長U〖綾乃の想い〗第5章その2 28
長U〖綾乃の想い〗第5章その2 28
前話27
《・・・この女性の声・・・誰なの?》
初めて聞く声だし、それにその言葉使いなどから考えると随分と若い女性なのではないかと綾乃は思った。
『・・・。』
藤澤綾乃(あやの:30歳)は窓の鍵をゆっくりと下ろして、窓を音がしないようにそっと数cmほど開ける。
寝る前にもう三浦智(さとし:33歳)の事は気にしないようにと心に決めていたはずだったのに、まだ眠りから覚めたばかりの綾乃は、ボンヤリとしたままそんな事は考えいなかったのかもしれない。ただ、なんとなくこの女性の声が気になっていたのだ。
窓を開けた事で声はよりハッキリと聞こえるようになる。
〔まぁ正直恭子にも最近飽きてきたけどなぁ、でもアイツ金を持っているからなかなか捨てられねないんだわ。〕
[フフッ・・・ホント悪い人。]
〔・・・でもそんなお前も俺に夢中なんだろ?〕
[自惚れないでよ、智(さとし)とはこっちだけ・・・。]
〔そんなに俺のコレが好きか?〕
[・・・うん・・・。]
〔彼氏のよりもか?〕
[・・・うん・・・だって、智って凄過ぎるんだもん。]
〔今までの男達と比べてもか?〕
[うん・・・ダントツで・・・だから・・・ねぇ・・・。]
〔おいおい、もう我慢できねないのかよ、仕方ないなぁ。〕
いつの間にか綾乃(あやの)は先日と同じように隣から聞えてくる声を盗み聞きしてしまっている。窓の近くにしゃがみ込んで耳を少し開けた窓の外へと向けていた。それで胸がドキドキと高鳴って、先日の記憶が蘇ってくる。《いったい・・・・何を・・・しているの?・・・二人は・・恭子さんの部屋で・・・》
[うん・・・我慢できないよ・・・だって智とは久しぶりだし・・・。]
〔ずっと彼氏ので我慢していたのか?〕
[もぅ・・・彼氏の事は言わないで・・・。]
〔俺の代わりをできる奴はそうはいないからなぁ。〕
[・・・なんかもう別れようかぁって最近思っているの・・・。]
〔SEXに満足できないから別れますってか? エロい女だなぁお前も。〕
[・・・だってぇ・・・。]
〔フッ・・・でもアユミ・・別れるなよ、これは俺の命令だ。人の女じゃないと興奮しないんだわ。〕
[もぅ・・・ホント変態だよね、智って・・・。]
綾乃は三浦のその “人の女”という言葉を聞いて胸をつかれたような思いになる。・・・自分の事を言われた訳でもないのに、綾乃がその言葉に反応してしまうのは、“人の女”という条件に既婚者である自分は該当してしまっているからかもしれなかった。
2016/04/24
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《・・・この女性の声・・・誰なの?》
初めて聞く声だし、それにその言葉使いなどから考えると随分と若い女性なのではないかと綾乃は思った。
『・・・。』
藤澤綾乃(あやの:30歳)は窓の鍵をゆっくりと下ろして、窓を音がしないようにそっと数cmほど開ける。
寝る前にもう三浦智(さとし:33歳)の事は気にしないようにと心に決めていたはずだったのに、まだ眠りから覚めたばかりの綾乃は、ボンヤリとしたままそんな事は考えいなかったのかもしれない。ただ、なんとなくこの女性の声が気になっていたのだ。
窓を開けた事で声はよりハッキリと聞こえるようになる。
〔まぁ正直恭子にも最近飽きてきたけどなぁ、でもアイツ金を持っているからなかなか捨てられねないんだわ。〕
[フフッ・・・ホント悪い人。]
〔・・・でもそんなお前も俺に夢中なんだろ?〕
[自惚れないでよ、智(さとし)とはこっちだけ・・・。]
〔そんなに俺のコレが好きか?〕
[・・・うん・・・。]
〔彼氏のよりもか?〕
[・・・うん・・・だって、智って凄過ぎるんだもん。]
〔今までの男達と比べてもか?〕
[うん・・・ダントツで・・・だから・・・ねぇ・・・。]
〔おいおい、もう我慢できねないのかよ、仕方ないなぁ。〕
いつの間にか綾乃(あやの)は先日と同じように隣から聞えてくる声を盗み聞きしてしまっている。窓の近くにしゃがみ込んで耳を少し開けた窓の外へと向けていた。それで胸がドキドキと高鳴って、先日の記憶が蘇ってくる。《いったい・・・・何を・・・しているの?・・・二人は・・恭子さんの部屋で・・・》
[うん・・・我慢できないよ・・・だって智とは久しぶりだし・・・。]
〔ずっと彼氏ので我慢していたのか?〕
[もぅ・・・彼氏の事は言わないで・・・。]
〔俺の代わりをできる奴はそうはいないからなぁ。〕
[・・・なんかもう別れようかぁって最近思っているの・・・。]
〔SEXに満足できないから別れますってか? エロい女だなぁお前も。〕
[・・・だってぇ・・・。]
〔フッ・・・でもアユミ・・別れるなよ、これは俺の命令だ。人の女じゃないと興奮しないんだわ。〕
[もぅ・・・ホント変態だよね、智って・・・。]
綾乃は三浦のその “人の女”という言葉を聞いて胸をつかれたような思いになる。・・・自分の事を言われた訳でもないのに、綾乃がその言葉に反応してしまうのは、“人の女”という条件に既婚者である自分は該当してしまっているからかもしれなかった。
2016/04/24
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