長U〖綾乃の想い〗第2章その5 10
長U〖綾乃の想い〗第2章その5 10
《フフッ綾乃さん、なんか意外ってお顔されていますね。》
三浦の後から部屋に入ってきた恭子は笑顔でそう言った。
『え?別にそんな事ないけど・・・あ~でもちょっと正直に言うと予想外ではあるかもね。』
綾乃が片手を頬に当てながらそう言う。女性2人が顔を見合わせながら笑っているのを、三浦は何の事だか分からないといった様子で見ている。
〔え~なになに?俺の事?〕
《うん。綾乃さんはきっともっと違う感じの男性を予想していたんですよね?》
『う、うん…そうかな?』
〔へぇ~そっかぁ、どんな男だと想像していたんですか?〕
『え~っと・・・ん~もっとこう、真面目でお堅い感じかなぁって。』
〔え!?いやいやいや!俺超真面目ですって!え?真面目に見えないですか?〕
三浦が綾乃の言葉にオーバーとも言えるような大声で反応する。そんな三浦の反応を見て恭子はクスクス笑っていた。
《見えない見えない、智は絶対そんな風には見えなわよ。ですよねぇ?綾乃さん。》
『フフッ、ちょっとね。』
三浦が来てからの恭子の表情はとても明るかった。それはきっとこの三浦という男を本当に好いているのだろう。それを見ていて綾乃はなんだか微笑ましかった。
〔うわぁマジかよぉ、俺そんな印象かよぉ・・・でもまぁ、俺も意外だったけどな、恭子がこんな綺麗な奥さんと友達になっているなんてさ。〕
三浦はそう言って笑みを浮かべながら綾乃の顔を見た。
『ぇ・・・そ、そんな事・・・。』
急に綺麗な奥さんなどと言われて、綾乃は恥ずかしくなる。
《ダメよ智、綾乃さんには良一さんっていう素敵な旦那様がいるんだからね。》
〔わかっているって、別にそんな意味で言ってないよ。まぁでも、奥さん普通にモテるでしょ?だってマジで美人だもんね。〕
『え~全然そんな事ないですよぉ、ホントに。』
綾乃はそう謙遜しながら、頭の中で(きっと三浦さんは色んな女性に同じような事を言っているだろうなぁ)と思っていた。それは三浦の話し方や態度が、女性の扱いに慣れているような感じがしたからだ。まだ会って数分だが、綾乃にはそれがなんとなく分かる。
そして綾乃はこうも思っていた。(・・・良一とは全く逆のタイプだなぁ・・・)と。綾乃が初め
て出会った頃の良一は、女性の前では眼を見てまともに話もできないような、そんなちょっと頼りない男だった。
そして友達から始まって1年くらいで、ようやく何の気なしに話せるようになり、その頃から2人の関係は徐々に近づいていきます。それで結局出会ってから1年半後に綾乃と良
一は付き合い始めたのだ。綾乃にとっては人生で2人目の恋人だったが、良一にとっては綾乃が初めてできた恋人だったらしい。
そんな初々しい良一が少し綾乃の母性本能をくすぐられるようでもあったし、同時に綾乃よりも勉強も仕事もできる良一が凄く頼もしくもあった。それから大した問題もなく数年
の付き合いの後、2人はごく自然な流れで結婚に至ったのだ。
〔こんな綺麗な奥さんで旦那さんがマジ羨ましいですよ。〕
『そんな・・・三浦さん、お世辞を言い過ぎですよ。それに恭子さんなんてもっとスッゴイ美人じゃないですか?』
良一は初めて会った女性にこんな事は絶対に言えない。その三浦の言葉を聞きながら、やっぱり全然違うタイプだと綾乃は思っていた。それがこの日、綾乃が初めて出会った三浦に対する第一印象だった。
2015/10/31
《フフッ綾乃さん、なんか意外ってお顔されていますね。》
三浦の後から部屋に入ってきた恭子は笑顔でそう言った。
『え?別にそんな事ないけど・・・あ~でもちょっと正直に言うと予想外ではあるかもね。』
綾乃が片手を頬に当てながらそう言う。女性2人が顔を見合わせながら笑っているのを、三浦は何の事だか分からないといった様子で見ている。
〔え~なになに?俺の事?〕
《うん。綾乃さんはきっともっと違う感じの男性を予想していたんですよね?》
『う、うん…そうかな?』
〔へぇ~そっかぁ、どんな男だと想像していたんですか?〕
『え~っと・・・ん~もっとこう、真面目でお堅い感じかなぁって。』
〔え!?いやいやいや!俺超真面目ですって!え?真面目に見えないですか?〕
三浦が綾乃の言葉にオーバーとも言えるような大声で反応する。そんな三浦の反応を見て恭子はクスクス笑っていた。
《見えない見えない、智は絶対そんな風には見えなわよ。ですよねぇ?綾乃さん。》
『フフッ、ちょっとね。』
三浦が来てからの恭子の表情はとても明るかった。それはきっとこの三浦という男を本当に好いているのだろう。それを見ていて綾乃はなんだか微笑ましかった。
〔うわぁマジかよぉ、俺そんな印象かよぉ・・・でもまぁ、俺も意外だったけどな、恭子がこんな綺麗な奥さんと友達になっているなんてさ。〕
三浦はそう言って笑みを浮かべながら綾乃の顔を見た。
『ぇ・・・そ、そんな事・・・。』
急に綺麗な奥さんなどと言われて、綾乃は恥ずかしくなる。
《ダメよ智、綾乃さんには良一さんっていう素敵な旦那様がいるんだからね。》
〔わかっているって、別にそんな意味で言ってないよ。まぁでも、奥さん普通にモテるでしょ?だってマジで美人だもんね。〕
『え~全然そんな事ないですよぉ、ホントに。』
綾乃はそう謙遜しながら、頭の中で(きっと三浦さんは色んな女性に同じような事を言っているだろうなぁ)と思っていた。それは三浦の話し方や態度が、女性の扱いに慣れているような感じがしたからだ。まだ会って数分だが、綾乃にはそれがなんとなく分かる。
そして綾乃はこうも思っていた。(・・・良一とは全く逆のタイプだなぁ・・・)と。綾乃が初め
て出会った頃の良一は、女性の前では眼を見てまともに話もできないような、そんなちょっと頼りない男だった。
そして友達から始まって1年くらいで、ようやく何の気なしに話せるようになり、その頃から2人の関係は徐々に近づいていきます。それで結局出会ってから1年半後に綾乃と良
一は付き合い始めたのだ。綾乃にとっては人生で2人目の恋人だったが、良一にとっては綾乃が初めてできた恋人だったらしい。
そんな初々しい良一が少し綾乃の母性本能をくすぐられるようでもあったし、同時に綾乃よりも勉強も仕事もできる良一が凄く頼もしくもあった。それから大した問題もなく数年
の付き合いの後、2人はごく自然な流れで結婚に至ったのだ。
〔こんな綺麗な奥さんで旦那さんがマジ羨ましいですよ。〕
『そんな・・・三浦さん、お世辞を言い過ぎですよ。それに恭子さんなんてもっとスッゴイ美人じゃないですか?』
良一は初めて会った女性にこんな事は絶対に言えない。その三浦の言葉を聞きながら、やっぱり全然違うタイプだと綾乃は思っていた。それがこの日、綾乃が初めて出会った三浦に対する第一印象だった。
2015/10/31
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