中18〚目覚め〛パート03
中18〚目覚め〛パート03
ある日、会社に、妻の瑠璃子(るりこ)の中学からの親友である古川怜奈(こがわ・れな)から連絡があった。〚今夜、瑠璃子に内緒で会いたい。〛との事だった。
怜奈は、タイプは違うが瑠璃子に負けないぐらいの美人で、TVCMのモデルやローカル番組のアシスタントなどをしている。イメージで言うと瑠璃子が“ひまわり”で怜奈は“バラ”という感じか。瑠璃子と同い年とは思えない様な色っぽい女性である。性格もかなり積極的な姉御肌タイプで、瑠璃子とはいろんな意味でいいコンビという感じだった。
待ち合わせ場所は、怜奈の行き付けのおしゃれなBARです。怜奈が僕(河村澄夫)に、しかも瑠璃子に内緒の用件って何だろうか・・・不安と期待でドキドキしていた。男ならあんな美人に呼び出されりゃ、誰でも期待するハズだ。それは僕の様なモテない男で、それを自覚していたとしても同じである。
しかーし、今の僕は違う!つい最近、オバさんと引き替えに、瑠璃子を失いかけた僕は《瑠璃子と夫婦でいられる幸せ》を改めて確認したばかりなので、もう絶対に瑠璃子を裏切らないという誓いを胸に店のドアを開けた。
怜奈は先に来ていて小さいテーブルに一人で座っていた。胸元の大きく開いた黒のワンピースという格好で長く綺麗な足を組み、肩肘をついてその上に小さい顔を乗せ携帯を見ている。僕が2、3歩近づくと、すぐに怜奈は気づいて僕に小さく手を振ってきた。すると店中の男の視線が僕に集中する。それだけ怜奈が注目されていたのだろう。僕は気分が良かった。
〚ゴメンなさい。急に呼び出したりして。〛
「いや、別にいいけど、用事って何?」
〚その前に何か飲みませんか?私ノド渇いちゃって。〛
怜奈はメニューを僕に見せた。カクテルはあまりよく判らなかったが、僕の方が年上だし怜奈に聞くのも恥ずかしかったので、聞いた事のある名前の奴(ギムレット)を注文したらすっごく甘い飲み物が出て来てビックリした。カクテル恐るべし・・・。
妻の瑠璃子は、僕がする他愛も無い話でも、〚澄夫君、すごーい!物知りー!〛と簡単に感動するので楽だが、怜奈の様なオシャレな女性には全く会話が出来なくなってしまう。
特にこの時はテーブルが小さかったので、僕は怜奈との距離が近すぎて恥ずかしくて顔がマトモに見られない。仕方なくコースターとかピーナッツとか見ながら話をしてた。
〚澄夫君、何か用事があって急いでいるんですか?〛
「いや、なんで?」
〚さっきから「用件はなに?」って何度も聞いてくるんだもん・・・。〛
「ああ、ゴメン。玲奈ちゃん。」
〚いえ、別に謝らなくても・・ただ、忙しいのに無理言っちゃって悪かったかなぁって思って。〛
「いや、そんな事全然ないよ。」
〚あの・・・私といるのって退屈ですか?〛
もしかするとその発言に深い意味は無いかもしれないが、そんな事言われたら男ならドキッとするだろう?僕はビックリして怜奈の顔を見てしまった。すると怜奈もコッチを見ていて、僕と目が合うと驚いたように顔を真っ赤にして俯いてしまった。《うわっ!ヤベー!怜奈みたいな美人がこんな顔したら破壊力ハンパじゃねーな》
「いや、十分楽しいよ。」
〚本当ですかぁ!嬉しい!・・・じゃぁ、また瑠璃子に内緒で会って欲しいって言ったら、どうします?〛
「も、もちろん喜んで会うよ。僕の方からお願いしたいくらいだよ。」
ニッコリ微笑む玲奈・・・再び、来店前に立てた誓いがアッサリ破られた瞬間だった。
2015/06/07
ある日、会社に、妻の瑠璃子(るりこ)の中学からの親友である古川怜奈(こがわ・れな)から連絡があった。〚今夜、瑠璃子に内緒で会いたい。〛との事だった。
怜奈は、タイプは違うが瑠璃子に負けないぐらいの美人で、TVCMのモデルやローカル番組のアシスタントなどをしている。イメージで言うと瑠璃子が“ひまわり”で怜奈は“バラ”という感じか。瑠璃子と同い年とは思えない様な色っぽい女性である。性格もかなり積極的な姉御肌タイプで、瑠璃子とはいろんな意味でいいコンビという感じだった。
待ち合わせ場所は、怜奈の行き付けのおしゃれなBARです。怜奈が僕(河村澄夫)に、しかも瑠璃子に内緒の用件って何だろうか・・・不安と期待でドキドキしていた。男ならあんな美人に呼び出されりゃ、誰でも期待するハズだ。それは僕の様なモテない男で、それを自覚していたとしても同じである。
しかーし、今の僕は違う!つい最近、オバさんと引き替えに、瑠璃子を失いかけた僕は《瑠璃子と夫婦でいられる幸せ》を改めて確認したばかりなので、もう絶対に瑠璃子を裏切らないという誓いを胸に店のドアを開けた。
怜奈は先に来ていて小さいテーブルに一人で座っていた。胸元の大きく開いた黒のワンピースという格好で長く綺麗な足を組み、肩肘をついてその上に小さい顔を乗せ携帯を見ている。僕が2、3歩近づくと、すぐに怜奈は気づいて僕に小さく手を振ってきた。すると店中の男の視線が僕に集中する。それだけ怜奈が注目されていたのだろう。僕は気分が良かった。
〚ゴメンなさい。急に呼び出したりして。〛
「いや、別にいいけど、用事って何?」
〚その前に何か飲みませんか?私ノド渇いちゃって。〛
怜奈はメニューを僕に見せた。カクテルはあまりよく判らなかったが、僕の方が年上だし怜奈に聞くのも恥ずかしかったので、聞いた事のある名前の奴(ギムレット)を注文したらすっごく甘い飲み物が出て来てビックリした。カクテル恐るべし・・・。
妻の瑠璃子は、僕がする他愛も無い話でも、〚澄夫君、すごーい!物知りー!〛と簡単に感動するので楽だが、怜奈の様なオシャレな女性には全く会話が出来なくなってしまう。
特にこの時はテーブルが小さかったので、僕は怜奈との距離が近すぎて恥ずかしくて顔がマトモに見られない。仕方なくコースターとかピーナッツとか見ながら話をしてた。
〚澄夫君、何か用事があって急いでいるんですか?〛
「いや、なんで?」
〚さっきから「用件はなに?」って何度も聞いてくるんだもん・・・。〛
「ああ、ゴメン。玲奈ちゃん。」
〚いえ、別に謝らなくても・・ただ、忙しいのに無理言っちゃって悪かったかなぁって思って。〛
「いや、そんな事全然ないよ。」
〚あの・・・私といるのって退屈ですか?〛
もしかするとその発言に深い意味は無いかもしれないが、そんな事言われたら男ならドキッとするだろう?僕はビックリして怜奈の顔を見てしまった。すると怜奈もコッチを見ていて、僕と目が合うと驚いたように顔を真っ赤にして俯いてしまった。《うわっ!ヤベー!怜奈みたいな美人がこんな顔したら破壊力ハンパじゃねーな》
「いや、十分楽しいよ。」
〚本当ですかぁ!嬉しい!・・・じゃぁ、また瑠璃子に内緒で会って欲しいって言ったら、どうします?〛
「も、もちろん喜んで会うよ。僕の方からお願いしたいくらいだよ。」
ニッコリ微笑む玲奈・・・再び、来店前に立てた誓いがアッサリ破られた瞬間だった。
2015/06/07
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