短Ⅳ1「写真を撮りたいな」パート18
パート17
2018/12/15
《やはり話は進んでいたか・・。》と、僕(高野和樹:たかの・かずき:34歳)はそう思いました。自分の妻(高野亜紀:たかの・あき:28歳)の生まれたままの姿を友人(川田辺政義:かわたべ・まさよし:34歳)に見られ、そればかりでなく妻を被写体として友人に差し出す、そんな感覚にとらわれます。《とりあえず亜紀に話をしてみよう。》と、僕はそう思い車を出しました。
自宅につくと亜紀はもう帰っています。あわてた様子で晩ご飯の準備を整えていました。
『お帰りなさい。』
亜紀が僕に呼びかけます。
『もうちょっと待って、すぐ支度できるからね。』
「いいよ、慌てなくても。」
僕は亜紀にそう言うと、部屋着に着替えに寝室まで行き、着替えながら、川田辺の話をどんな風に切り出したものか、そのことばかり考えていました。
リビングに戻るとすっかり晩ご飯の支度は調えられています。僕は座り、亜紀が来るのを待っていました。晩酌の習慣がないもので、亜紀は麦茶をグラスに入れ持ってきます。
『それじゃ食べよっか。』
亜紀はそう言うと箸を持ち、いただきますの格好をして、食事を始めました。僕は麦茶で
喉を潤すと妻と同じように食事を始めます。それからしばらくはテレビを見ながら食事をし、時折テレビのニュースへの感想などを話しながら、食事は進みました。
テレビがCMに入り、少し二人の間に沈黙が訪れます。
『川田辺君、何だったの?』
亜紀がいきなり切り出しました。僕がどうやって切り出したものか悩んでいた事を、妻の言葉が解決してくれました。
「ン・・・ン~ 撮影の話だよ。」
僕がそう言うと亜紀は何のことだかすぐには理解していないようでした。
しばらく沈黙したあとです。
『あ! あの話?』
亜紀は箸を置いてそう言いました。
「そう。その話。何でもスタッフと場所は確保したらしい。」
『そんなことなってるの?』
亜紀は少し僕に疑いの目を向けてきます。旦那が勝手に話を進めている、そう感じたのかもしれません。
「いや、俺だってびっくりだよ。今日電話でいきなり聞いたんだけど、まさか川田辺がそんな準備できるとは思っていなかったからさ。」
僕が少し慌てた感じで説明すると亜紀は納得したようでした。 パート19へ続く
2019/01/24
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