短Ⅲ11『挑発する妻の視線』第6話
短Ⅲ11『挑発する妻の視線』第6話
第5話
妻(早川絵梨:はやかわ・えり:32歳)は、ただ人形のように夫(早川直也:はやかわ・なおや:37歳)の親友である寺脇亮(てらわき・りょう:37歳)のキスを受け止めている。自分から舌を絡めるようなこともなく、ただ、じっと耐えるようにキスを受け続けた。
それから亮は、キスをしながら絵梨のタオルをはだけさせ、胸に手を伸ばす。クライミングが趣味なので、体脂肪少ない絵梨は、胸も小ぶりだった。でも、白く美しいその胸は、乳首も乳輪も薄いピンク色で、どちらも小さい。もちろん、夫の直也以外に触れられた事のない胸だが、今まさに亮の手が触れようとしている。絵梨は身を固くしながら、不安そうな顔で夫の直也を見つめた。
直也は、その絵梨の視線から逃れるように、うつむいてしまう。もう見ていられなくなってしまった直也は、うつむいたまま心の中で絵梨に詫び続けた。
うつむく直也の横で、亮は絵梨の胸を揉み続ける。その動きも慣れたもので、身を固くしていた絵梨は、かすかに感じる快感に戸惑っていた。夫しか知らない上に、少女のような幻想を持っている妻は、愛する人以外に触れられても感じるはずがないと信じている。
亮は、しばらくすると絵梨の胸に口を近づけた。そして、そのままピンクの小さな乳首に舌を這わせる。その瞬間、妻はビクッと身体を震わせ、『あっ!』って、小さな声をあげた。その声につられるように直也は頭を上げる。夫婦のベッドの上で、亮に乳首を舐められている絵里を見て、やっと直也は亮が本気なのだと理解した。
絵梨は夫以外の男に乳首を舐められ、どうしていいのかわからず、不安そうな顔で直也を見つめている。本当は、泣き出したい気持ちを持っているのに、夫のためにグッとこらえていた。
ただ、こんな状況にも関わらず、絵梨の頭の中は、夫を裏切ってしまう事への罪悪感があった。けっして絵梨が望んでこの状況になった訳でもないのに、夫への操を守れない事を気にする自分が……。
直也は、絶望的な状況の中、《これでよかったのだろうか?》と思い始めていた。《たかが金だ……。用意できなくても、命までは取られなかったはずだ。周りには多大な迷惑をかけることになったかもしれないが、いっそバンザイして、裸一貫に戻るべきだったのではないか? 絵梨を差し出してまで、会社を守る必要があったのだろうか?》直也は、今さらこの事に気がつく。金策に奔走していた時は、夜中に何度も目が覚めるほどに追い詰められていた。冷静さを失っていたのだと思う。 第7話に続く
2017/04/21
第5話
妻(早川絵梨:はやかわ・えり:32歳)は、ただ人形のように夫(早川直也:はやかわ・なおや:37歳)の親友である寺脇亮(てらわき・りょう:37歳)のキスを受け止めている。自分から舌を絡めるようなこともなく、ただ、じっと耐えるようにキスを受け続けた。
それから亮は、キスをしながら絵梨のタオルをはだけさせ、胸に手を伸ばす。クライミングが趣味なので、体脂肪少ない絵梨は、胸も小ぶりだった。でも、白く美しいその胸は、乳首も乳輪も薄いピンク色で、どちらも小さい。もちろん、夫の直也以外に触れられた事のない胸だが、今まさに亮の手が触れようとしている。絵梨は身を固くしながら、不安そうな顔で夫の直也を見つめた。
直也は、その絵梨の視線から逃れるように、うつむいてしまう。もう見ていられなくなってしまった直也は、うつむいたまま心の中で絵梨に詫び続けた。
うつむく直也の横で、亮は絵梨の胸を揉み続ける。その動きも慣れたもので、身を固くしていた絵梨は、かすかに感じる快感に戸惑っていた。夫しか知らない上に、少女のような幻想を持っている妻は、愛する人以外に触れられても感じるはずがないと信じている。
亮は、しばらくすると絵梨の胸に口を近づけた。そして、そのままピンクの小さな乳首に舌を這わせる。その瞬間、妻はビクッと身体を震わせ、『あっ!』って、小さな声をあげた。その声につられるように直也は頭を上げる。夫婦のベッドの上で、亮に乳首を舐められている絵里を見て、やっと直也は亮が本気なのだと理解した。
絵梨は夫以外の男に乳首を舐められ、どうしていいのかわからず、不安そうな顔で直也を見つめている。本当は、泣き出したい気持ちを持っているのに、夫のためにグッとこらえていた。
ただ、こんな状況にも関わらず、絵梨の頭の中は、夫を裏切ってしまう事への罪悪感があった。けっして絵梨が望んでこの状況になった訳でもないのに、夫への操を守れない事を気にする自分が……。
直也は、絶望的な状況の中、《これでよかったのだろうか?》と思い始めていた。《たかが金だ……。用意できなくても、命までは取られなかったはずだ。周りには多大な迷惑をかけることになったかもしれないが、いっそバンザイして、裸一貫に戻るべきだったのではないか? 絵梨を差し出してまで、会社を守る必要があったのだろうか?》直也は、今さらこの事に気がつく。金策に奔走していた時は、夜中に何度も目が覚めるほどに追い詰められていた。冷静さを失っていたのだと思う。 第7話に続く
2017/04/21
- 関連記事
-
- 短Ⅲ17<嫁の微笑み> 第4話 (2017/04/03)
- 短Ⅲ23≪性春≫第2話 (2017/04/04)
- 短Ⅲ20〔セックスレス〕1-2 (2017/04/10)
- 短Ⅲ21《交わり》2回 (2017/04/14)
- 短Ⅲ21《交わり》3回 (2017/04/15)
- 短Ⅲ1<妻の微笑み>第4回 (2017/04/16)
- 短Ⅲ12『OKをした嫁』その7 (2017/04/17)
- 短Ⅲ11『挑発する妻の視線』第6話 (2017/04/21)
- 短Ⅲ21《交わり》4回 (2017/04/23)
- 短Ⅲ19〖Mの彼女〗その7 (2017/04/25)
- 短Ⅲ11『挑発する妻の視線』第7話 (2017/04/26)
- 短Ⅲ1<妻の微笑み>第5回 (2017/05/03)
- 短Ⅲ1<妻の微笑み>第6回 (2017/05/12)
- 短Ⅲ17<嫁の微笑み> 第5話 (2017/06/23)
- 短Ⅲ19〖Mの彼女〗その8 (2017/06/29)
コメント
コメントの投稿