長U〖綾乃の想い〗第3章その2 16
長U〖綾乃の想い〗第3章その2 16
しかし2人からのその提案に、藤澤綾乃(あやの:30歳)はどうしても乗り気にはなれなかった。
『ご、ごめん私、明日は朝から色々とやらないといけない事あるから・・・。』
《朝からって、良一さんが帰って来るの?》
篠原恭子(きょうこ:30歳)がたずねる。
『う、うん、そうね・・・。』
〔旦那さん想いなんですねぇ、ますます旦那さんが羨ましいな。〕
本音か冗談なのか三浦智(さとし:33歳)がそう言った。
『そんなに大した事ではないんですよ。』
本当の理由はそれだけではない、三浦に対して生まれている警戒心が、早く自分の部屋に戻りたいという気持ちにさせていたは確かです。
《そうですかぁ。でもお隣同士なんだし、また何時でもできますよね・・。》
『そうね、またいつでもできるわ。』
〔次はぜひ旦那さんも。〕
片付けを終えた頃には時計は午前0時を回っていた。帰る綾乃を玄関まで見送りに来た三浦と恭子は仲良さげに肩を寄せ合っていて、まるで新婚の夫婦のようです。
《今日は美味しい料理ありがとうございました。》
『いえいえ、こちらこそ美味しいお酒ありがとうございます。』
〔奥さん、旦那さんに宜しく言っておいてくださいよ。〕
『はい。今日はホントに楽しかったです。それじゃおやすみなさい。』
《おやすみなさ~い。》
『おやすみ。』
軽く挨拶をして恭子の部屋を出た綾乃はすぐ隣、自分達の部屋のドアを開けて中に入っていった。『・・・ふぅ・・・。』と、自宅の玄関で綾乃が思わず深く息をつく。なんだか妙に綾乃
は疲れを感じていた。久しぶりにお酒に酔っているからだろうか?それとも三浦にあんな事を言われたからだろうか?
キッチンへ行き、冷蔵庫を開け、ボトルに入った冷えたミネラルウォーターを口に含む。
『・・・はぁ・・・。』と再びため息が出る。綾乃はアルコールで少し火照った身体がなんだかだるく感じる。
鏡に映っている火照った自分の顔を確認して、熱くなっている頬っぺたを手で触りながら、綾乃は三浦の言葉を思い出していた。・・・〔奥さんも色々と溜まるものもあるでしょう〕・・・
・・・〔美味そうな身体しているよなぁ〕・・・。
『・・・何言ってるのかしら・・・あの人・・・。』今1人になって冷静に考えてみればみる程、三浦という男が下品に思えてきた。三浦に言われた言葉を思い出すだけで、なんだか今まで感じた事のないような変な気分になる。不快感?嫌悪感?違う、そんなのじゃない。・・・
なんなのよ・・・。
まだ今日会っただけなのだが、綾乃にはどうしてあのような男性が恭子のような真面目な女性と恋仲になれたのか疑問に思えてきていた。もちろん、ああいった男性が恭子のタイプだというだけの話なのかもしれないが・・。
綾乃に対するセクハラ的な言葉も、もしかして三浦にとっては日常茶飯事でごく普通の挨拶のようなものなのかもしれない。それでもあんな事をストレートに男性に言われた事など綾乃は今までなかったのだから、驚いてしまっても仕方ないだろう。
綾乃はそんな事を考えると、何かちょっと、恭子と三浦が別の世界の人間であるかのように感じてしまう。同じ男性でも夫の藤澤良一(りょういち:37歳)とは全く違う人間性を感じる三浦、そしてその男を恋人として選んでいる恭子に距離を感じたのだ。
2015/12/14
しかし2人からのその提案に、藤澤綾乃(あやの:30歳)はどうしても乗り気にはなれなかった。
『ご、ごめん私、明日は朝から色々とやらないといけない事あるから・・・。』
《朝からって、良一さんが帰って来るの?》
篠原恭子(きょうこ:30歳)がたずねる。
『う、うん、そうね・・・。』
〔旦那さん想いなんですねぇ、ますます旦那さんが羨ましいな。〕
本音か冗談なのか三浦智(さとし:33歳)がそう言った。
『そんなに大した事ではないんですよ。』
本当の理由はそれだけではない、三浦に対して生まれている警戒心が、早く自分の部屋に戻りたいという気持ちにさせていたは確かです。
《そうですかぁ。でもお隣同士なんだし、また何時でもできますよね・・。》
『そうね、またいつでもできるわ。』
〔次はぜひ旦那さんも。〕
片付けを終えた頃には時計は午前0時を回っていた。帰る綾乃を玄関まで見送りに来た三浦と恭子は仲良さげに肩を寄せ合っていて、まるで新婚の夫婦のようです。
《今日は美味しい料理ありがとうございました。》
『いえいえ、こちらこそ美味しいお酒ありがとうございます。』
〔奥さん、旦那さんに宜しく言っておいてくださいよ。〕
『はい。今日はホントに楽しかったです。それじゃおやすみなさい。』
《おやすみなさ~い。》
『おやすみ。』
軽く挨拶をして恭子の部屋を出た綾乃はすぐ隣、自分達の部屋のドアを開けて中に入っていった。『・・・ふぅ・・・。』と、自宅の玄関で綾乃が思わず深く息をつく。なんだか妙に綾乃
は疲れを感じていた。久しぶりにお酒に酔っているからだろうか?それとも三浦にあんな事を言われたからだろうか?
キッチンへ行き、冷蔵庫を開け、ボトルに入った冷えたミネラルウォーターを口に含む。
『・・・はぁ・・・。』と再びため息が出る。綾乃はアルコールで少し火照った身体がなんだかだるく感じる。
鏡に映っている火照った自分の顔を確認して、熱くなっている頬っぺたを手で触りながら、綾乃は三浦の言葉を思い出していた。・・・〔奥さんも色々と溜まるものもあるでしょう〕・・・
・・・〔美味そうな身体しているよなぁ〕・・・。
『・・・何言ってるのかしら・・・あの人・・・。』今1人になって冷静に考えてみればみる程、三浦という男が下品に思えてきた。三浦に言われた言葉を思い出すだけで、なんだか今まで感じた事のないような変な気分になる。不快感?嫌悪感?違う、そんなのじゃない。・・・
なんなのよ・・・。
まだ今日会っただけなのだが、綾乃にはどうしてあのような男性が恭子のような真面目な女性と恋仲になれたのか疑問に思えてきていた。もちろん、ああいった男性が恭子のタイプだというだけの話なのかもしれないが・・。
綾乃に対するセクハラ的な言葉も、もしかして三浦にとっては日常茶飯事でごく普通の挨拶のようなものなのかもしれない。それでもあんな事をストレートに男性に言われた事など綾乃は今までなかったのだから、驚いてしまっても仕方ないだろう。
綾乃はそんな事を考えると、何かちょっと、恭子と三浦が別の世界の人間であるかのように感じてしまう。同じ男性でも夫の藤澤良一(りょういち:37歳)とは全く違う人間性を感じる三浦、そしてその男を恋人として選んでいる恭子に距離を感じたのだ。
2015/12/14
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