長U〖綾乃の想い〗第4章その2 21
長U〖綾乃の想い〗第4章その2 21
『そっかぁ…でも無理しないでね良一。』
「ハハッ大丈夫だって、まだまだこのマンションのローンもあるしな、頑張り時さ。」
『昨日の夜ご飯はコンビニでしょ?これから残業長引きそうな時はお弁当作るから言ってね、栄養ある物食べないと。』
「あぁ、ありがとう・・・なんだか妙に優しいなぁ綾乃、何かあった?」
『べ、別に私は主婦の仕事をちゃんとしたいだけよ、良一にはいつも働いてもらっているんだし。』
実は妻の藤澤綾乃(あやの:30歳)は普段あまり表には出さないが、仕事で頑張っている夫の藤澤良一(りょういち:37歳)に対して、自分の事で心配を掛けないように心掛けている。それが夫を支える妻としての正しい姿勢だと思っていたからだ。
だから綾乃は結婚してからは、少々の悩みなどは自分の中に閉じ込めて1人で消化していた。また、少しばかり体調が悪くても良一には気付かれないように笑顔を作っていたりしていた。そのため一度だけ、綾乃が風邪を患っていた時に、良一にそれを隠して無理に家事をしていたためにダウンしてしまった事がある。その時は良一に「夫婦なんだから変な気は使わなくていい。」と凄く怒られた。
そういうところは綾乃の長所でもあり短所でもあるのだが、ある意味それが根は優しくて真面目な綾乃らしい所でもあった。
『良一、少し睡眠摂った方がいいんじゃない?寝てないんでしょ?』
「あぁ、そうだな、すごく眠いわ。綾乃はいいのか?昨日は遅かったんだろ?」
『え?わ、私は大丈夫よ!昨日は結局良一と電話した後すぐにお開きになったから・・。』
しかし、正直に言えば綾乃も眠かった。
実はベッドに入ってからも殆ど眠れなかった綾乃。その理由を、とても綾乃の口から夫の良一に言えるようなものではない。そう・・・昨日ベランダで、隣のあの音を盗み聞きをした後、綾乃は、どうしようもなく熱くなってしまい。その火照った身体をベッドの中で自分で慰めていたのだ。綾乃にとっては久しぶりの自慰行為(オナニー)であった。それは思い出すだけで、綾乃の頬はポッとピンク色に染まる。
「ん?どうしたんだ綾乃?顔が赤いけど・・。」
『・・・え!ううん!なんでもないよっ。』
恥ずかしい・・・余計な心配を掛けたくない・・・いや、それ以前の問題として綾乃がそれを夫の良一に言える訳がないのだ。なぜなら綾乃は昨日の夜、良一以外の男性の事を考えながら自分を慰めてしまったのだから・・・。
『・・・はぁ・・・。』綾乃(あやの:30歳)はため息混じりに頭を抱えていた。昨日の出来事がどうしても頭から離れない。それに昨夜ベッドの中で1人でした事もである。愛する夫以外の男性を想像しながらしてしまった事への罪悪感も綾乃を悩ませていた。
非日常的な体験・記憶から早く脱したいと思っていても、ふと気付いた時には昨日三浦智(さとし:33歳)に言われた事やベランダで盗み聞きした時の事を考えてしまっている。それ程に昨日の体験は綾乃にとって衝撃的で刺激的な出来事として記憶に刻み込まれてしまっていたのだ。
《そう・・・時間が経てばきっと忘れる事ができる・・・でも、なるべく早く忘れたい…いいえ、早くこんな事忘れないといけないわ・・・》そんな事を考えながら綾乃は日常通りの家事を続けていた。しかし家事をする事で気を紛らわそうとしても、やはりあの記憶は・・頭から簡単には離れてくれない。
2016/01/22
『そっかぁ…でも無理しないでね良一。』
「ハハッ大丈夫だって、まだまだこのマンションのローンもあるしな、頑張り時さ。」
『昨日の夜ご飯はコンビニでしょ?これから残業長引きそうな時はお弁当作るから言ってね、栄養ある物食べないと。』
「あぁ、ありがとう・・・なんだか妙に優しいなぁ綾乃、何かあった?」
『べ、別に私は主婦の仕事をちゃんとしたいだけよ、良一にはいつも働いてもらっているんだし。』
実は妻の藤澤綾乃(あやの:30歳)は普段あまり表には出さないが、仕事で頑張っている夫の藤澤良一(りょういち:37歳)に対して、自分の事で心配を掛けないように心掛けている。それが夫を支える妻としての正しい姿勢だと思っていたからだ。
だから綾乃は結婚してからは、少々の悩みなどは自分の中に閉じ込めて1人で消化していた。また、少しばかり体調が悪くても良一には気付かれないように笑顔を作っていたりしていた。そのため一度だけ、綾乃が風邪を患っていた時に、良一にそれを隠して無理に家事をしていたためにダウンしてしまった事がある。その時は良一に「夫婦なんだから変な気は使わなくていい。」と凄く怒られた。
そういうところは綾乃の長所でもあり短所でもあるのだが、ある意味それが根は優しくて真面目な綾乃らしい所でもあった。
『良一、少し睡眠摂った方がいいんじゃない?寝てないんでしょ?』
「あぁ、そうだな、すごく眠いわ。綾乃はいいのか?昨日は遅かったんだろ?」
『え?わ、私は大丈夫よ!昨日は結局良一と電話した後すぐにお開きになったから・・。』
しかし、正直に言えば綾乃も眠かった。
実はベッドに入ってからも殆ど眠れなかった綾乃。その理由を、とても綾乃の口から夫の良一に言えるようなものではない。そう・・・昨日ベランダで、隣のあの音を盗み聞きをした後、綾乃は、どうしようもなく熱くなってしまい。その火照った身体をベッドの中で自分で慰めていたのだ。綾乃にとっては久しぶりの自慰行為(オナニー)であった。それは思い出すだけで、綾乃の頬はポッとピンク色に染まる。
「ん?どうしたんだ綾乃?顔が赤いけど・・。」
『・・・え!ううん!なんでもないよっ。』
恥ずかしい・・・余計な心配を掛けたくない・・・いや、それ以前の問題として綾乃がそれを夫の良一に言える訳がないのだ。なぜなら綾乃は昨日の夜、良一以外の男性の事を考えながら自分を慰めてしまったのだから・・・。
『・・・はぁ・・・。』綾乃(あやの:30歳)はため息混じりに頭を抱えていた。昨日の出来事がどうしても頭から離れない。それに昨夜ベッドの中で1人でした事もである。愛する夫以外の男性を想像しながらしてしまった事への罪悪感も綾乃を悩ませていた。
非日常的な体験・記憶から早く脱したいと思っていても、ふと気付いた時には昨日三浦智(さとし:33歳)に言われた事やベランダで盗み聞きした時の事を考えてしまっている。それ程に昨日の体験は綾乃にとって衝撃的で刺激的な出来事として記憶に刻み込まれてしまっていたのだ。
《そう・・・時間が経てばきっと忘れる事ができる・・・でも、なるべく早く忘れたい…いいえ、早くこんな事忘れないといけないわ・・・》そんな事を考えながら綾乃は日常通りの家事を続けていた。しかし家事をする事で気を紛らわそうとしても、やはりあの記憶は・・頭から簡単には離れてくれない。
2016/01/22
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