長U〖綾乃の想い〗第1章その5 05
長U〖綾乃の想い〗第1章その5 05
このマンションに1人暮らしできるという事は、彼女(篠原恭子)に余程経済的な余裕があるのだろう。想像するに、元々親がお金持ちとかそういう感じかもしれない。このマンションで1人暮らしなんて、一般的にはちょっと考え辛い。
しかし夫の藤澤良一(37歳)と妻の綾乃(あやの:30歳)は、恭子に悪い印象は持たなかった。いや寧ろ、恭子の端麗な顔立ちと礼儀正しさにその印象は抜群に良かった。今は2人共、この人ならお隣同士で良い関係が作れるのではないかと感じている
『じゃあ恭子さん一人で引越しは大変なんじゃないですか?何かわたしにできる事があれば手伝いますよ?』
その言葉は綾乃の恭子と仲良くしたい、そういう気持ちの表れであった。
《え?あ、でもそんな・・・悪いです。》
「いえ遠慮せずに言ってください。せっかくお隣になれたんですから。どうせうちの妻は昼間とかずっと暇なんで、どんどん使ってやってください。」
『ちょっと良一、暇ってのは言い過ぎなんじゃないのぉ?主婦を馬鹿にしているでしょ?・・・あ、でも恭子さん、本当に遠慮しないで言ってくださいね。重い物とかあったら全部うちの旦那がやりますからね。』
《フフッ、ありがとうございます。》
良一と綾乃のやり取りが面白かったのか、恭子はクスっと笑ってそうお礼を言った。
《あの、それじゃ夜遅くにすみませんでした。》
「いえいえ、これからよろしくお願いしますね、分からない事とか困った事とか何かあったら私達にいつでも言ってください。」
《はい、本当にありがとうございます・・・それでは。》
恭子はそう言って良一達に向かって頭を下げると、隣の自分の部屋へと戻っていこうとした。
『あっ・・・恭子さん!』
と、急に何かを思い出したように綾乃が篠原さんを呼び止めます。
《は、はい?》
綾乃の声で篠原さんが振り返った。
『あの・・夜ご飯・・・もう食べました?』
綾乃が作ったカレーを食べ終えた3人は、リビングで寛ぎながら話に花を咲かせています。
『え~凄い恭子さん、GDMって有名な会社だよね?』
「おいおい、有名なんてもんじゃないだろ?GDMグループと言えば世界でも有数の大企業じゃないか。若いのにGDMでそんな役職についているって事は、恭子さんは超エリートって事だよ。」
《い、いえそんな事・・・。」
初めて顔を合わせてからまだそれ程時間は経っていないのに、私達夫婦と恭子との距離感はとても親密なものになっています。特に綾乃はとても楽しそうに話していて、余程新たな出会いと友人ができた事が嬉しかったのだろう。
『第一線で活躍する働く恭子さんって凄いわ。わたし尊敬しちゃうわ。』
《いえそんな・・・でも良一さんと綾乃さんを見ていると凄く羨ましいです。とっても幸せそうで。》
お互いを下の名前で呼び合っているのは、篠原さんと同い歳であった綾乃がそうしようと提案したからだ。(綾乃は会ったときから下の名前で呼んでいたけど・・・。)
2015/09/19
このマンションに1人暮らしできるという事は、彼女(篠原恭子)に余程経済的な余裕があるのだろう。想像するに、元々親がお金持ちとかそういう感じかもしれない。このマンションで1人暮らしなんて、一般的にはちょっと考え辛い。
しかし夫の藤澤良一(37歳)と妻の綾乃(あやの:30歳)は、恭子に悪い印象は持たなかった。いや寧ろ、恭子の端麗な顔立ちと礼儀正しさにその印象は抜群に良かった。今は2人共、この人ならお隣同士で良い関係が作れるのではないかと感じている
『じゃあ恭子さん一人で引越しは大変なんじゃないですか?何かわたしにできる事があれば手伝いますよ?』
その言葉は綾乃の恭子と仲良くしたい、そういう気持ちの表れであった。
《え?あ、でもそんな・・・悪いです。》
「いえ遠慮せずに言ってください。せっかくお隣になれたんですから。どうせうちの妻は昼間とかずっと暇なんで、どんどん使ってやってください。」
『ちょっと良一、暇ってのは言い過ぎなんじゃないのぉ?主婦を馬鹿にしているでしょ?・・・あ、でも恭子さん、本当に遠慮しないで言ってくださいね。重い物とかあったら全部うちの旦那がやりますからね。』
《フフッ、ありがとうございます。》
良一と綾乃のやり取りが面白かったのか、恭子はクスっと笑ってそうお礼を言った。
《あの、それじゃ夜遅くにすみませんでした。》
「いえいえ、これからよろしくお願いしますね、分からない事とか困った事とか何かあったら私達にいつでも言ってください。」
《はい、本当にありがとうございます・・・それでは。》
恭子はそう言って良一達に向かって頭を下げると、隣の自分の部屋へと戻っていこうとした。
『あっ・・・恭子さん!』
と、急に何かを思い出したように綾乃が篠原さんを呼び止めます。
《は、はい?》
綾乃の声で篠原さんが振り返った。
『あの・・夜ご飯・・・もう食べました?』
綾乃が作ったカレーを食べ終えた3人は、リビングで寛ぎながら話に花を咲かせています。
『え~凄い恭子さん、GDMって有名な会社だよね?』
「おいおい、有名なんてもんじゃないだろ?GDMグループと言えば世界でも有数の大企業じゃないか。若いのにGDMでそんな役職についているって事は、恭子さんは超エリートって事だよ。」
《い、いえそんな事・・・。」
初めて顔を合わせてからまだそれ程時間は経っていないのに、私達夫婦と恭子との距離感はとても親密なものになっています。特に綾乃はとても楽しそうに話していて、余程新たな出会いと友人ができた事が嬉しかったのだろう。
『第一線で活躍する働く恭子さんって凄いわ。わたし尊敬しちゃうわ。』
《いえそんな・・・でも良一さんと綾乃さんを見ていると凄く羨ましいです。とっても幸せそうで。》
お互いを下の名前で呼び合っているのは、篠原さんと同い歳であった綾乃がそうしようと提案したからだ。(綾乃は会ったときから下の名前で呼んでいたけど・・・。)
2015/09/19
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