〖幸せを求めて〗 第14回
名E〖幸せを求めて〗 第14回
2カ月を過ぎたとき、菊池からある申し出がありました。〔木曜日から土曜日にかけて、(私に)美月との性交渉を持たないで欲しい。〕というのです。これは別に菊池が私を苦しめたいわけではなく、菊池は学生時代から潔癖症で、ラグビー部のキャプテンなのにやかんの水を回し飲みすることすらできなくて仲間から笑われていた男です。〔自分が(妻と)種付けするときに膣内に(私の)精液が残っているかもしれないと思うと気になる。〕というのです。学生時代からの菊池の性癖をよく知っている私はこれを承諾しました。
妻の美月は菊池のマンションから帰った日とその翌日は疲れていてセックスをしたがりません。これで私が美月を抱くチャンスは火曜日と水曜日の二日だけになってしまいました。しかしこの頃、妻は性交渉よりも手で私を攻めることに喜びを見出していました。私とのセックスでは逝くことができない体になってしまったということもあるかもしれませんが、それよりも、この行為にセックス以上の歓びと快楽を得ているようなのです。
こちらから持ちかけようとベッドの中で妻の下着の中に手を入れても、美月はすっと体勢を入れ替えて私のペニスを触り始めます。私をじらす楽しみも覚えました。優しい微笑みを浮かべながら私を擦っているかと思うとイク寸前で動きを緩めて、喘ぎ悶える私を見て『うふふふ…。』と笑っています。すっかり私の弱点を把握されてしまい、生かすも殺すも妻の思うがままになる。そして、妻との本格的な夫婦の営みは月に2・3度程度になっていきました。
私は、だんだんと妻の考えていることが読めるようになってきました。美月はお嬢様学校を卒業してすぐに年の離れた私と結婚してしまい、私は決して亭主関白タイプではないのですが、世間知らずで何もわからない上に元々男性に対して控えめな性格の妻は、何事においても私の決定に従うようにしていたのです。
勢い自然と目に見えない力関係のようなものができあがってしまっていたのですが、普段は自分を支配している者を今は指先一つで完全に支配している…そんな喜びを妻は味わっているようです。それと、弱いものに対する深い愛情…これは女性が子犬を可愛がる心理、はては母親が我が子を慈しむような気持ち…そういうのを含めて、美月の私に対する愛情が以前よりも更に強くなっていることを肌で感じます。
私もまた、観音様のように温かい笑みを浮かべながらも、瞳の奥に隠微で妖しい光を宿して私の体を玩ぶ妻、そして妻にキスをしながら、あるいは妻の指を口にくわえながら、あるいは柔らかい胸元に顔をうずめながら、与えられる絶頂は何物にも代えられない幸福と歓びです。
たまらなく切なくなって必死に甘えかかる私に対して妻の美月は愛しさを感じているようで、ベッドの中で私を慰めている最中に感極まったように『あなた!本当にかわいいわ!』と叫んでいきなりぎゅっと抱きしめキスの雨が降り注ぐこと度々です。そんなときに聞こえる妻の胸の鼓動と吐息は間違いなく性的興奮に酔っているときのもので、美月は私への一方的な愛撫で精神的絶頂感を味わっていることがよくわかります。
妻は菊池との交わりとオナニーで体の欲求を満たし、私との奇妙な性生活で心の性欲を満たしているのです。そうして私に対しての心の余裕を得た妻は、実生活でもやはり何かと私の考えに従うのは同じですが、どこか微妙に雰囲気が変わりました。
以前のように力関係から選択の余地なく従うというのではなく、どんな結果になろうとも私の考えを認めるというような妻の意志がまずあり、その上で夫である私を立てているというようです。
もちろん妻はそのようなことを口に出すはずもありませんが、私は温かく包まれる安心感を感じ取ることができます。私にとって、妻の美月は内面的にもまぶしいほどに優しく魅力的になり、私にとってますます大切な存在になりました。
2015/01/10
2カ月を過ぎたとき、菊池からある申し出がありました。〔木曜日から土曜日にかけて、(私に)美月との性交渉を持たないで欲しい。〕というのです。これは別に菊池が私を苦しめたいわけではなく、菊池は学生時代から潔癖症で、ラグビー部のキャプテンなのにやかんの水を回し飲みすることすらできなくて仲間から笑われていた男です。〔自分が(妻と)種付けするときに膣内に(私の)精液が残っているかもしれないと思うと気になる。〕というのです。学生時代からの菊池の性癖をよく知っている私はこれを承諾しました。
妻の美月は菊池のマンションから帰った日とその翌日は疲れていてセックスをしたがりません。これで私が美月を抱くチャンスは火曜日と水曜日の二日だけになってしまいました。しかしこの頃、妻は性交渉よりも手で私を攻めることに喜びを見出していました。私とのセックスでは逝くことができない体になってしまったということもあるかもしれませんが、それよりも、この行為にセックス以上の歓びと快楽を得ているようなのです。
こちらから持ちかけようとベッドの中で妻の下着の中に手を入れても、美月はすっと体勢を入れ替えて私のペニスを触り始めます。私をじらす楽しみも覚えました。優しい微笑みを浮かべながら私を擦っているかと思うとイク寸前で動きを緩めて、喘ぎ悶える私を見て『うふふふ…。』と笑っています。すっかり私の弱点を把握されてしまい、生かすも殺すも妻の思うがままになる。そして、妻との本格的な夫婦の営みは月に2・3度程度になっていきました。
私は、だんだんと妻の考えていることが読めるようになってきました。美月はお嬢様学校を卒業してすぐに年の離れた私と結婚してしまい、私は決して亭主関白タイプではないのですが、世間知らずで何もわからない上に元々男性に対して控えめな性格の妻は、何事においても私の決定に従うようにしていたのです。
勢い自然と目に見えない力関係のようなものができあがってしまっていたのですが、普段は自分を支配している者を今は指先一つで完全に支配している…そんな喜びを妻は味わっているようです。それと、弱いものに対する深い愛情…これは女性が子犬を可愛がる心理、はては母親が我が子を慈しむような気持ち…そういうのを含めて、美月の私に対する愛情が以前よりも更に強くなっていることを肌で感じます。
私もまた、観音様のように温かい笑みを浮かべながらも、瞳の奥に隠微で妖しい光を宿して私の体を玩ぶ妻、そして妻にキスをしながら、あるいは妻の指を口にくわえながら、あるいは柔らかい胸元に顔をうずめながら、与えられる絶頂は何物にも代えられない幸福と歓びです。
たまらなく切なくなって必死に甘えかかる私に対して妻の美月は愛しさを感じているようで、ベッドの中で私を慰めている最中に感極まったように『あなた!本当にかわいいわ!』と叫んでいきなりぎゅっと抱きしめキスの雨が降り注ぐこと度々です。そんなときに聞こえる妻の胸の鼓動と吐息は間違いなく性的興奮に酔っているときのもので、美月は私への一方的な愛撫で精神的絶頂感を味わっていることがよくわかります。
妻は菊池との交わりとオナニーで体の欲求を満たし、私との奇妙な性生活で心の性欲を満たしているのです。そうして私に対しての心の余裕を得た妻は、実生活でもやはり何かと私の考えに従うのは同じですが、どこか微妙に雰囲気が変わりました。
以前のように力関係から選択の余地なく従うというのではなく、どんな結果になろうとも私の考えを認めるというような妻の意志がまずあり、その上で夫である私を立てているというようです。
もちろん妻はそのようなことを口に出すはずもありませんが、私は温かく包まれる安心感を感じ取ることができます。私にとって、妻の美月は内面的にもまぶしいほどに優しく魅力的になり、私にとってますます大切な存在になりました。
2015/01/10
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