中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その4(20)
中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その4(20)
第四章その3(19)
そのうち、体の奥深いところから蕩けるような快感が湧いてくるのか、腰がひとりでによがりはじめていく・・・・こんな妻(山下芳恵:やました・よしえ:45歳)の姿を眺めていると、自然と私(山下一雄:やました・かずお:49歳)も、じ~っと息を潜めていることが多くなってきて、時々、大きく息を吸い込みます。
『ああ・・っ、だ、だめぇ・・・・ 体がおかしくなっちゃう・・・・ 。』
《女体の深奥はよくわからないが、あんな風に腰をくねらせてしまうのは、今味わっている快感が凄すぎて、さらなる高みへ昇るのが怖いのだろうか? それとも、今のそれよりもう少しだけ・・・より、甘美な快感が駆けあがってくるのを待っているのだろうか?》
イギリスの思想家(1936年インド生れ)、サティシュ・クマールの言葉に因れば、[もっと心地よく・・・・ もっと満足したい・・・・。]という人間の利便性追求には限りがなく、その欲望の起こりは、すべてエゴにあるらしい。セックスにおいても、まったく同じように
思える。想像する限りですが、自分の意志では抗い難い快感が膣内に広がると、一度、堰
を切った快楽のうねりはもう止められず、腰を合わせる度に、とろけるような心地よさが全身を覆っていく・・・・ するとまた、より強い刺激への渇望のエゴが湧いてくるのでしょう。
こんな風に、男(黒沢雅之:くろさわ・まさゆき:45歳)の刺突に喘いでいる妻の姿を目にしていると、これまでだったら、狂おしいばかりの嫉妬、胸が押し潰されるような圧迫感を覚えたものですが、今夜は、黒沢さんが、“夫”であることを、何度も自分に言い聞かせている所為でしょうか、思っていたよりもすんなりと、妻の恥態を受け入れることができました。
ここからは、記憶が飛ぶというか、はっきりと覚えていないのです。と言うのは、妻が、私とは全てが異なる他人から施された射精・・・・ 長い間、持ち望んでいたことが現実になり、私の目の前でなされた最終行為は、強烈過ぎるインパクトをもって私の心に焼きつきました。確か、途中、体位を変えたぐらいのことは覚えていますが、傍で見ていた私が興奮し過ぎたせいなのでしょうが・・・とにかく、これまでよく似たことを経験してきて、その都度、妻が異なる音色を奏でてくれることも嬉しかったのですが、愛する妻の秘口から零れ堕ちる他人の精液を目にした時の興奮は、これまでの比ではありませんでした。
此処に至るまで、当事者たち(妻と黒沢さん)と傍観者(私)との会話は全くなく、私は、蚊帳の外から見守るばかりです。セックスとは、本来、心を許し合う男女が体を一つにして情けを交わすものですから、第三者がこうなってしまうのもやむを得ないのでした。
第四章その5(21)へ続く
2018/02/09
第四章その3(19)
そのうち、体の奥深いところから蕩けるような快感が湧いてくるのか、腰がひとりでによがりはじめていく・・・・こんな妻(山下芳恵:やました・よしえ:45歳)の姿を眺めていると、自然と私(山下一雄:やました・かずお:49歳)も、じ~っと息を潜めていることが多くなってきて、時々、大きく息を吸い込みます。
『ああ・・っ、だ、だめぇ・・・・ 体がおかしくなっちゃう・・・・ 。』
《女体の深奥はよくわからないが、あんな風に腰をくねらせてしまうのは、今味わっている快感が凄すぎて、さらなる高みへ昇るのが怖いのだろうか? それとも、今のそれよりもう少しだけ・・・より、甘美な快感が駆けあがってくるのを待っているのだろうか?》
イギリスの思想家(1936年インド生れ)、サティシュ・クマールの言葉に因れば、[もっと心地よく・・・・ もっと満足したい・・・・。]という人間の利便性追求には限りがなく、その欲望の起こりは、すべてエゴにあるらしい。セックスにおいても、まったく同じように
思える。想像する限りですが、自分の意志では抗い難い快感が膣内に広がると、一度、堰
を切った快楽のうねりはもう止められず、腰を合わせる度に、とろけるような心地よさが全身を覆っていく・・・・ するとまた、より強い刺激への渇望のエゴが湧いてくるのでしょう。
こんな風に、男(黒沢雅之:くろさわ・まさゆき:45歳)の刺突に喘いでいる妻の姿を目にしていると、これまでだったら、狂おしいばかりの嫉妬、胸が押し潰されるような圧迫感を覚えたものですが、今夜は、黒沢さんが、“夫”であることを、何度も自分に言い聞かせている所為でしょうか、思っていたよりもすんなりと、妻の恥態を受け入れることができました。
ここからは、記憶が飛ぶというか、はっきりと覚えていないのです。と言うのは、妻が、私とは全てが異なる他人から施された射精・・・・ 長い間、持ち望んでいたことが現実になり、私の目の前でなされた最終行為は、強烈過ぎるインパクトをもって私の心に焼きつきました。確か、途中、体位を変えたぐらいのことは覚えていますが、傍で見ていた私が興奮し過ぎたせいなのでしょうが・・・とにかく、これまでよく似たことを経験してきて、その都度、妻が異なる音色を奏でてくれることも嬉しかったのですが、愛する妻の秘口から零れ堕ちる他人の精液を目にした時の興奮は、これまでの比ではありませんでした。
此処に至るまで、当事者たち(妻と黒沢さん)と傍観者(私)との会話は全くなく、私は、蚊帳の外から見守るばかりです。セックスとは、本来、心を許し合う男女が体を一つにして情けを交わすものですから、第三者がこうなってしまうのもやむを得ないのでした。
第四章その5(21)へ続く
2018/02/09
- 関連記事
-
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第三章その6(16) (2018/01/22)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その1(17) (2018/01/23)
- 中Ⅱ24〖嫁はヤラれて今より女らしくなる〗その7話 (2018/01/24)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第13話 (2018/01/26)
- 中Ⅱ27 ⦅私に愛を注ぎ込んで⦆ ~1~ (2018/01/28)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その2(18) (2018/02/06)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その3(19) (2018/02/07)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その4(20) (2018/02/09)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その5(21) (2018/02/14)
- 中Ⅱ25[お願いします。]第6話 (2018/02/22)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第四章その6(22) (2018/02/26)
- 中Ⅱ27 ⦅私に愛を注ぎ込んで⦆ ~2~ (2018/02/27)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第14話 (2018/03/08)
- 中Ⅱ18 『可愛くウソをつく彼女』その14 (2018/03/08)
- 中Ⅱ23《異常な構図》第5話 (2018/03/09)
コメント
コメントの投稿