《妻とおじさん 第3回》
長B《妻とおじさん 第3回》
三人で家に向かいながら、小林さんは、自身の事を話し始めます。
《オレは、秋田の出身で、中学しか出てねぇんだ…親父とお袋は町で食堂をやってたが、お袋が、癌で死んで、親父も、もういねぇ…俺32の時、結婚して息子が一人おるが、かぁちゃんが死んでからは、あんまり顔を見せねぇ。》
『奥さんって、ようこって名前よね?いつ亡くなったの?』
《5年くらい前だ…いきなり死んじゃてよ…ちょっと太ってたからなぁ…心筋梗塞だ。》
『わたしの父は、くも膜下出血だったのよ。』と真希(まき)が話す。
《お嬢ちゃんの親父さんいないのか?》
「真希が中学の時にね。」と私が言い添える。
《そうかぁ…中学の時…兄ちゃん、やさしくしてやんなきゃぁ。》
『うちの旦那さんはやさしいよ。』
《そうかぁ、いいなぁ。可愛がってもらって。》
「毎晩可愛がっているよ。なぁ真希!」
『馬鹿!なに言っているのよ、変なこと言わないでよ。』
《恥ずかしいことじゃないよ…毎晩かぁ…いいなぁ…俺なんか、母ちゃん死んでからは、センズリ(オナニー)だけだ。ハハハハ。》
『センズリ?』意味が分からない妻の真希。
《センズリも知らねぇか?》
「ハハハハハハハハ」
『何よ!何?あなた、いやらしい事?何?』
「男のオナニーのことだよハハハ。」
『やだーもう!』
《仕方ないよ…母ちゃんがいねぇんだから》
『あのね。今でも?還暦でしょ?』って真希が小林さんに尋ねた。
「あっ、俺もそれ聞きたい!後学の為にさ。」
《はぁ?げほっ(馬鹿)!還暦でも、あっちはピンピンだ!若い時みたいにはいかないがな…》
なぁ。》
「へぇーそうかぁーバイアグラなんて要らないんだ…。」
《オレの仲間で呑んでる奴もいるがな…母ちゃんがいる奴は、薬呑んでも頑張るよ。》
『ねぇ~おじさんは、奥さん…亡くなってからは?』
《ハハハハ…だから、センズリだって…母ちゃんの写真の前でな、ハハハ…。》
《お嬢ちゃん達は結婚してどのくらいなんだ?》
『四年目よ…。』
《あぁーいい頃だなぁ…兄ちゃん、嫁さんだいぶ覚えてきただろう?》
「えへへ…熟れてきた……かな?」とおじさんに合わせる。
『馬鹿ね!…やめてよ。』
《いいじゃないか…夫婦なんだから…なにやってもいいんだよ。俺なんか、もっと母ちゃん、抱いてやればよかったと思ってるよ…もう遅いけどな…。》
『ようこさんを愛していたんだ…。』
《いなくなって、思っても、遅いけどな・・・。》
『母と反対ね…父が亡くなって、よく泣いてた…私もだけど・・。』
《亡くなると、良いときの想い出しか、思い出さないからなぁ…若い時なら、なおさらだ
…。》
「おじさん…若い時は何してたの?」
《オレなんか学がねぇから、働くだけだ…働いて、酒喰らって…今でもおんなじだなぁ…ハハハハ。》
三人で話しながら歩いていたら、
『おじさん、あそこが私達の家…。』
《えー!一軒家じゃねぇか!すげぇなぁ…兄ちゃんが建てたのか?》
「親父に金借りて、真希のお母さんにも借りて、後はローンだよ。」
《若いのにすげぇなぁ…。》
父親を亡くした真希は、どうも、小林さんと父親を重ね合わせていたようでした。そして、この事が、小林さんと私達夫婦の係わりの始まりでもありました。今にして思えば…この小林さんの風貌…話し方…生い立ち…心情…すべてが妻・真希の【琴線】に触れたのです。
2014/10/25
三人で家に向かいながら、小林さんは、自身の事を話し始めます。
《オレは、秋田の出身で、中学しか出てねぇんだ…親父とお袋は町で食堂をやってたが、お袋が、癌で死んで、親父も、もういねぇ…俺32の時、結婚して息子が一人おるが、かぁちゃんが死んでからは、あんまり顔を見せねぇ。》
『奥さんって、ようこって名前よね?いつ亡くなったの?』
《5年くらい前だ…いきなり死んじゃてよ…ちょっと太ってたからなぁ…心筋梗塞だ。》
『わたしの父は、くも膜下出血だったのよ。』と真希(まき)が話す。
《お嬢ちゃんの親父さんいないのか?》
「真希が中学の時にね。」と私が言い添える。
《そうかぁ…中学の時…兄ちゃん、やさしくしてやんなきゃぁ。》
『うちの旦那さんはやさしいよ。』
《そうかぁ、いいなぁ。可愛がってもらって。》
「毎晩可愛がっているよ。なぁ真希!」
『馬鹿!なに言っているのよ、変なこと言わないでよ。』
《恥ずかしいことじゃないよ…毎晩かぁ…いいなぁ…俺なんか、母ちゃん死んでからは、センズリ(オナニー)だけだ。ハハハハ。》
『センズリ?』意味が分からない妻の真希。
《センズリも知らねぇか?》
「ハハハハハハハハ」
『何よ!何?あなた、いやらしい事?何?』
「男のオナニーのことだよハハハ。」
『やだーもう!』
《仕方ないよ…母ちゃんがいねぇんだから》
『あのね。今でも?還暦でしょ?』って真希が小林さんに尋ねた。
「あっ、俺もそれ聞きたい!後学の為にさ。」
《はぁ?げほっ(馬鹿)!還暦でも、あっちはピンピンだ!若い時みたいにはいかないがな…》
なぁ。》
「へぇーそうかぁーバイアグラなんて要らないんだ…。」
《オレの仲間で呑んでる奴もいるがな…母ちゃんがいる奴は、薬呑んでも頑張るよ。》
『ねぇ~おじさんは、奥さん…亡くなってからは?』
《ハハハハ…だから、センズリだって…母ちゃんの写真の前でな、ハハハ…。》
《お嬢ちゃん達は結婚してどのくらいなんだ?》
『四年目よ…。』
《あぁーいい頃だなぁ…兄ちゃん、嫁さんだいぶ覚えてきただろう?》
「えへへ…熟れてきた……かな?」とおじさんに合わせる。
『馬鹿ね!…やめてよ。』
《いいじゃないか…夫婦なんだから…なにやってもいいんだよ。俺なんか、もっと母ちゃん、抱いてやればよかったと思ってるよ…もう遅いけどな…。》
『ようこさんを愛していたんだ…。』
《いなくなって、思っても、遅いけどな・・・。》
『母と反対ね…父が亡くなって、よく泣いてた…私もだけど・・。』
《亡くなると、良いときの想い出しか、思い出さないからなぁ…若い時なら、なおさらだ
…。》
「おじさん…若い時は何してたの?」
《オレなんか学がねぇから、働くだけだ…働いて、酒喰らって…今でもおんなじだなぁ…ハハハハ。》
三人で話しながら歩いていたら、
『おじさん、あそこが私達の家…。』
《えー!一軒家じゃねぇか!すげぇなぁ…兄ちゃんが建てたのか?》
「親父に金借りて、真希のお母さんにも借りて、後はローンだよ。」
《若いのにすげぇなぁ…。》
父親を亡くした真希は、どうも、小林さんと父親を重ね合わせていたようでした。そして、この事が、小林さんと私達夫婦の係わりの始まりでもありました。今にして思えば…この小林さんの風貌…話し方…生い立ち…心情…すべてが妻・真希の【琴線】に触れたのです。
2014/10/25
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