中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第14話
中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第14話
第13話
ふたりでお昼前に車で少し距離はあったが大型ショッピングモールへ出かけた。やはり連休で混んではいたが予想したよりは少ない。快晴だったので行楽地へ行く人の方が多い。早めの昼食を済ませ、買い物をした後で、併設されているシネマコンプレックス(複合映画館)で話題の作品を観た。久しぶりに心も体もリラックス・リフレッシュできる。
帰宅してからも妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)は凄くご機嫌だった。鼻歌♪まじりで夕食を作っている。僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)が「何か手伝おうか?」と声を掛けると、『いいよ。のんびりしていて、すぐできるから。』っての返事。なぜだか《平凡な幸福》を感じていた。料理は骨付き肉ステーキで、天音が『スタミナつけて連休中は毎晩頑張ってもらわなくちゃね。』って、真顔で僕に告げる。途端に喉が詰まりそうになった。
食事が終わり後片付けを二人でしている時に。天音が、『ね~真悟君。AMAZONで買い物してもいいかな?』って甘えてくる。「良いけど。何買うの?」とたずねると、『ちょっと恥ずかしいな・・・。』って、言い渋った。天音は“美人さん”だが、僕は顔も好きだが、その可愛らしい声としっとりとした女性らしい仕草が気に入っている。天音よりもスタイルが良くて顔だちも美しい人はいるけれど、どうしても耳障りな声が嫌だったり、ふとした立ち振る舞いが乱暴な人はどれほどきれいな女性でも好きになれなかった。天音は内容が辛辣な言葉でもその声で聞き入ってしまう。
「言ってみてよ。」
『ほら真悟君はプライム会員(年会費を払うとお急ぎ便などが無料になる。)だから、今日たのんだら遅くても明後日までには届くじゃない。』
「そんなに急ぐの?」
『うん。連休中に欲しいなと思ったの。』
「分かったよ。」と、僕の部屋からノートパソコンを持ってきてリビングのテーブルで、AMAZONのサイトを開いた。
実はこの2年間の半分は体が思うように動かせず、また雑踏の中を歩いて目的の店を探したり、車の運転(その時は運転に全く自信がなかったし、天音は免許を持っていない。)が出来なかったので遠くに買い物が行けなかった。そんなとき唯一の楽しみになっていたのが、インターネットで、(天音には知られたくないサイトもあったが)、AMAZONは天音の了解(財政的に苦しかったので天音のカードを使用。)で良く利用した。
天音が、『ごめん。一人で注文したいから、真悟君はソファで座っていてくれる。』ってお願いされ、「なんだよ?何買うの?」と言いながらも、僕はソファへ移動をした。その時に、ふいにパソコンの〔ファイル〕を思い出した。天音に知られないように、〔営業―新規開拓①〕とニセのタイトルにしてあるが、本当は同人ゲーム《ヤブヌマ》というのだった。
《ヤブヌマ》
主人公の浅岡智(とも)と妻の咲美(さくみ)は結婚5年目で、3歳の娘(智美)もいるごく普通の夫婦。ある夜に、街で偶然にも咲美のパート先の上司である藪沼幹夫(やぶぬま・みきお)と出会った。藪沼は小太りで〔醜い男〕である。
ヤブヌマはいわゆるスワッピング(夫婦交換)の愛好者だった。その日から智は歪(ゆが)んだ妄想(もうそう)を抱くようになる。【ヤブヌマに咲美を抱かせてみたい。】
それは、〘この日、自分の中に芽生えた狂気。あるいは藪沼でなければ、こんな妄想は生まれなかったかも知れない。僕は咲美のことを分かっているつもりだ。彼女の性格も、好みも。気が強く口は少し悪いが、心根は優しく、僕と娘だけを愛し、清廉で、間違ったことは他人事にも口をはさむ性格で、浮気なんてもってのほか。そう、藪沼のような男は、咲美のもっとも嫌うタイプである。だからこそ僕は……、藪沼と咲美が……交わる。〙という妄想。
あらゆる可能性を探り、妻の咲美とヤブヌマを結ばせようと試みるのだが、勘の鋭い咲美はこれに気づき、激怒の末に家出をしてしまう。“離婚の危機”とも言える別居状態が続いた。ところが、ある日帰ってきた咲美が告げた。『わたし、ヤブヌマに抱かれる。』それは『智の“願望”を叶(かな)えるためではなく、“夫の愛”を確かめるため。』だと言う。
しかし、智はあれだけ望んでいたはずだった【妄想の実現】に戸惑っていた。いざ実現しそうになると心が掻き毟(むし)られ、狂おしい嫉妬に耐え切れない思いでる。しかし、咲美の決意は固く、温泉宿で智を部屋に残して、ついに妻の咲美はヤブヌマに身体を開く。しかも、約束の時間になっても夫が待つ部屋には戻らず、朝方までヤブヌマに貫かれ続けた。
ヤブヌマが咲美(さくみ)には内緒で撮影をしたDVDには、凄(すさ)まじいセックスの様子が写されていた。咲美は我を忘れ、オルガスムス(男女性交の際,性快感が次第に増大し,極点に達した状態。)と引き換えに、【再会】の約束を了承してしまう。
そんな内容だった。と記憶している。ちなみに[2]もあり、〔営業―新規開拓②〕のタイトルにしていた。 第15話へ
2018/03/08
第13話
ふたりでお昼前に車で少し距離はあったが大型ショッピングモールへ出かけた。やはり連休で混んではいたが予想したよりは少ない。快晴だったので行楽地へ行く人の方が多い。早めの昼食を済ませ、買い物をした後で、併設されているシネマコンプレックス(複合映画館)で話題の作品を観た。久しぶりに心も体もリラックス・リフレッシュできる。
帰宅してからも妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)は凄くご機嫌だった。鼻歌♪まじりで夕食を作っている。僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)が「何か手伝おうか?」と声を掛けると、『いいよ。のんびりしていて、すぐできるから。』っての返事。なぜだか《平凡な幸福》を感じていた。料理は骨付き肉ステーキで、天音が『スタミナつけて連休中は毎晩頑張ってもらわなくちゃね。』って、真顔で僕に告げる。途端に喉が詰まりそうになった。
食事が終わり後片付けを二人でしている時に。天音が、『ね~真悟君。AMAZONで買い物してもいいかな?』って甘えてくる。「良いけど。何買うの?」とたずねると、『ちょっと恥ずかしいな・・・。』って、言い渋った。天音は“美人さん”だが、僕は顔も好きだが、その可愛らしい声としっとりとした女性らしい仕草が気に入っている。天音よりもスタイルが良くて顔だちも美しい人はいるけれど、どうしても耳障りな声が嫌だったり、ふとした立ち振る舞いが乱暴な人はどれほどきれいな女性でも好きになれなかった。天音は内容が辛辣な言葉でもその声で聞き入ってしまう。
「言ってみてよ。」
『ほら真悟君はプライム会員(年会費を払うとお急ぎ便などが無料になる。)だから、今日たのんだら遅くても明後日までには届くじゃない。』
「そんなに急ぐの?」
『うん。連休中に欲しいなと思ったの。』
「分かったよ。」と、僕の部屋からノートパソコンを持ってきてリビングのテーブルで、AMAZONのサイトを開いた。
実はこの2年間の半分は体が思うように動かせず、また雑踏の中を歩いて目的の店を探したり、車の運転(その時は運転に全く自信がなかったし、天音は免許を持っていない。)が出来なかったので遠くに買い物が行けなかった。そんなとき唯一の楽しみになっていたのが、インターネットで、(天音には知られたくないサイトもあったが)、AMAZONは天音の了解(財政的に苦しかったので天音のカードを使用。)で良く利用した。
天音が、『ごめん。一人で注文したいから、真悟君はソファで座っていてくれる。』ってお願いされ、「なんだよ?何買うの?」と言いながらも、僕はソファへ移動をした。その時に、ふいにパソコンの〔ファイル〕を思い出した。天音に知られないように、〔営業―新規開拓①〕とニセのタイトルにしてあるが、本当は同人ゲーム《ヤブヌマ》というのだった。
《ヤブヌマ》
主人公の浅岡智(とも)と妻の咲美(さくみ)は結婚5年目で、3歳の娘(智美)もいるごく普通の夫婦。ある夜に、街で偶然にも咲美のパート先の上司である藪沼幹夫(やぶぬま・みきお)と出会った。藪沼は小太りで〔醜い男〕である。
ヤブヌマはいわゆるスワッピング(夫婦交換)の愛好者だった。その日から智は歪(ゆが)んだ妄想(もうそう)を抱くようになる。【ヤブヌマに咲美を抱かせてみたい。】
それは、〘この日、自分の中に芽生えた狂気。あるいは藪沼でなければ、こんな妄想は生まれなかったかも知れない。僕は咲美のことを分かっているつもりだ。彼女の性格も、好みも。気が強く口は少し悪いが、心根は優しく、僕と娘だけを愛し、清廉で、間違ったことは他人事にも口をはさむ性格で、浮気なんてもってのほか。そう、藪沼のような男は、咲美のもっとも嫌うタイプである。だからこそ僕は……、藪沼と咲美が……交わる。〙という妄想。
あらゆる可能性を探り、妻の咲美とヤブヌマを結ばせようと試みるのだが、勘の鋭い咲美はこれに気づき、激怒の末に家出をしてしまう。“離婚の危機”とも言える別居状態が続いた。ところが、ある日帰ってきた咲美が告げた。『わたし、ヤブヌマに抱かれる。』それは『智の“願望”を叶(かな)えるためではなく、“夫の愛”を確かめるため。』だと言う。
しかし、智はあれだけ望んでいたはずだった【妄想の実現】に戸惑っていた。いざ実現しそうになると心が掻き毟(むし)られ、狂おしい嫉妬に耐え切れない思いでる。しかし、咲美の決意は固く、温泉宿で智を部屋に残して、ついに妻の咲美はヤブヌマに身体を開く。しかも、約束の時間になっても夫が待つ部屋には戻らず、朝方までヤブヌマに貫かれ続けた。
ヤブヌマが咲美(さくみ)には内緒で撮影をしたDVDには、凄(すさ)まじいセックスの様子が写されていた。咲美は我を忘れ、オルガスムス(男女性交の際,性快感が次第に増大し,極点に達した状態。)と引き換えに、【再会】の約束を了承してしまう。
そんな内容だった。と記憶している。ちなみに[2]もあり、〔営業―新規開拓②〕のタイトルにしていた。 第15話へ
2018/03/08
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