長U〖綾乃の想い〗第6章その4 36
長U〖綾乃の想い〗第6章その4 36
第6章その3 35
[ァ・・・ン・・・アアア・・・智(さとし)ぃ・・・ダメ・・・スゴイ・・・。]
《・・・うそ・・・今日もなの・・・?》
翌日、また同じ時間帯に聞え始めた女性の喘ぎ声。しかもまた違う女性のようだ。
『なんなのよぉ・・・もぅ・・・。』
しかしそんな事を言いながらも、藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)は結局この日も昨日と同じように隣の盗み聞きを続けてしまう。次の日も、そしてその次の日も・・・。
綾乃は隣から聞えてくる声への嫌悪感とそれを聞いてしまう自分自身への憤りを感じる毎日。ノイローゼになりそうだった。聞くたびに身体が熱くなって、胸がドキドキと高鳴る。自分は盗み聞きをしながら性的興奮を覚えている、それを綾乃は認めざるを得なかった。つまり当然綾乃もムラムラとしたものを感じていたという訳である。
しかし、綾乃はそれを自ら慰める事で解消するというのは、どうしてもしたくはなかった。自分を慰める・・・つまり三浦智(みうら・さとし:33歳)とどこかの知らない女性がしているSEXの音、それを聞きながらオナニーをする事に、綾乃は抵抗を感じている。それは、もしこの前のように三浦の事を考えて自慰行為をしてしまえば、夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)を再び裏切る事になると思ったからだ。
一般的にこの程度の事では“浮気”にはならないかもしれない。でも、心の中だけでもそんな浮ついた事はしたくはない。《良一を裏切りたくない。》その1人の女性としての信念から、綾乃はそれを我慢し続ける。しかし、フラストレーションというのは溜まってしまうものだ。いくら真面目な綾乃でもそれを永遠に我慢し続ける事はできない。そう、できないのだ。
『・・・はァ・・・もうイヤ・・・こんな毎日・・・。』
溜まれば溜まる程、それを一気に解放する時の衝撃は大きくなる。そして我慢した分だけ、その引き金は重くなった。しかし綾乃はまだ気付いていない。このままいけばその引き金が、自分だけでは引けなくなる程重くなってしまう事を。そうなってしまえば、綾乃の中に溜まったものは、もう誰かの手を借りなければどうしようもなくなってしまうのだ。
「やっぱり、何か悩みでもあるのか?」
『・・・え?』
夫の良一がそう心配そうな顔で言ってきたのはある日の夜の事です。その日も良一は夜遅くに帰ってきて、遅い食事をとっていた。
「さっきからため息ついたり、ボーっとしていたり。最近そういうのが多いぞ?」
『え・・・? そ、そうかな・・・別に悩みとか無いし、大丈夫だよ。』
そう良一に応えた綾乃だったが、もちろんそれは本心ではなかった。 第6章その5 37に続く
2017/05/07
第6章その3 35
[ァ・・・ン・・・アアア・・・智(さとし)ぃ・・・ダメ・・・スゴイ・・・。]
《・・・うそ・・・今日もなの・・・?》
翌日、また同じ時間帯に聞え始めた女性の喘ぎ声。しかもまた違う女性のようだ。
『なんなのよぉ・・・もぅ・・・。』
しかしそんな事を言いながらも、藤澤綾乃(ふじさわ・あやの:30歳)は結局この日も昨日と同じように隣の盗み聞きを続けてしまう。次の日も、そしてその次の日も・・・。
綾乃は隣から聞えてくる声への嫌悪感とそれを聞いてしまう自分自身への憤りを感じる毎日。ノイローゼになりそうだった。聞くたびに身体が熱くなって、胸がドキドキと高鳴る。自分は盗み聞きをしながら性的興奮を覚えている、それを綾乃は認めざるを得なかった。つまり当然綾乃もムラムラとしたものを感じていたという訳である。
しかし、綾乃はそれを自ら慰める事で解消するというのは、どうしてもしたくはなかった。自分を慰める・・・つまり三浦智(みうら・さとし:33歳)とどこかの知らない女性がしているSEXの音、それを聞きながらオナニーをする事に、綾乃は抵抗を感じている。それは、もしこの前のように三浦の事を考えて自慰行為をしてしまえば、夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)を再び裏切る事になると思ったからだ。
一般的にこの程度の事では“浮気”にはならないかもしれない。でも、心の中だけでもそんな浮ついた事はしたくはない。《良一を裏切りたくない。》その1人の女性としての信念から、綾乃はそれを我慢し続ける。しかし、フラストレーションというのは溜まってしまうものだ。いくら真面目な綾乃でもそれを永遠に我慢し続ける事はできない。そう、できないのだ。
『・・・はァ・・・もうイヤ・・・こんな毎日・・・。』
溜まれば溜まる程、それを一気に解放する時の衝撃は大きくなる。そして我慢した分だけ、その引き金は重くなった。しかし綾乃はまだ気付いていない。このままいけばその引き金が、自分だけでは引けなくなる程重くなってしまう事を。そうなってしまえば、綾乃の中に溜まったものは、もう誰かの手を借りなければどうしようもなくなってしまうのだ。
「やっぱり、何か悩みでもあるのか?」
『・・・え?』
夫の良一がそう心配そうな顔で言ってきたのはある日の夜の事です。その日も良一は夜遅くに帰ってきて、遅い食事をとっていた。
「さっきからため息ついたり、ボーっとしていたり。最近そういうのが多いぞ?」
『え・・・? そ、そうかな・・・別に悩みとか無いし、大丈夫だよ。』
そう良一に応えた綾乃だったが、もちろんそれは本心ではなかった。 第6章その5 37に続く
2017/05/07
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