短Ⅳ1「写真を撮りたいな」パート16
短Ⅳ1「写真を撮りたいな」パート16
パート15
それから2週間ほど友人の川田辺政義(かわたべ・まさよし:34歳)からは何の連絡も入りませんでした。高校のカメラ仲間からの撮影旅行の話などは入ってきていたのですが,川田辺の動きは全然なかったのでした。
その日、僕(高野和樹:たかの・かずき:34歳)は午前中から会議が入っており,携帯電話をマナーモードにしていたのです。午後昼食の時間になり,携帯を見てみると川田辺からの着信がありました。しかも30分ごとに3回も・・・。
例の話かと思いましたが,その日は午後からも仕事が立て込んでおり,川田辺に電話を入れることが出来なかったのです。いつもの川田辺ならメールででも内容を伝えてこようとするはずなのに,その日に限っては午後からも着信があるだけで,その内容がうかがい知れました。《やはり例の撮影のことかな?》と、うすうすはそう感づいていました。
19時頃に仕事が終わり,帰宅しようとまた携帯を見ます。すると妻(高野亜紀:たかの・あき:28歳)より着信が入っていました。
「もしもし?」
僕は亜紀に電話を入れます。
『はい、もしもし。』
妻の声の後ろから聞こえる雑踏の音で、帰宅途中なんだなと言うことがわかりました。
「どうしたんだい? 今日遅くなるの?」
僕は聞きました。
『ううん、ちがうの、川田辺さんから電話が入ってたんだけど、私でられなくて、そちらにも連絡きてない?』
川田辺は僕だけでなく亜紀にも連絡を入れていたのです。
「ああ、入っていたよ。まだこちらからは連絡してないけどね。」
『そうなんだ、何だろうね? 4回も履歴が残っていたから、大事なことかなぁ?』
亜紀は純粋にそんなことを言っていました。
「いや、どうしてものことなら、伝言やメールででも連絡はあるだろう? それしてないってことはそこまで大事なことではないんじゃない?」
僕はもう一つの可能性、電話やメールででは伝えられない内容、ということは亜紀には話しません。
『そうよね、わかったわ。』
「今から俺が連絡を入れてみるよ。きみはもう帰るんでしょ?」
『うん、買い物はすんだし、あとは家に着くだけよ。』
電話を切って自分の車に乗り、エンジンをかけてから僕は川田辺に連絡を入れてみました。
川田辺は3回目のコールで出ます。
「もしもし、今日は出れなくて悪かったな。」
僕は最初に謝りました。
〔あ、いいんだよ、気にすんな。おそらく仕事中だから夕方までは連絡取れないだろうなと思ってかけてたから。〕
川田辺は明るい口調で応えます。 パート17へ続く
2018/05/10
パート15
それから2週間ほど友人の川田辺政義(かわたべ・まさよし:34歳)からは何の連絡も入りませんでした。高校のカメラ仲間からの撮影旅行の話などは入ってきていたのですが,川田辺の動きは全然なかったのでした。
その日、僕(高野和樹:たかの・かずき:34歳)は午前中から会議が入っており,携帯電話をマナーモードにしていたのです。午後昼食の時間になり,携帯を見てみると川田辺からの着信がありました。しかも30分ごとに3回も・・・。
例の話かと思いましたが,その日は午後からも仕事が立て込んでおり,川田辺に電話を入れることが出来なかったのです。いつもの川田辺ならメールででも内容を伝えてこようとするはずなのに,その日に限っては午後からも着信があるだけで,その内容がうかがい知れました。《やはり例の撮影のことかな?》と、うすうすはそう感づいていました。
19時頃に仕事が終わり,帰宅しようとまた携帯を見ます。すると妻(高野亜紀:たかの・あき:28歳)より着信が入っていました。
「もしもし?」
僕は亜紀に電話を入れます。
『はい、もしもし。』
妻の声の後ろから聞こえる雑踏の音で、帰宅途中なんだなと言うことがわかりました。
「どうしたんだい? 今日遅くなるの?」
僕は聞きました。
『ううん、ちがうの、川田辺さんから電話が入ってたんだけど、私でられなくて、そちらにも連絡きてない?』
川田辺は僕だけでなく亜紀にも連絡を入れていたのです。
「ああ、入っていたよ。まだこちらからは連絡してないけどね。」
『そうなんだ、何だろうね? 4回も履歴が残っていたから、大事なことかなぁ?』
亜紀は純粋にそんなことを言っていました。
「いや、どうしてものことなら、伝言やメールででも連絡はあるだろう? それしてないってことはそこまで大事なことではないんじゃない?」
僕はもう一つの可能性、電話やメールででは伝えられない内容、ということは亜紀には話しません。
『そうよね、わかったわ。』
「今から俺が連絡を入れてみるよ。きみはもう帰るんでしょ?」
『うん、買い物はすんだし、あとは家に着くだけよ。』
電話を切って自分の車に乗り、エンジンをかけてから僕は川田辺に連絡を入れてみました。
川田辺は3回目のコールで出ます。
「もしもし、今日は出れなくて悪かったな。」
僕は最初に謝りました。
〔あ、いいんだよ、気にすんな。おそらく仕事中だから夕方までは連絡取れないだろうなと思ってかけてたから。〕
川田辺は明るい口調で応えます。 パート17へ続く
2018/05/10
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