長Ⅱ8〖それぞれの真実〗 第1回
長Ⅱ8〖それぞれの真実〗 第1回
(原題:女友達と妻 投稿者:KYO 投稿日:不明)
マンションに引っ越して以来、私(松岡道隆:みちたか:37歳)と妻(松岡祐実:34歳)が最も親しくしている住人に高階真希(たかしな・まき:37歳)さんという女性がいます。元々は自治会の役員を一緒にやったのがきっかけだったのですが、真希さんは女性ながら
この新しいマンションの出来たばかりの自治会の中心人物として、日常の事務局としての仕事以外に自治会主催の模擬店を妻と一緒に運営するなど、大活躍でした。
真希さんは私と同い年ですが、日頃バレーボールで鍛えているためか若々しく、またそのエネルギーにはしばしば圧倒されるほどです。容姿は女優さんにたとえるなら元宝塚歌劇の天海裕希に似た、切れ長の目が印象的な美人。私の妻も身長は165センチとかなりの長身ですが、真希さんはそれ以上で168センチと、私と同い年の女性としては相当の高さで、その点も宝塚の男役を思わせます。
だからというわけではないのですが性格も男っぽく、着るものもジーンズにTシャツというスタイルが殆どです。しかしながら妻の祐実と違ってオッパイが大きく、Tシャツの下で窮屈そうに布地を押し上げている真希さんの胸を目にすると容姿にはアンバランスな女っぽさを感じさせ、ドキッとするほどでした。
といっても私と真希さんの間には色っぽい話は一切なく、どちらかというと男友達のような感覚で付き合っていました。子供もわが家と同じ男の子ということで、共通する話題が多かったこともあります。
真希さんのご主人(高階晃司)は石油プラント関係で海外への長期出張が多く、私とはあまり顔を合わせませんでしたが、真希さんとの夫婦仲はすこぶる良いようでした。真希さんの生活に激変が訪れたのは2年前のことです。ご主人が出張先の国で爆発事故により急死したという知らせが舞い込んだのでした。
すぐに子供とともに赴任地へ飛んだ真希さんが、夫の遺骨とともに帰国したのはそれから一週間後のことです。遺体は損傷が激しいということでそのまま持って帰れず、現地で荼毘にふしたとのことでした。子供たちに最後のお別れをさせて上げることが出来たのが
せめてもの慰めだと後になって真希さんは妻に話したそうです。
葬儀にはもちろん私も出席しましたが、参列者の多さに驚きました。真希さんのご主人も
さることながら、真希さん自身も交友関係の広さを改めて認識します。喪主として気丈に振舞っている玲子さんの姿が印象的で、またお父さん子の男の子が涙をこらえている様子はこちらまでもらい泣きしそうになりました。
その後1年ほどは真希さんの表情から笑いが消え(無理をした作り笑いはありましたが)、妻も随分彼女のことを心配しました。しかし徐々に真希さんは明るさを取り戻し、私を見かけても以前のように自分から元気そうな声をかけてくれるようになります。
ちなみに真希さんのご主人は十分な生命保険をかけており、しかも業務中の事故ということで会社からは相当の補償金が払われたので、当面の生活に困ることはないようでした。しかし、真希さんはご主人が残してくれたお金には出来るだけつけないようにしたいそれまでのパートの仕事をフルタイムに替えました。
妻(松岡祐実:ゆみ:34歳)が真希さんに誘われて地域のバレーボールクラブに入るようになったのはちょうどその頃です。元々真希さんはクラブの世話役のような立場だったのですが、ご主人が亡くなってからしばらくはそのような気分にもなれず、活動から離れていたようでした。妻がバレーボールをするのは中学校のクラブ活動以来ということですが、久しぶりに身体を動かす楽しさと、真希さんの“社会復帰”を手助けできるということで、積極的に参加するようになりました。
仕事の時間も増え、バレーボールクラブに復帰したため休日は練習、これに加えて子育てと真希さんは一気に多忙になります。でも、忙しくしている方が亡くなったご主人のことを考えることもなく、真希さんの生活は充実しているようでした。
しかし、真希さんの変化に私(松岡道隆:みちたか:37歳)が気付いたのは春の終わり頃でした。私と妻が買い物に行くために駐車場に降りた時、真希さんと出会いました。〚こんにちは、お久しぶりです。〛と、にこやかに挨拶する真希さんを見て私は少し驚きました。まだ肌寒さを感じる季節に、上はTシャツ一枚というのは彼女らしいと言えば言えるのですが、問題はボトムです。それはローライズのジーンズで、若い娘ならともかく、真希さんのような年齢の女性がはくのを見るのは滅多にありませんでした。
いかに若々しく見えるとはいえ私と同い年ですから37歳です。Tシャツの下からチラチラと覗く肌も妙に媚めかしく、私はドギマギしてしまいます。いつもあっさり目だった化粧も心なしか濃くなっているようで、ショートの髪の色もかなり明るくなっていました。元のつくりが良い真希さんですから引き立つのですが、私は真希さんに妙に女を感じてしまいました。それでマンションへ向かう真希さんの後ろ姿、特に格好の良いお尻のあたりをつい目で追ってしまいます。
『何を見とれているの? あなた!』
妻の祐実が肘で私の脇腹をドンとつきました。
「い、いや……何でもないよ。」
『真希さんのお尻に見とれていたでしょう。』
2016/05/29
(原題:女友達と妻 投稿者:KYO 投稿日:不明)
マンションに引っ越して以来、私(松岡道隆:みちたか:37歳)と妻(松岡祐実:34歳)が最も親しくしている住人に高階真希(たかしな・まき:37歳)さんという女性がいます。元々は自治会の役員を一緒にやったのがきっかけだったのですが、真希さんは女性ながら
この新しいマンションの出来たばかりの自治会の中心人物として、日常の事務局としての仕事以外に自治会主催の模擬店を妻と一緒に運営するなど、大活躍でした。
真希さんは私と同い年ですが、日頃バレーボールで鍛えているためか若々しく、またそのエネルギーにはしばしば圧倒されるほどです。容姿は女優さんにたとえるなら元宝塚歌劇の天海裕希に似た、切れ長の目が印象的な美人。私の妻も身長は165センチとかなりの長身ですが、真希さんはそれ以上で168センチと、私と同い年の女性としては相当の高さで、その点も宝塚の男役を思わせます。
だからというわけではないのですが性格も男っぽく、着るものもジーンズにTシャツというスタイルが殆どです。しかしながら妻の祐実と違ってオッパイが大きく、Tシャツの下で窮屈そうに布地を押し上げている真希さんの胸を目にすると容姿にはアンバランスな女っぽさを感じさせ、ドキッとするほどでした。
といっても私と真希さんの間には色っぽい話は一切なく、どちらかというと男友達のような感覚で付き合っていました。子供もわが家と同じ男の子ということで、共通する話題が多かったこともあります。
真希さんのご主人(高階晃司)は石油プラント関係で海外への長期出張が多く、私とはあまり顔を合わせませんでしたが、真希さんとの夫婦仲はすこぶる良いようでした。真希さんの生活に激変が訪れたのは2年前のことです。ご主人が出張先の国で爆発事故により急死したという知らせが舞い込んだのでした。
すぐに子供とともに赴任地へ飛んだ真希さんが、夫の遺骨とともに帰国したのはそれから一週間後のことです。遺体は損傷が激しいということでそのまま持って帰れず、現地で荼毘にふしたとのことでした。子供たちに最後のお別れをさせて上げることが出来たのが
せめてもの慰めだと後になって真希さんは妻に話したそうです。
葬儀にはもちろん私も出席しましたが、参列者の多さに驚きました。真希さんのご主人も
さることながら、真希さん自身も交友関係の広さを改めて認識します。喪主として気丈に振舞っている玲子さんの姿が印象的で、またお父さん子の男の子が涙をこらえている様子はこちらまでもらい泣きしそうになりました。
その後1年ほどは真希さんの表情から笑いが消え(無理をした作り笑いはありましたが)、妻も随分彼女のことを心配しました。しかし徐々に真希さんは明るさを取り戻し、私を見かけても以前のように自分から元気そうな声をかけてくれるようになります。
ちなみに真希さんのご主人は十分な生命保険をかけており、しかも業務中の事故ということで会社からは相当の補償金が払われたので、当面の生活に困ることはないようでした。しかし、真希さんはご主人が残してくれたお金には出来るだけつけないようにしたいそれまでのパートの仕事をフルタイムに替えました。
妻(松岡祐実:ゆみ:34歳)が真希さんに誘われて地域のバレーボールクラブに入るようになったのはちょうどその頃です。元々真希さんはクラブの世話役のような立場だったのですが、ご主人が亡くなってからしばらくはそのような気分にもなれず、活動から離れていたようでした。妻がバレーボールをするのは中学校のクラブ活動以来ということですが、久しぶりに身体を動かす楽しさと、真希さんの“社会復帰”を手助けできるということで、積極的に参加するようになりました。
仕事の時間も増え、バレーボールクラブに復帰したため休日は練習、これに加えて子育てと真希さんは一気に多忙になります。でも、忙しくしている方が亡くなったご主人のことを考えることもなく、真希さんの生活は充実しているようでした。
しかし、真希さんの変化に私(松岡道隆:みちたか:37歳)が気付いたのは春の終わり頃でした。私と妻が買い物に行くために駐車場に降りた時、真希さんと出会いました。〚こんにちは、お久しぶりです。〛と、にこやかに挨拶する真希さんを見て私は少し驚きました。まだ肌寒さを感じる季節に、上はTシャツ一枚というのは彼女らしいと言えば言えるのですが、問題はボトムです。それはローライズのジーンズで、若い娘ならともかく、真希さんのような年齢の女性がはくのを見るのは滅多にありませんでした。
いかに若々しく見えるとはいえ私と同い年ですから37歳です。Tシャツの下からチラチラと覗く肌も妙に媚めかしく、私はドギマギしてしまいます。いつもあっさり目だった化粧も心なしか濃くなっているようで、ショートの髪の色もかなり明るくなっていました。元のつくりが良い真希さんですから引き立つのですが、私は真希さんに妙に女を感じてしまいました。それでマンションへ向かう真希さんの後ろ姿、特に格好の良いお尻のあたりをつい目で追ってしまいます。
『何を見とれているの? あなた!』
妻の祐実が肘で私の脇腹をドンとつきました。
「い、いや……何でもないよ。」
『真希さんのお尻に見とれていたでしょう。』
2016/05/29
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