長U〖綾乃の想い〗第5章その4 30
長U〖綾乃の想い〗第5章その4 30
藤澤綾乃(あやの:30歳)は、《友達としてほっとけないわ。》と思いながら、《でも、どうしたらいいのかしら・・・》そんな風に悩みながら買い物をしていた。せっかくできた大切な友人。篠原恭子(しのはら・きょうこ:30歳)が隣に引っ越してきてくれてどんなに嬉しかった。あんなに礼儀正しくて優しい恭子・・・しかし、そんな恭子の相手が三浦智(みうら・さとし:33歳)のような男とは、やはりどうしても納得できない。
《・・・同じ女性として尊敬さえしていた恭子さんがあんな男に騙されているなんて・・・》人は誰にでも欠点はある。一見完璧に見える恭子も、男性を見る目はあまり無かったという事だろうか? なんにしても、やはりこのまま三浦がしていた事を友人として見過ごしたくはなかった。
なんとなく今日は早く夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)の声が聞きたい気分だった。それは午前中にあんな事があったからだろうか。自慰行為の罪悪感を覚えていたから、綾乃の心の中では逆に夫・良一との愛を確かめたいという気持ちが沸きやすくなっていたのかもしれない。
《今夜、良一に相談してみようかな・・・?》
買い物を終えた綾乃はマンションの地下駐車場に車を止めて、両手に買い物用バッグを抱えながらエレベーターへと向かう。
《・・・そういえば良一、今日も遅くなるかもしれないって言ってっけ・・・早く帰ってきてくれるといいなぁ・・・》
そんな事を考えながら綾乃はエレベーターを待っている。
しかしその時だった。
『・・・・・・?』
ふと、綾乃は背後から人の気配を感じた。
〔あれぇ? 奥さん! ハハッ偶然だなぁ! 買い物の帰りですかぁ?〕
その声に驚くようにして綾乃が振り返る。
『・・・み、三浦さん!?』
綾乃の表情は明らかに動揺しているようだった。しかしそれは仕方のない事なのかもしれない。振り返った綾乃の目の前には、あの三浦がニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべながら立っていたのだから。
『・・・ぁ・・・あの・・・?』
〔ハハッどうしたんです? そんなに驚いた顔して。僕の顔に何か付いています?〕
『い、いえ別に・・・あの・・・三浦さんはどうして・・・?』
綾乃は午前中、隣からの三浦の声を聞いた時から疑問に思っていた事を彼に聞いてみた。
〔『どうして?』、あぁ・・・俺の仕事は基本パソコンがあればどこでもできるんでね。今日は恭子の部屋を借りているんですよ。〕
『どこでも・・・?あっ、そっか・・・。』
三浦がデイトレード(個人投資家による株式・債券などの日計り取引株取引)で生活をしていると言っていたのを綾乃は思い出した。確かに株取引だけならネットに繋がっていればどこでも可能だろう。 31に続く
2016/10/19
藤澤綾乃(あやの:30歳)は、《友達としてほっとけないわ。》と思いながら、《でも、どうしたらいいのかしら・・・》そんな風に悩みながら買い物をしていた。せっかくできた大切な友人。篠原恭子(しのはら・きょうこ:30歳)が隣に引っ越してきてくれてどんなに嬉しかった。あんなに礼儀正しくて優しい恭子・・・しかし、そんな恭子の相手が三浦智(みうら・さとし:33歳)のような男とは、やはりどうしても納得できない。
《・・・同じ女性として尊敬さえしていた恭子さんがあんな男に騙されているなんて・・・》人は誰にでも欠点はある。一見完璧に見える恭子も、男性を見る目はあまり無かったという事だろうか? なんにしても、やはりこのまま三浦がしていた事を友人として見過ごしたくはなかった。
なんとなく今日は早く夫(藤澤良一:ふじさわ・りょういち:37歳)の声が聞きたい気分だった。それは午前中にあんな事があったからだろうか。自慰行為の罪悪感を覚えていたから、綾乃の心の中では逆に夫・良一との愛を確かめたいという気持ちが沸きやすくなっていたのかもしれない。
《今夜、良一に相談してみようかな・・・?》
買い物を終えた綾乃はマンションの地下駐車場に車を止めて、両手に買い物用バッグを抱えながらエレベーターへと向かう。
《・・・そういえば良一、今日も遅くなるかもしれないって言ってっけ・・・早く帰ってきてくれるといいなぁ・・・》
そんな事を考えながら綾乃はエレベーターを待っている。
しかしその時だった。
『・・・・・・?』
ふと、綾乃は背後から人の気配を感じた。
〔あれぇ? 奥さん! ハハッ偶然だなぁ! 買い物の帰りですかぁ?〕
その声に驚くようにして綾乃が振り返る。
『・・・み、三浦さん!?』
綾乃の表情は明らかに動揺しているようだった。しかしそれは仕方のない事なのかもしれない。振り返った綾乃の目の前には、あの三浦がニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべながら立っていたのだから。
『・・・ぁ・・・あの・・・?』
〔ハハッどうしたんです? そんなに驚いた顔して。僕の顔に何か付いています?〕
『い、いえ別に・・・あの・・・三浦さんはどうして・・・?』
綾乃は午前中、隣からの三浦の声を聞いた時から疑問に思っていた事を彼に聞いてみた。
〔『どうして?』、あぁ・・・俺の仕事は基本パソコンがあればどこでもできるんでね。今日は恭子の部屋を借りているんですよ。〕
『どこでも・・・?あっ、そっか・・・。』
三浦がデイトレード(個人投資家による株式・債券などの日計り取引株取引)で生活をしていると言っていたのを綾乃は思い出した。確かに株取引だけならネットに繋がっていればどこでも可能だろう。 31に続く
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