中14〖恋に恋した妻〗PART21
中14〖恋に恋した妻〗PART21
いつも通り、二人でベッドにはいる。しばらく時間が経ち、もう寝たと思った妻(波戸咲希:はと・さき29歳)が、僕(波戸真一:しんいち29歳)の身体に手が伸ばしてくる。無言で僕に愛撫を続け、布団の中で、衣擦れと、咲希の微かな鼻息だけが響いていた。
暗闇の中で、咲希と僕の目が合う。『いい?』と上半身だけ僕の上にのしかかり、僕の脇腹をさすりながら、上目遣いでそう訊いてきた咲希に対し、情けないことに、覚悟が決まらない僕は、返事を逡巡してしまう。『……疲れてる?』それは心配しているのか、ガッカリしているのか、よくわからない表情の咲希です。僕は覚悟をきめて、咲希を押し倒した。
咲希はいつもより興奮している様子で、薄明かりの中でも、潤んだ瞳に紅潮した頬、そして何より興奮を抑えきれないといった様子の鼻息がありありとわかる。ショーツを脱がすと、うっすらとその股の部分に糸が引いていた。
正常位で挿入すると、咲希はいつも、僕のことをじっと凝視するように見つめながらセックスをする。しばらくはいつも通りだった。そうやって見つめあいながら、キスをしながら正常位、というのが自然に多くなるパターン。その時も初めはそうだった。しかし、数分ほど経つと、咲希の顔には、どう表現していいかわからない表情が浮かび出し始める。悲しそうな、辛そうな、申し訳無さそうな、そんな表情です。やがて咲希はそっと目を閉じた。
それから少しずつ、咲希の様子が明らかに変わっていく。歯を食いしばるように口を開けて、喉の奥で声を我慢するかのように辛そうな顔を浮かべた。しかし、膣内も心なしかぎゅっと僕を締め付ける。その瞬間、咲希は自分でも困惑したように目を開けるが、しばらく潤んだ瞳で僕を見つめると、また辛そうに口を結び、目を閉じた。
さらには僕に気づかれないようにやっていたつもりだろうが、咲希は時折、自分から物足
りなさそうに、腰を下から押し付けてくる。膣内は相変わらず“ぎゅうぎゅう”に締めつけてきて、僕の背中に回った手や足も、強く僕を引きつけて、また今まで聞いたことが無いような『あっあっ!あっあっあっ!』と切なく、そしてリズムカルな喘ぎ声を上げだす。
そしてついにはセックス中に、初めて咲希が『いやぁ!』とか『だめぇ!』と喘いだ。あんな風にセックス中に、明らかに無意識な感じで出たのは多分初めて聞いたと思う。少なくとも、こんなに連呼したのは初めてである。それも、心底気持ちよさそうな、でも何かを嫌がっているような声だった。
目を瞑ったままの咲希に唇を重ねようとすると、触れた瞬間、咲希は嫌がるように首を横に振った。そして咲希は、僕の後頭部に手を当てて引き寄せた思ったら、耳元で『……もっと。』と呟いた。
僕はそれから無我夢中で腰を振り出す。その時もう一度キスを求めたら、今度は応じてくれた。それどころか、これも初めてじゃないかってくらいの激しいディープキスだった。下品とも思えるくらい、咲希の舌は僕の口腔を激しくまさぐってくる。その間、咲希はずっと、頑なまでに瞼を閉じていた。たまに開けても、すぐに気まずそうに僕から目を逸らし、閉じる。それの繰り返しである。
咲希のその明らかに不自然な挙動に、僕は激しく興奮していた。僕に抱かれながらも、他の男を頭に思い浮かべ、こともあろうかそれで普段より興奮している咲希が、愛おしくてたまらない。もう何年も付き合い、さらには結婚して数年経つ咲希に対して、今こそ「僕の女にしたい!」と、激しく欲情した。
ただ流石にショックだったのは、生で挿入していたのだが、僕がイキそうなのを伝えると、咲希は僕の胸を手で押しながら、“すすす”っと腰を引いて、外で出すのを言外に要求してきた。僕が自分の手でしごき、咲希のお腹に射精している様子を、咲希は口に手の甲をあて、肩を上下させて呼吸を整えながら、悲しそうな目で眺めていた。
片付けを終え、一息つくと、咲希はいつも通り“ふっ”と微笑み、無言で唇を重ねてきて、『すごかった。』と、照れくさそうに口にした後、目を逸らしながら『愛している。』と囁いてきた。その晩は、その後もお互いの身体を冗談っぽく突っついたりして、愛情を伝え合いながら、いつの間にか眠っていた。
2015/10/27
いつも通り、二人でベッドにはいる。しばらく時間が経ち、もう寝たと思った妻(波戸咲希:はと・さき29歳)が、僕(波戸真一:しんいち29歳)の身体に手が伸ばしてくる。無言で僕に愛撫を続け、布団の中で、衣擦れと、咲希の微かな鼻息だけが響いていた。
暗闇の中で、咲希と僕の目が合う。『いい?』と上半身だけ僕の上にのしかかり、僕の脇腹をさすりながら、上目遣いでそう訊いてきた咲希に対し、情けないことに、覚悟が決まらない僕は、返事を逡巡してしまう。『……疲れてる?』それは心配しているのか、ガッカリしているのか、よくわからない表情の咲希です。僕は覚悟をきめて、咲希を押し倒した。
咲希はいつもより興奮している様子で、薄明かりの中でも、潤んだ瞳に紅潮した頬、そして何より興奮を抑えきれないといった様子の鼻息がありありとわかる。ショーツを脱がすと、うっすらとその股の部分に糸が引いていた。
正常位で挿入すると、咲希はいつも、僕のことをじっと凝視するように見つめながらセックスをする。しばらくはいつも通りだった。そうやって見つめあいながら、キスをしながら正常位、というのが自然に多くなるパターン。その時も初めはそうだった。しかし、数分ほど経つと、咲希の顔には、どう表現していいかわからない表情が浮かび出し始める。悲しそうな、辛そうな、申し訳無さそうな、そんな表情です。やがて咲希はそっと目を閉じた。
それから少しずつ、咲希の様子が明らかに変わっていく。歯を食いしばるように口を開けて、喉の奥で声を我慢するかのように辛そうな顔を浮かべた。しかし、膣内も心なしかぎゅっと僕を締め付ける。その瞬間、咲希は自分でも困惑したように目を開けるが、しばらく潤んだ瞳で僕を見つめると、また辛そうに口を結び、目を閉じた。
さらには僕に気づかれないようにやっていたつもりだろうが、咲希は時折、自分から物足
りなさそうに、腰を下から押し付けてくる。膣内は相変わらず“ぎゅうぎゅう”に締めつけてきて、僕の背中に回った手や足も、強く僕を引きつけて、また今まで聞いたことが無いような『あっあっ!あっあっあっ!』と切なく、そしてリズムカルな喘ぎ声を上げだす。
そしてついにはセックス中に、初めて咲希が『いやぁ!』とか『だめぇ!』と喘いだ。あんな風にセックス中に、明らかに無意識な感じで出たのは多分初めて聞いたと思う。少なくとも、こんなに連呼したのは初めてである。それも、心底気持ちよさそうな、でも何かを嫌がっているような声だった。
目を瞑ったままの咲希に唇を重ねようとすると、触れた瞬間、咲希は嫌がるように首を横に振った。そして咲希は、僕の後頭部に手を当てて引き寄せた思ったら、耳元で『……もっと。』と呟いた。
僕はそれから無我夢中で腰を振り出す。その時もう一度キスを求めたら、今度は応じてくれた。それどころか、これも初めてじゃないかってくらいの激しいディープキスだった。下品とも思えるくらい、咲希の舌は僕の口腔を激しくまさぐってくる。その間、咲希はずっと、頑なまでに瞼を閉じていた。たまに開けても、すぐに気まずそうに僕から目を逸らし、閉じる。それの繰り返しである。
咲希のその明らかに不自然な挙動に、僕は激しく興奮していた。僕に抱かれながらも、他の男を頭に思い浮かべ、こともあろうかそれで普段より興奮している咲希が、愛おしくてたまらない。もう何年も付き合い、さらには結婚して数年経つ咲希に対して、今こそ「僕の女にしたい!」と、激しく欲情した。
ただ流石にショックだったのは、生で挿入していたのだが、僕がイキそうなのを伝えると、咲希は僕の胸を手で押しながら、“すすす”っと腰を引いて、外で出すのを言外に要求してきた。僕が自分の手でしごき、咲希のお腹に射精している様子を、咲希は口に手の甲をあて、肩を上下させて呼吸を整えながら、悲しそうな目で眺めていた。
片付けを終え、一息つくと、咲希はいつも通り“ふっ”と微笑み、無言で唇を重ねてきて、『すごかった。』と、照れくさそうに口にした後、目を逸らしながら『愛している。』と囁いてきた。その晩は、その後もお互いの身体を冗談っぽく突っついたりして、愛情を伝え合いながら、いつの間にか眠っていた。
2015/10/27
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