いではないのだ。逆に好きすぎて、愛している人を他人に抱かせることに快感を持つらしい》
そうした性癖をすこし理解しても、その気持ちはよく分からなかった。でも1カ月前あたりから真悟君が少し元気になったので、それは精神的に落ち込んでいた原因を私に話し、楽になったのと、やはり“性癖の告白”が彼の心身に良い方に影響したのだろう。
正直に言えば、この2年余りは大変だった。特に退院してからの半年は真悟君が精神的に【壊れる】のではと懼(おそ)れた。あまりの落ち込み様に、【自殺する】ことが毎日毎日が心配だった。経済的なこともあったし、彼がご両親の手助けを嫌がった(自分の弱さを親といえども見せたくなかったらしい。)のである。私は心配ではあったがそれでも会社へいかざるを得なかった。
途中で家に電話をしてもメールをしても真悟君は出ようとはしなかった。それほど神経が参っていたのです。当然なことにセックスもなかったけど、その頃はそれどころではなかった。ようやく1年が過ぎたころから彼の体調が回復をしてくる。並行してセックスも完全なかたちではなかったが、出来るようになった。不満がなかったと言えば嘘になるが、真悟君の健康の方が気にかかっていた。 第13話へ
2017/10/31
第11話
突然に、浴室のドアが開いた。僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)は咄嗟の出来事に“えっ?!”となる。妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)が『真悟君! 凄い!』って笑う。僕の男性自身は勃起したままだったから、天音に完全に直視されていた。「どうしたの?」と尋ねるのがやっとだった。『今、変なこと考えてたでしょ? 私のことかな?』って、裸の天音が問う。
「いや、そんな、なんにも・・・。」と言うものの、しっかりと今度は天音に握られた。僕が《性癖》を告白してから、以前は交際中も結婚してからも、どちらかというと“亭主関白(家庭内で、夫が支配権を持っていること。)”だったのが、徐々に妻との力関係が逆転してきた。
『朝から元気でうれしいわ。』って笑いながら扱(しご)き出す。「だめだよ。そんなことしちゃ。」と天音の手を押さえた。『洗ってあげる。とボディシャンプーで全身につける。漸く落ち着いた僕も反撃に出た。シャワーを乳房に思い切りかけた。『やだ。くすぐったいよ。』ってふざけ合うことになる。
《くよくよしても仕方ないわ》と思った。でも、【キス】のことはもう少しあとにしよう。ところで天音は最近の夫の告白に、最初は戸惑いがあったが、インターネットでこっそり調べていくうちに、そうした“寝取らせのような性癖”の持ち主が案外多いという事実に驚いた。《真悟君がそれほど特別じゃないんだ》(もちろん社会の少数派には違いない。)《決して妻や恋人が嫌いではないのだ。逆に好きすぎて、愛している人を他人に抱かせることに快感を持つらしい》
そうした性癖をすこし理解しても、その気持ちはよく分からなかった。でも1カ月前あたりから真悟君が少し元気になったので、それは精神的に落ち込んでいた原因を私に話し、楽になったのと、やはり“性癖の告白”が彼の心身に良い方に影響したのだろう。
正直に言えば、この2年余りは大変だった。特に退院してからの半年は真悟君が精神的に【壊れる】のではと懼(おそ)れた。あまりの落ち込み様に、【自殺する】ことが毎日毎日が心配だった。経済的なこともあったし、彼がご両親の手助けを嫌がった(自分の弱さを親といえども見せたくなかったらしい。)のである。私は心配ではあったがそれでも会社へいかざるを得なかった。
途中で家に電話をしてもメールをしても真悟君は出ようとはしなかった。それほど神経が参っていたのです。当然なことにセックスもなかったけど、その頃はそれどころではなかった。ようやく1年が過ぎたころから彼の体調が回復をしてくる。並行してセックスも完全なかたちではなかったが、出来るようになった。不満がなかったと言えば嘘になるが、真悟君の健康の方が気にかかっていた。 第13話へ
2017/10/31
- 関連記事
-
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第9話 (2017/09/06)
- 中Ⅱ27「お前最近変わったなぁ」第2話 (2017/09/13)
- 中Ⅱ3《妻の変化》第7話 (2017/09/17)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第10話 (2017/09/19)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第11話 (2017/10/07)
- 中Ⅱ25[お願いします。]第2話 (2017/10/22)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第5話 (2017/10/27)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第12話 (2017/10/31)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第三章その1(11) (2017/11/05)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第三章その2(12) (2017/11/06)
- 中Ⅱ25[お願いします。]第3話 (2017/11/12)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第6話 (2017/11/12)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第7話 (2017/11/14)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第三章その3(13) (2017/11/19)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第8話 (2017/11/25)
コメント
コメントの投稿