中Ⅲ1【嫁の経験】その10話
その9話 20190423
タクシーに名倉(雄司:なぐら・ゆうじ:41歳)支店長と乗り合い、まず先に支店長宅へ。すると〔寄っていかないか?〕と声をかけられます。それで僕(本条英俊:ほんじょう・ひでとし:33歳)は少しだけお邪魔をすることにしました。もう午前4時を過ぎていたと思います。
部屋は2DK。思いのほか整頓された室内でした。支店長は冷蔵庫から缶ビールを取り、ご馳走してくれます。〔なぁー。奥さん(本条靖子:ほんじょう・やすこ:31歳)て結構遊んでるのか?〕と支店長。「いや、今夜は子供もいないので・・・ 滅多にないことですよ」と僕。ビールを1缶飲み終えた頃に嫁(本条靖子)からの電話が鳴りました。
『どこ?』って嫁。「支店長のお宅にお邪魔してるんだ。君はどこ?」と僕。『今、店出たところ。じゃあ、先に帰ってるよ。』って嫁。「わかった。俺もそろそろ・・・。」と僕が口にした時に〔奥さんも来ればいいのに~ 飲みましょうよ~〕と靖子に聞こえる様に支店長は言った。
嫁もタクシーで支店長宅に来る事になり、名倉支店長が〔奥さん、ビールでいいよな。ちょっとコンビニ行ってくるよ。〕、「いや! 僕が行きます! 嫁はビールよりワインが好きでして・・。」と咄嗟に嘘をついて僕はコンビニに向いました。
徒歩で5分程度と聞いた道のりをゆっくりと歩きながら靖子にラインを送ります。「鈴木(浩介:すずき・こうすけ:33歳)とは? ただ飲んだだけ?」すると、すぐに返信があった『うん。』、「残念・・・。」と送り返すと嫁が『キスはしたよ。』って答えた。
僕はコンビニに着き、ビールとワイン、ツマミを購入し立ち読みを始めます。《支店長の自宅には、嫁はとっくに着いているはず・・・。お互いに酔っているし、そこで何かあったら面白いな・・・。》そんな考えが浮かびました。支店長宅を出て30分は経った頃です。そんなときに名倉支店長から着信がありました。
〔どうした? 今どこだ?〕
「すみません。気持ち悪くなってしまって・・・。もうすぐ帰ります。」
僕はまた、時間をかけて支店長宅に戻ります。
〔平気か?〕
「すいません。吐いたらスッキリしました。」
すでに着いていた嫁は僕の企みを見透かした表情でした。買って来たビールとワインも全部を飲みきれずに靖子がダウンします。支店長のベッドを借りて横にならせてもらった。
〔お前も寝るか?〕
「いや、暫くしたら連れて帰ります。」 その11話に続く
20190424
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