長U〖綾乃の想い〗第3章その3 17
長U〖綾乃の想い〗第3章その3 17
『恭子さんも、変っているわね・・・。』そんな事を呟きながら、綾乃はミネラルウォーターのボトルを片手に何気なくリビングから窓の外を見た。『あらやだ!洗濯物がっ!』ベランダに良一のシャツを干したままにしていた事に気付いた藤澤綾乃(あやの:30歳)は、思わずそう声を上げ、慌てて窓を開けてベランダに出た。
『あ~ん、ちょっと湿気吸っちゃったかなぁ・・・明日もう一度陽に干さないと・・・。』干されていたシャツの生地を触り、残念そうにそう呟いた綾乃は、洗濯物を一度部屋に取りこむために物干し竿から外そうとした。・・と、その時だった。
《アッアッ・・・ンァ・・・ハァ・・・ダメ・・・ハァ・・・アッアッ・・・!》
『・・・!?』
何処からともなく聞こえてきた、誰かの声。
(・・・ぇ?・・・)
綾乃は洗濯物を手で掴んだまま動きを止める。そして、そのままその場で耳をすましてしまう。
《ァハァ・・・アンッ…アッアッスゴイ・・・ああ・・・。》
(これって・・・。)
その声が女性の喘ぎ声だという事にすぐ気付いた綾乃は思わず口に手を当てた。この喘ぎ声が恐らくあの行為の最中のものである事は、大人の女性である綾乃には当然簡単に予想の付く事である。
しかし綾乃が驚いている原因はそれだけではない。それはその女性の声に聞き覚えがあるという事と、その声は明らかに隣の部屋から聞こえてきていたからだった。(恭子さん・・・よね。)この声質、それに明らかに隣の部屋から聞えてきているという事実に、この声の主が篠原恭子(きょうこ:30歳)のものである事は明確だった。
隣のベランダとの間にはしっかりとした壁があるので向こうの部屋からこちらの姿が見えることはないだろう。しかし綾乃はその声が隣の恭子のものだと分かると、反射的にその場に隠れるようにしゃがみ込む。腕に洗濯物を抱えたまま、綾乃は先程恭子の部屋で聞いた2人の会話を思い出していた。
〔・・前までは毎日ヤリまくっていたのによ、俺が一日3発は出さないと気が済まない事は知っているだろ?・・・〕、《・・・わかった、分かったから、後で、ね?・・・》
三浦智(さとし:33歳)と恭子は恋人同士だ。もちろん、大人の2人がこういった行為をする事は当たり前である。それを盗み聞きするなんて常識的にやってはいけない事である事は綾乃はよく分かっていた。それに恭子は綾乃の大事な友達なのだから。
(・・・ダメよ・・・こんなの聞いていちゃ・・・。)そんな風に考えながらも、綾乃はまるで固まってしまったかのようにベランダにしゃがみ込んだまま動けずにいた。
《ァ・・・ハァ・・・アンッ…それダメだって…イヤ…ァ…アッアッ・・・。》
〔何がダメなんだよ・・・好きだろこれ?お前すっげぇ感じてんじゃん。〕
いつもの落ち着いている恭子とはまるで違う切羽詰まった甘い喘ぎ声です。三浦の恭子を責める言葉が、なんだかそれを聞いている綾乃に妙に臨場感を伝えてくるようだった。それにしても隣とはいえ、これ程までに声がハッキリ聞こえてきてしまうなんて。聞えているのは窓越しや壁越しに聞こえるような篭(こも)った声じゃない。まるで2人がすぐ隣にいるかのように声がクリアに聞こえる。
(・・・もしかして、窓開けてしていたり…するのかな?・・・)
《ハァ・・・ァ・・・。》
“チュパ…チュパ・・・”
粘着質な音と、微かに聞こえるギシギシというベッドの軋む生々しい音が聞こえてくる。綾乃は無意識の内にその音を聞く事だけに集中し始めてしまっている。集中をすればする程、声や音は鮮明に聞えてくる。
“グチャ…クチャ…ヌチャ…”
《ハァ・・・ハァ・・・ァ・・・。》
〔はっ・・・はあっ・・・うっ・・はっ・・。〕
2人の息遣いまで聞えてきそう。綾乃の頭の中にはすでに裸で抱き合う三浦と恭子の姿が鮮明に思い浮かんでいた。
“ドキドキドキドキドキ・・・”
速まる鼓動。思わず飲み込んだ生唾。初めて耳にした他人のSEX。(こんな事をしていたらダメ・・・)そんな風に思いながらも綾乃がそれを止める事ができないのには、明確な理由があった。ただ今はまだ、綾乃自身は自分のその気持ちに気付いていないだけ・・・。無意識の内に綾乃(あやの)の心の奥に芽生えていた気持ち。それは他人のSEXに対する強い好奇心だった。
2015/12/21
『恭子さんも、変っているわね・・・。』そんな事を呟きながら、綾乃はミネラルウォーターのボトルを片手に何気なくリビングから窓の外を見た。『あらやだ!洗濯物がっ!』ベランダに良一のシャツを干したままにしていた事に気付いた藤澤綾乃(あやの:30歳)は、思わずそう声を上げ、慌てて窓を開けてベランダに出た。
『あ~ん、ちょっと湿気吸っちゃったかなぁ・・・明日もう一度陽に干さないと・・・。』干されていたシャツの生地を触り、残念そうにそう呟いた綾乃は、洗濯物を一度部屋に取りこむために物干し竿から外そうとした。・・と、その時だった。
《アッアッ・・・ンァ・・・ハァ・・・ダメ・・・ハァ・・・アッアッ・・・!》
『・・・!?』
何処からともなく聞こえてきた、誰かの声。
(・・・ぇ?・・・)
綾乃は洗濯物を手で掴んだまま動きを止める。そして、そのままその場で耳をすましてしまう。
《ァハァ・・・アンッ…アッアッスゴイ・・・ああ・・・。》
(これって・・・。)
その声が女性の喘ぎ声だという事にすぐ気付いた綾乃は思わず口に手を当てた。この喘ぎ声が恐らくあの行為の最中のものである事は、大人の女性である綾乃には当然簡単に予想の付く事である。
しかし綾乃が驚いている原因はそれだけではない。それはその女性の声に聞き覚えがあるという事と、その声は明らかに隣の部屋から聞こえてきていたからだった。(恭子さん・・・よね。)この声質、それに明らかに隣の部屋から聞えてきているという事実に、この声の主が篠原恭子(きょうこ:30歳)のものである事は明確だった。
隣のベランダとの間にはしっかりとした壁があるので向こうの部屋からこちらの姿が見えることはないだろう。しかし綾乃はその声が隣の恭子のものだと分かると、反射的にその場に隠れるようにしゃがみ込む。腕に洗濯物を抱えたまま、綾乃は先程恭子の部屋で聞いた2人の会話を思い出していた。
〔・・前までは毎日ヤリまくっていたのによ、俺が一日3発は出さないと気が済まない事は知っているだろ?・・・〕、《・・・わかった、分かったから、後で、ね?・・・》
三浦智(さとし:33歳)と恭子は恋人同士だ。もちろん、大人の2人がこういった行為をする事は当たり前である。それを盗み聞きするなんて常識的にやってはいけない事である事は綾乃はよく分かっていた。それに恭子は綾乃の大事な友達なのだから。
(・・・ダメよ・・・こんなの聞いていちゃ・・・。)そんな風に考えながらも、綾乃はまるで固まってしまったかのようにベランダにしゃがみ込んだまま動けずにいた。
《ァ・・・ハァ・・・アンッ…それダメだって…イヤ…ァ…アッアッ・・・。》
〔何がダメなんだよ・・・好きだろこれ?お前すっげぇ感じてんじゃん。〕
いつもの落ち着いている恭子とはまるで違う切羽詰まった甘い喘ぎ声です。三浦の恭子を責める言葉が、なんだかそれを聞いている綾乃に妙に臨場感を伝えてくるようだった。それにしても隣とはいえ、これ程までに声がハッキリ聞こえてきてしまうなんて。聞えているのは窓越しや壁越しに聞こえるような篭(こも)った声じゃない。まるで2人がすぐ隣にいるかのように声がクリアに聞こえる。
(・・・もしかして、窓開けてしていたり…するのかな?・・・)
《ハァ・・・ァ・・・。》
“チュパ…チュパ・・・”
粘着質な音と、微かに聞こえるギシギシというベッドの軋む生々しい音が聞こえてくる。綾乃は無意識の内にその音を聞く事だけに集中し始めてしまっている。集中をすればする程、声や音は鮮明に聞えてくる。
“グチャ…クチャ…ヌチャ…”
《ハァ・・・ハァ・・・ァ・・・。》
〔はっ・・・はあっ・・・うっ・・はっ・・。〕
2人の息遣いまで聞えてきそう。綾乃の頭の中にはすでに裸で抱き合う三浦と恭子の姿が鮮明に思い浮かんでいた。
“ドキドキドキドキドキ・・・”
速まる鼓動。思わず飲み込んだ生唾。初めて耳にした他人のSEX。(こんな事をしていたらダメ・・・)そんな風に思いながらも綾乃がそれを止める事ができないのには、明確な理由があった。ただ今はまだ、綾乃自身は自分のその気持ちに気付いていないだけ・・・。無意識の内に綾乃(あやの)の心の奥に芽生えていた気持ち。それは他人のSEXに対する強い好奇心だった。
2015/12/21
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