長U〖綾乃の想い〗第2章その9 14
長U〖綾乃の想い〗第2章その9 14
リビングから廊下へ出た藤澤綾乃(あやの:30歳)はさっそく携帯を開き、夫の藤澤良一(りょういち:37歳)に電話を掛けた。
『もしもし?良一さん?』
「あ~ごめん綾乃、色々と面倒な事が起きてさ、今日はまだ帰れそうにないんだよ。』
『え?大変なのね。大丈夫?』
「あ~いや、大丈夫だけど・・・少し時間が掛かりそうなだけだよ。たぶん明日の午前には帰れる思うけど。」
『そっかぁ・・・。』
「そっちは?食事会、楽しくやっているのかい?恭子さんの彼氏も来ているんだろ?」
『う、うん・・・。』
「じゃあまた明日にでも話聞かせてくれよ。あっ、そろそろ休憩も終わりなんだ。」
『うん、頑張ってね。』
「はいよ。」
良一との電話を終えた綾乃は、ゆっくりと携帯を閉じて、そのまま廊下で少し考えていた。夫が仕事で忙しい時に、自分だけ友人とお酒を楽しんでいるのがなんとなく申し訳ないような気がしていたのです。もう夜の11時を過ぎていた。
明日、良一が帰ってきたら、温かい食事と温かいお風呂を用意しておかないと・・これ以上飲み続けて二日酔いなんかになっていられない。綾乃は良一と結婚してからは外に働きには出ていない。
一生懸命働いてくれている良一のために、せめてそのサポートと家事だけはできるだけ完璧にやりたい。ストレスの多い社会で働く夫の良一が帰ってきた時に、安心できるような場所を用意してあげたい。それは綾乃が専業主婦として心に決めている事だった。(・・・そろそろ帰ろうかな・・・)そんな事を考えながら、綾乃はリビングのドアノブに手を掛ける。・・・と、ドアを開けようとした綾乃だったが、中から聞こえてきた声を聞きその動きを止める。
《ちょっとぉ・・・駄目よ・・・ァ・・・綾乃さん戻ってくるから・・・。》
篠原恭子(きょうこ:30歳)と三浦智(さとし:33歳)の会話が聴こえます。
〔いいじゃないか・・・もう何日もお預けくらっているんだぜ?〕
《ァン・・・だってそれは仕事で・・・。》
〔前までは毎日していたのによ・・・俺が一日3発は出さないと気が済まない事は知っているだろ?〕
《・・・ン・・・ァ・・・。》
〔そんな俺を1週間以上放置するとはな・・・今夜は覚悟しておけよ・・・。〕
《ハァ・・・ごめんなさい・・・でも・・・もうホントに綾乃さんが・・・。》
〔ぁあ?・・・あ~あの女か、なかなか美味そうな身体しているよな・・・。〕
『・・・!?』
綾乃は三浦のその言葉を聞いた瞬間からドアノブを握ったまま、固まってしまっていた。〔あの女・・・〕そういえば三浦がここに来た時も、自分(綾乃)の事を〔隣の人妻〕と呼んでいたのを思い出す。
それに先程までのセクハラすれすれの会話。あの視線、言葉使い。・・・三浦さんって・・・。食事をしていた時は話しをしていて楽しかったし、気さくで面白い人だと思っていた。しかし今の三浦の言動に、どうしても綾乃は三浦という男の人間性に疑念を抱かざるを得なかった。何か自分の女としての本能が、三浦に対して危険信号を出しているような気がする。
2015/11/28
リビングから廊下へ出た藤澤綾乃(あやの:30歳)はさっそく携帯を開き、夫の藤澤良一(りょういち:37歳)に電話を掛けた。
『もしもし?良一さん?』
「あ~ごめん綾乃、色々と面倒な事が起きてさ、今日はまだ帰れそうにないんだよ。』
『え?大変なのね。大丈夫?』
「あ~いや、大丈夫だけど・・・少し時間が掛かりそうなだけだよ。たぶん明日の午前には帰れる思うけど。」
『そっかぁ・・・。』
「そっちは?食事会、楽しくやっているのかい?恭子さんの彼氏も来ているんだろ?」
『う、うん・・・。』
「じゃあまた明日にでも話聞かせてくれよ。あっ、そろそろ休憩も終わりなんだ。」
『うん、頑張ってね。』
「はいよ。」
良一との電話を終えた綾乃は、ゆっくりと携帯を閉じて、そのまま廊下で少し考えていた。夫が仕事で忙しい時に、自分だけ友人とお酒を楽しんでいるのがなんとなく申し訳ないような気がしていたのです。もう夜の11時を過ぎていた。
明日、良一が帰ってきたら、温かい食事と温かいお風呂を用意しておかないと・・これ以上飲み続けて二日酔いなんかになっていられない。綾乃は良一と結婚してからは外に働きには出ていない。
一生懸命働いてくれている良一のために、せめてそのサポートと家事だけはできるだけ完璧にやりたい。ストレスの多い社会で働く夫の良一が帰ってきた時に、安心できるような場所を用意してあげたい。それは綾乃が専業主婦として心に決めている事だった。(・・・そろそろ帰ろうかな・・・)そんな事を考えながら、綾乃はリビングのドアノブに手を掛ける。・・・と、ドアを開けようとした綾乃だったが、中から聞こえてきた声を聞きその動きを止める。
《ちょっとぉ・・・駄目よ・・・ァ・・・綾乃さん戻ってくるから・・・。》
篠原恭子(きょうこ:30歳)と三浦智(さとし:33歳)の会話が聴こえます。
〔いいじゃないか・・・もう何日もお預けくらっているんだぜ?〕
《ァン・・・だってそれは仕事で・・・。》
〔前までは毎日していたのによ・・・俺が一日3発は出さないと気が済まない事は知っているだろ?〕
《・・・ン・・・ァ・・・。》
〔そんな俺を1週間以上放置するとはな・・・今夜は覚悟しておけよ・・・。〕
《ハァ・・・ごめんなさい・・・でも・・・もうホントに綾乃さんが・・・。》
〔ぁあ?・・・あ~あの女か、なかなか美味そうな身体しているよな・・・。〕
『・・・!?』
綾乃は三浦のその言葉を聞いた瞬間からドアノブを握ったまま、固まってしまっていた。〔あの女・・・〕そういえば三浦がここに来た時も、自分(綾乃)の事を〔隣の人妻〕と呼んでいたのを思い出す。
それに先程までのセクハラすれすれの会話。あの視線、言葉使い。・・・三浦さんって・・・。食事をしていた時は話しをしていて楽しかったし、気さくで面白い人だと思っていた。しかし今の三浦の言動に、どうしても綾乃は三浦という男の人間性に疑念を抱かざるを得なかった。何か自分の女としての本能が、三浦に対して危険信号を出しているような気がする。
2015/11/28
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