長U〖綾乃の想い〗第2章その2 07
長U〖綾乃の想い〗第2章その2 07
〖本当は些細な事でも相談できるような、恭子にとって信頼できるそんな友人になりたい。〗と、藤澤綾乃(あやの:30歳)がそんな風に考えていた時だった。♪~♪~♪~・・・綾乃の携帯の着信音が鳴った。少し慌てたように、携帯を手に取りディスプレイを確認する。
『あっ・・・。』
恭子からだ。
《もしもし綾乃さん?この前言っていた私の部屋での食事会の事なんですけど、彼が来週の土曜にでもって言っているんですけど、どうですか?》
突然掛かってきた電話、その恭子の声を聞いた瞬間綾乃の表情はパァっと笑顔に変った。
『うんうん!・・・え?土曜日?うんオッケー大丈夫よ、大丈夫だよね良一?』
「は?何が?」
少し興奮気味の妻の綾乃、電話の内容が分からない藤澤良一(37歳)には、綾乃が何のことを言っているのかサッパリ理解できない。
『土曜日よ!大丈夫よね?』
「いやだから何の事だよ、土曜日に何があるんだよ?」
『食事会よ!恭子さんと恭子さんの彼との、ほらこの前言っていたでしょ?』
「あ~あれね。…そう言ってくれないと分からないよ。」
『で?大丈夫でしょ?土曜日は。』
「あぁ大丈夫だよ、普通に仕事休みの日だし。」
『もしもし恭子さん?良一も大丈夫だって言ってるから・・・うん・・・うん・・・じゃあ来週の土曜で決まりね。』
綾乃が電話をしながら子供のように無邪気な笑顔を見せる。
『うん・・・うん・・・恭子さん凄い忙しそうよね・・・え~そんな事あるってぇ・・・きっと良一より忙しいと思うもの・・・うん・・・それでね、もしかして余計なお世話かもしれないけど、恭子さん夜ご飯とかどうしてるの?・・・うん・・・え?ほとんど外食?・・・やっぱり忙しいとそうなっちゃうよねぇ・・・。』
綾乃は所謂“世話好き”である。誰かのために何かをしたりするのが好きなのだ。それは学生時代から変らず、綾乃の長所の1つでもある。(短所かも・・・。)友達の誰かが風邪を引けばすぐに駆け付けたし、女友達の恋の悩みなどもよく聞いてあげていた。
『いいのいいの!いつでもこっちに食べにきてよね。』
その電話をした日から、綾乃と恭子は頻繁にメール交換をするようになり、夜には仕事を終えた恭子が私達の部屋へ食事に来る事も少しずつ増えていった。そのたびに、綾乃と恭子の女友達としての仲は急激に深まっていく。
最初の頃こそ、恭子はどこか気を遣い遠慮していた部分もあったのだが、すぐにそれは無くなり、今では仕事の悩みなども綾乃に気軽に相談してくる程だ。どうやらこの2人は色々面で気が合うらしい。そして、恭子の恋人がやってくる食事会の日も刻々と近づいていた。
2015/10/03
〖本当は些細な事でも相談できるような、恭子にとって信頼できるそんな友人になりたい。〗と、藤澤綾乃(あやの:30歳)がそんな風に考えていた時だった。♪~♪~♪~・・・綾乃の携帯の着信音が鳴った。少し慌てたように、携帯を手に取りディスプレイを確認する。
『あっ・・・。』
恭子からだ。
《もしもし綾乃さん?この前言っていた私の部屋での食事会の事なんですけど、彼が来週の土曜にでもって言っているんですけど、どうですか?》
突然掛かってきた電話、その恭子の声を聞いた瞬間綾乃の表情はパァっと笑顔に変った。
『うんうん!・・・え?土曜日?うんオッケー大丈夫よ、大丈夫だよね良一?』
「は?何が?」
少し興奮気味の妻の綾乃、電話の内容が分からない藤澤良一(37歳)には、綾乃が何のことを言っているのかサッパリ理解できない。
『土曜日よ!大丈夫よね?』
「いやだから何の事だよ、土曜日に何があるんだよ?」
『食事会よ!恭子さんと恭子さんの彼との、ほらこの前言っていたでしょ?』
「あ~あれね。…そう言ってくれないと分からないよ。」
『で?大丈夫でしょ?土曜日は。』
「あぁ大丈夫だよ、普通に仕事休みの日だし。」
『もしもし恭子さん?良一も大丈夫だって言ってるから・・・うん・・・うん・・・じゃあ来週の土曜で決まりね。』
綾乃が電話をしながら子供のように無邪気な笑顔を見せる。
『うん・・・うん・・・恭子さん凄い忙しそうよね・・・え~そんな事あるってぇ・・・きっと良一より忙しいと思うもの・・・うん・・・それでね、もしかして余計なお世話かもしれないけど、恭子さん夜ご飯とかどうしてるの?・・・うん・・・え?ほとんど外食?・・・やっぱり忙しいとそうなっちゃうよねぇ・・・。』
綾乃は所謂“世話好き”である。誰かのために何かをしたりするのが好きなのだ。それは学生時代から変らず、綾乃の長所の1つでもある。(短所かも・・・。)友達の誰かが風邪を引けばすぐに駆け付けたし、女友達の恋の悩みなどもよく聞いてあげていた。
『いいのいいの!いつでもこっちに食べにきてよね。』
その電話をした日から、綾乃と恭子は頻繁にメール交換をするようになり、夜には仕事を終えた恭子が私達の部屋へ食事に来る事も少しずつ増えていった。そのたびに、綾乃と恭子の女友達としての仲は急激に深まっていく。
最初の頃こそ、恭子はどこか気を遣い遠慮していた部分もあったのだが、すぐにそれは無くなり、今では仕事の悩みなども綾乃に気軽に相談してくる程だ。どうやらこの2人は色々面で気が合うらしい。そして、恭子の恋人がやってくる食事会の日も刻々と近づいていた。
2015/10/03
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