短Ⅳ18[これからの物語]第2回
短Ⅳ18[これからの物語]第2回
第1回
宮崎慎吾(みやざき・しんご:45歳)さんの外見は中肉中背の、少し髪の薄くなった普通のおじさん。問題は薫子が彼を受け入れるかどうかでした。
『何これ!(笑) えーこの人なの?』
「さすがに無理だよな。」
『イヤ、可愛いんじゃない(笑)。』
「え??」
この宮崎さんの写真をどういう角度から見たら『可愛い』なんて言葉が出てくるのか、私(荒井隆行:あらい・たかゆき:41歳)には見当もつきませんが、とにかく妻(荒井薫子:あらい・かおるこ:28歳)としては大丈夫なようでした。
『その人に仮に決めたとして、あなたがうちの奥さんとエッチしてくれ~て頼むわけ?』
言われてみれば、もっともな疑問です。宮崎さんに実際に私の変態願望を話して、「妻を抱いてほしい。」とお願いすることは、私の僅かばかりあるプライドのカケラが許しません。しかし、困窮は発明の父、とっさに私の頭脳に閃光のごとくアイデアが閃きました。
「薫子が私の知り合いのデリヘル嬢ていうことにして、3Pをするというのはどうだろうか?」 つまり私たちが夫婦だということは秘密にして、3Pのできるデリヘル嬢ということに薫子を仕立ててプレイをするのです。冷静に後で考えると、妻のプライド大きく傷つけかねない馬鹿げた提案でした。
『う~ん、だったら、デリヘル嬢ぽいお洋服、今持ってないんだけどなー。』
幸いにもノリのいい妻に、新しい洋服をおねだりされてしまいます。しかし、ここは気前よく、なんでも好きな服を買ってあげることにしました。私の願望に薫子を付き合わせて、デリヘル嬢の真似までさせるのですから、それくらいの出費は当然です。
なにはともあれ、一度宮崎さんと連絡をとって会ってみることにしました。そもそも私が宮崎さんの連絡先を知っているのは、歳上の宮崎さんのほうから、〔うまいホルモン屋があるのだけど、一緒に行きませんか?〕と誘われていたからです。
当時は社交辞令として連絡先を聞いて、そのままにしておいたのですが、今はそれが役に立ちました。週末のある日、私は宮崎さんとホルモン屋で落ち合います。そのホルモン屋は宮崎さんのアパートのすぐ近くにありました。昭和の趣を感じさせる看板と店構えで、狭い駐車場の隅には1本の梅の木が植えられています。駐車する車のじゃまにならないようにするためか、不恰好に剪定された梅の枝には、それでも精一杯紅色の花を満開に咲かせて、私を迎えてくれました。 第3回に続く
2018/06/17
第1回
宮崎慎吾(みやざき・しんご:45歳)さんの外見は中肉中背の、少し髪の薄くなった普通のおじさん。問題は薫子が彼を受け入れるかどうかでした。
『何これ!(笑) えーこの人なの?』
「さすがに無理だよな。」
『イヤ、可愛いんじゃない(笑)。』
「え??」
この宮崎さんの写真をどういう角度から見たら『可愛い』なんて言葉が出てくるのか、私(荒井隆行:あらい・たかゆき:41歳)には見当もつきませんが、とにかく妻(荒井薫子:あらい・かおるこ:28歳)としては大丈夫なようでした。
『その人に仮に決めたとして、あなたがうちの奥さんとエッチしてくれ~て頼むわけ?』
言われてみれば、もっともな疑問です。宮崎さんに実際に私の変態願望を話して、「妻を抱いてほしい。」とお願いすることは、私の僅かばかりあるプライドのカケラが許しません。しかし、困窮は発明の父、とっさに私の頭脳に閃光のごとくアイデアが閃きました。
「薫子が私の知り合いのデリヘル嬢ていうことにして、3Pをするというのはどうだろうか?」 つまり私たちが夫婦だということは秘密にして、3Pのできるデリヘル嬢ということに薫子を仕立ててプレイをするのです。冷静に後で考えると、妻のプライド大きく傷つけかねない馬鹿げた提案でした。
『う~ん、だったら、デリヘル嬢ぽいお洋服、今持ってないんだけどなー。』
幸いにもノリのいい妻に、新しい洋服をおねだりされてしまいます。しかし、ここは気前よく、なんでも好きな服を買ってあげることにしました。私の願望に薫子を付き合わせて、デリヘル嬢の真似までさせるのですから、それくらいの出費は当然です。
なにはともあれ、一度宮崎さんと連絡をとって会ってみることにしました。そもそも私が宮崎さんの連絡先を知っているのは、歳上の宮崎さんのほうから、〔うまいホルモン屋があるのだけど、一緒に行きませんか?〕と誘われていたからです。
当時は社交辞令として連絡先を聞いて、そのままにしておいたのですが、今はそれが役に立ちました。週末のある日、私は宮崎さんとホルモン屋で落ち合います。そのホルモン屋は宮崎さんのアパートのすぐ近くにありました。昭和の趣を感じさせる看板と店構えで、狭い駐車場の隅には1本の梅の木が植えられています。駐車する車のじゃまにならないようにするためか、不恰好に剪定された梅の枝には、それでも精一杯紅色の花を満開に咲かせて、私を迎えてくれました。 第3回に続く
2018/06/17
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