〖幸せを求めて〗 第3回
名E〖幸せを求めて〗 第3回
菊池と美月の初めての種付け日のことを私は一生忘れません。土曜の夕方、入浴をして身を清め、念入りに化粧をした妻は、菊池の指示で買っておいた黒いブラジャーと細い紐が食い込む小さな黒いスキャンティを身につけます。普段は普通の白い下着しか使ったことのない妻の美月は、しきりに恥ずかしがり、食い込むスキャンティの感触に顔を赤らめて太ももをよじらせていました。丸いヒップはほとんど露出していています。
私は強い興奮に襲われ美月に抱きついてキスをしようとしましたが、化粧がはげるからと拒否されてしまいました。そして妻は黙ってストッキングとミニスカートをはき白いブラウスをはおるとうつむいて小さな声で、『じゃ、あなた…頑張って…妊娠して…きますから…。』と告げました。その声が少し涙声になっていたのはまだ抗う気持ちが残っていたからでしょうか。すぐには出て行こうとせず、立ったまま私の返事を待っています。私は目を合わせず、妻を突き放すように、「ああ、行ってきなさい。」といいました。妻はそれを聞くとうつむいたまま黙って出て行きました。
その夜、私は一人部屋で身悶えるしかなかった。他に手がなかったとはいえ、妻を友人に差し出す…美月に対する済まない気持ちと、小さくなり怯えながらも出掛けて行った妻がこれから為す行為に対しての激しい嫉妬と興奮。
明日になれば妻の美月はどのような顔をして戻ってくるのか、種付け記録の報告内容はどのようなものなのか?そして自分がどれほどの興奮の底へと落ちて行くのか?という期待に、まるで全身が激しく勃起した性器になったような感覚になり自分を持て余していた。このままでは明日まで自分の精神が保てない…私は通らぬ喉に大量の酒を流しこみベッドに潜りこむことで無理やり眠りについた。
童顔に真っ赤な口紅を引いた妻が黒い下着で迫ってくる夢を見る。全身を汗で光らせ艶(なまめ)かしく挑発的なポーズを取っているのだが、なぜか私は妻の美月に触れることができない。口元に笑みを浮かべ、妖しい目つきで、悶え苦しんでいる私をじっと見つめている…。
ガチャリと玄関の扉を開ける音がして夢うつつから現実に引き戻されたときにはすでに翌日の昼前になっていた。パジャマのズボンがびしょびしょに濡れている。射精はしていないようだが、シーツにまで染みこむほどに分泌したものを片づける間もなく美月が寝室に入って来た。両膝をそろえてイスに腰掛けるとうつむいたまま小さな声で、『ただいま戻りました…。美月の子宮に…種付け…してもらって来ました…。』とつぶやくように報告する。あとで聞いた話だが、この露骨なあいさつは菊池に命じられたものらしい。
髪にブラシは入っているようだが化粧はしていない…風呂上がりのような姿の妻はストッキングを履いていなかった。非常に疲れ切った様子だが怒られた子供のように背筋を伸ばしてうなだれたままイスに座っている。ふとハンドバッグに手を伸ばすと中から小さなメモリーカードが入ったケースを取り出した。バッグの中に丸められたストッキングが見えた。
『これ…菊池さんがあなたにって…約束の物です…。』メモリーカードを受け取った私は居間にあるビデオデッキの方へ行こうとしたところ、『待って、やめて!あたしのいるところでは見ないで…お願い…お願いだから…。』と縋(すが)りついてきた。美月のいないときというと来週の種付けの日しかない。
仕方なく私はベッドに座り直すと、まっすぐに見つめながら妻の美月に話しかける。その姿は蛇が小さな雨蛙を追い詰めて命乞いを強要しているようだったかもしれない。
「どうだったの?」
『…菊池さんのは大きくて…とても…痛かった…。』
「何回仕込んでもらった?」
『…わからないわ…それはビデオで…見て…。』
「気持ち良かったか?…」
それに対して美月は答えず、きゅっと体を強張らせた。太ももを締めつけている。体が感触を思い出しているのだろうか?
2014/12/03
菊池と美月の初めての種付け日のことを私は一生忘れません。土曜の夕方、入浴をして身を清め、念入りに化粧をした妻は、菊池の指示で買っておいた黒いブラジャーと細い紐が食い込む小さな黒いスキャンティを身につけます。普段は普通の白い下着しか使ったことのない妻の美月は、しきりに恥ずかしがり、食い込むスキャンティの感触に顔を赤らめて太ももをよじらせていました。丸いヒップはほとんど露出していています。
私は強い興奮に襲われ美月に抱きついてキスをしようとしましたが、化粧がはげるからと拒否されてしまいました。そして妻は黙ってストッキングとミニスカートをはき白いブラウスをはおるとうつむいて小さな声で、『じゃ、あなた…頑張って…妊娠して…きますから…。』と告げました。その声が少し涙声になっていたのはまだ抗う気持ちが残っていたからでしょうか。すぐには出て行こうとせず、立ったまま私の返事を待っています。私は目を合わせず、妻を突き放すように、「ああ、行ってきなさい。」といいました。妻はそれを聞くとうつむいたまま黙って出て行きました。
その夜、私は一人部屋で身悶えるしかなかった。他に手がなかったとはいえ、妻を友人に差し出す…美月に対する済まない気持ちと、小さくなり怯えながらも出掛けて行った妻がこれから為す行為に対しての激しい嫉妬と興奮。
明日になれば妻の美月はどのような顔をして戻ってくるのか、種付け記録の報告内容はどのようなものなのか?そして自分がどれほどの興奮の底へと落ちて行くのか?という期待に、まるで全身が激しく勃起した性器になったような感覚になり自分を持て余していた。このままでは明日まで自分の精神が保てない…私は通らぬ喉に大量の酒を流しこみベッドに潜りこむことで無理やり眠りについた。
童顔に真っ赤な口紅を引いた妻が黒い下着で迫ってくる夢を見る。全身を汗で光らせ艶(なまめ)かしく挑発的なポーズを取っているのだが、なぜか私は妻の美月に触れることができない。口元に笑みを浮かべ、妖しい目つきで、悶え苦しんでいる私をじっと見つめている…。
ガチャリと玄関の扉を開ける音がして夢うつつから現実に引き戻されたときにはすでに翌日の昼前になっていた。パジャマのズボンがびしょびしょに濡れている。射精はしていないようだが、シーツにまで染みこむほどに分泌したものを片づける間もなく美月が寝室に入って来た。両膝をそろえてイスに腰掛けるとうつむいたまま小さな声で、『ただいま戻りました…。美月の子宮に…種付け…してもらって来ました…。』とつぶやくように報告する。あとで聞いた話だが、この露骨なあいさつは菊池に命じられたものらしい。
髪にブラシは入っているようだが化粧はしていない…風呂上がりのような姿の妻はストッキングを履いていなかった。非常に疲れ切った様子だが怒られた子供のように背筋を伸ばしてうなだれたままイスに座っている。ふとハンドバッグに手を伸ばすと中から小さなメモリーカードが入ったケースを取り出した。バッグの中に丸められたストッキングが見えた。
『これ…菊池さんがあなたにって…約束の物です…。』メモリーカードを受け取った私は居間にあるビデオデッキの方へ行こうとしたところ、『待って、やめて!あたしのいるところでは見ないで…お願い…お願いだから…。』と縋(すが)りついてきた。美月のいないときというと来週の種付けの日しかない。
仕方なく私はベッドに座り直すと、まっすぐに見つめながら妻の美月に話しかける。その姿は蛇が小さな雨蛙を追い詰めて命乞いを強要しているようだったかもしれない。
「どうだったの?」
『…菊池さんのは大きくて…とても…痛かった…。』
「何回仕込んでもらった?」
『…わからないわ…それはビデオで…見て…。』
「気持ち良かったか?…」
それに対して美月は答えず、きゅっと体を強張らせた。太ももを締めつけている。体が感触を思い出しているのだろうか?
2014/12/03
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