名F【どうなるの?】その14
名F【どうなるの?】その14
驚きとともに見つめる私(中津川潤一34歳)の目に、その意を汲み取ったのか、妻の美穂(みほ29歳)はほとんど泣きそうな表情になって、私の胸に顔を押し付けてきます。それがきっかけとなり、私はほとんど我を忘れるような強い欲情の中、今までにないほど荒々しいやり方で妻を抱いたのでした。
崩された浴衣を腰の辺りに巻きつけたまま、下着だけすべて剥ぎ取られた格好の美穂は、私の腕の中でしばらくは必死になって声を殺していましたが、やがて耐えきれぬげに「あっ、あっ」と啼きはじめます。とめようとしてとめられないその声は、男の心をさらに加虐的にさせずにはおかないような哀婉な調子を含んでいました。
いつの間にか、隣室の声はやんでいました。宮森精二(34歳)と東出愛梨(ひがしで・あいり26歳)はどうしているのでしょうか?ひょっとしたら、いやおそらくは間違いなく、暗闇に紛れて少しだけ開いた襖の間から、私たち夫婦の情事を眺めているのでしょう。
私の下で悦びを喰い締めながら、愛らしい泣き声をあげている妻は。
『は、っ、ああっ、ああんっ・・・。』
そして私は果てました。それと同時に抱きしめた美穂の身体のびくびくと痙攣する感触が、いつまでも腕の中に残りました。
次の日の朝、目覚めると横に美穂の姿はありませんでした。しばらくして部屋へ戻ってきた妻に「どこへ行ってた?」と聞くと、『お風呂に・・・。』そう短く答えるその様子はいつもの妻でしたが、やはり昨夜の乱れ方を恥じているのか目を合わせようとはしませんでした。
その後、部屋の襖を開けはらって、昨日のようにまた四人で朝飯をとったのですが、昨夜の情事を二人に見られていたかと思うと私自身、多少気まずくなるくらいでしたから、妻はなおさらのことでしたでしょう。喋るのは宮森と愛梨ばかりで、私たち夫婦は黙々と食事をしていました。なに、宮森や愛梨だって事情は似たようなものだったのですが・・。
車がないので観光しようにも足がなく、またこの宿がある一帯の閑静な雰囲気が気に入ったので、午前中は特に何をするでもなく無為に過ごしました。午後になって宮森が、〔皆で辺りを散歩しないか?〕と誘ってきたので、四人そろって宿を出たのです。なぜか私と愛梨、美穂と宮森の組み合わせになる。
近くに寄ってきた愛梨が、〚ね、昨夜は凄かったですね。〛と囁くように言いました。私は後ろの妻と宮森を気にしながら、ぶっきらぼうな口調で「何が?」と答えます。〚分かっているくせに・・・。〛、「・・・・・」、〚奥さん、あんなに乱れることもあるのね。普段の楚々とした感じからは想像もできないくらい。凄くエロティックで魅力的だったわ。〛愛梨はそう言いましたが、実のところ私だってあれほど感じている美穂の姿を見たのは昨夜が初めてだったのです。
「君たちだって盛り上がっていたんじゃないのか?」
私が言い返すと、愛梨は軽く笑って手を振りました。
〚駄目駄目。あなたたちが始めだしたら、あのひとね、そっちのほうが気になっちゃって。ほら、あのひとは前から美穂さんのファンでしょ。だからね。〛
〚あのひと〛とはもちろん宮森のことで、その宮森は私たちの背後で妻にあれこれと喋りかけています。妻の美穂がそれに対して言葉少なく相槌を打っているのを横目で見て、私はふとあることに思い至りました。
あの日・・・宮森が我が家へやってきて、妻に〔セックスはお嫌いですか?〕〔ご主人では満足出来ない?〕などと問いかけたあの日のことです。私はそれ以前からうまくいっていなかった妻にはじめて離婚を切りだし、そしてその夜、美穂は私のベッドへ忍んできたのです。あのとき妻はこのままでは離婚してしまう、だからなんとか私を引きとめようとしてあのような行動に出たと説明しました。
しかし、私は昨夜のことを思い出しました。隣室で睦みあう宮森たちの声を聞きながら、密かに秘所を濡らしていた美穂。そのことを私に知られ、妻は恥じらい悶えながら私の愛撫に泣き乱れた・・・。それは私がかつて見たことのない美穂の姿でした。
2015/10/11
驚きとともに見つめる私(中津川潤一34歳)の目に、その意を汲み取ったのか、妻の美穂(みほ29歳)はほとんど泣きそうな表情になって、私の胸に顔を押し付けてきます。それがきっかけとなり、私はほとんど我を忘れるような強い欲情の中、今までにないほど荒々しいやり方で妻を抱いたのでした。
崩された浴衣を腰の辺りに巻きつけたまま、下着だけすべて剥ぎ取られた格好の美穂は、私の腕の中でしばらくは必死になって声を殺していましたが、やがて耐えきれぬげに「あっ、あっ」と啼きはじめます。とめようとしてとめられないその声は、男の心をさらに加虐的にさせずにはおかないような哀婉な調子を含んでいました。
いつの間にか、隣室の声はやんでいました。宮森精二(34歳)と東出愛梨(ひがしで・あいり26歳)はどうしているのでしょうか?ひょっとしたら、いやおそらくは間違いなく、暗闇に紛れて少しだけ開いた襖の間から、私たち夫婦の情事を眺めているのでしょう。
私の下で悦びを喰い締めながら、愛らしい泣き声をあげている妻は。
『は、っ、ああっ、ああんっ・・・。』
そして私は果てました。それと同時に抱きしめた美穂の身体のびくびくと痙攣する感触が、いつまでも腕の中に残りました。
次の日の朝、目覚めると横に美穂の姿はありませんでした。しばらくして部屋へ戻ってきた妻に「どこへ行ってた?」と聞くと、『お風呂に・・・。』そう短く答えるその様子はいつもの妻でしたが、やはり昨夜の乱れ方を恥じているのか目を合わせようとはしませんでした。
その後、部屋の襖を開けはらって、昨日のようにまた四人で朝飯をとったのですが、昨夜の情事を二人に見られていたかと思うと私自身、多少気まずくなるくらいでしたから、妻はなおさらのことでしたでしょう。喋るのは宮森と愛梨ばかりで、私たち夫婦は黙々と食事をしていました。なに、宮森や愛梨だって事情は似たようなものだったのですが・・。
車がないので観光しようにも足がなく、またこの宿がある一帯の閑静な雰囲気が気に入ったので、午前中は特に何をするでもなく無為に過ごしました。午後になって宮森が、〔皆で辺りを散歩しないか?〕と誘ってきたので、四人そろって宿を出たのです。なぜか私と愛梨、美穂と宮森の組み合わせになる。
近くに寄ってきた愛梨が、〚ね、昨夜は凄かったですね。〛と囁くように言いました。私は後ろの妻と宮森を気にしながら、ぶっきらぼうな口調で「何が?」と答えます。〚分かっているくせに・・・。〛、「・・・・・」、〚奥さん、あんなに乱れることもあるのね。普段の楚々とした感じからは想像もできないくらい。凄くエロティックで魅力的だったわ。〛愛梨はそう言いましたが、実のところ私だってあれほど感じている美穂の姿を見たのは昨夜が初めてだったのです。
「君たちだって盛り上がっていたんじゃないのか?」
私が言い返すと、愛梨は軽く笑って手を振りました。
〚駄目駄目。あなたたちが始めだしたら、あのひとね、そっちのほうが気になっちゃって。ほら、あのひとは前から美穂さんのファンでしょ。だからね。〛
〚あのひと〛とはもちろん宮森のことで、その宮森は私たちの背後で妻にあれこれと喋りかけています。妻の美穂がそれに対して言葉少なく相槌を打っているのを横目で見て、私はふとあることに思い至りました。
あの日・・・宮森が我が家へやってきて、妻に〔セックスはお嫌いですか?〕〔ご主人では満足出来ない?〕などと問いかけたあの日のことです。私はそれ以前からうまくいっていなかった妻にはじめて離婚を切りだし、そしてその夜、美穂は私のベッドへ忍んできたのです。あのとき妻はこのままでは離婚してしまう、だからなんとか私を引きとめようとしてあのような行動に出たと説明しました。
しかし、私は昨夜のことを思い出しました。隣室で睦みあう宮森たちの声を聞きながら、密かに秘所を濡らしていた美穂。そのことを私に知られ、妻は恥じらい悶えながら私の愛撫に泣き乱れた・・・。それは私がかつて見たことのない美穂の姿でした。
2015/10/11
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