中24『愛の絆(きずな)』 第6回
中24『愛の絆(きずな)』 第6回
衝立の中で、稲沢詩音(しおん:28歳)が着替えをする。最初に真っ白なブラウスを身につけると、着ていたジーンズを足元に落とすと乳白色の長い素足が露わになった。その脚の表面を、黒のストッキングがするすると太腿へと上がっていく。
黒のスカートを手に取り、その肌触りにウットリとしたところで、聞き慣れた呼出のメロディが、詩音のバッグの中で鳴り始める。
(あら・・主人からだわ!)
詩音は着替え中であるにもかかわらず、携帯を手にした。
『あなた、私です。』
「・・・大変なことになった・・・会社が今日、倒産した・・・。」夫の稲沢信也(31歳)だ。
『な、なんですって・・・会社が倒産!・・』と詩音が思わず声を上げる。
「ああ、前から綱渡りの経営だったらしい・・・それがとうとうこんなことに・・・それで、従業員で組合を結成して退職金等の交渉を弁護士とやることになったんだ。しばらくは、帰れないが・・・今はやれるだけやるしかない。」
『そう・・そんなことに・・・あなた、こちらのことは心配しないで頑張って。あなた、無理はしないで、くれぐれも健康にだけは気をつけてね、お願いよ。無理しないでね。』
「うん、気をつけるよ・・・ご両親には詩音から話しておいてくれ。」
電話が切れた後、詩音は放心状態で立ちすくんでいた。弱々しい夫の声が蘇り、急に途轍もなく不安が押し寄せる・・・子供たちの養育費に家のローン、稼がなければならない時に夫が失業とは!詩音は夫を勇気づけたものの、予想できない将来に頭が真っ白になる。
〔大丈夫かい?・・・詩音ちゃん・・・聞こえたんだけど、旦那さんの会社が倒産だって?〕
『・・ええ・・・はい。』
小刻みに震える詩音の肩に、諸口の手が回った。
〔俺にできることがあれば相談に乗るよ・・とにかく、詳しく話してごらん。〕
諸口は放心状態の詩音を抱きかかえるようにして、ソファに座らせる。そして、ポツリポ
ツリと話す詩音の髪を撫で・・・時には抱きしめ勇気づける。そんな詩音の上半身は先ほど身につけた白のブラウス。着替え中だった下半身は白のショーツと黒のストッキングをつけただけの艶姿。そんな涎(よだれ)の出るような若妻の肢体に諸口が密着しているのだ。
〔俺の大事なパートナーになる詩音くん・・・心配しないで・・・な、詩音。〕
諸口の左腕に力が入り、詩音の上半身を抱き寄せ、右手が黒のストッキングの上をすべり始めている。気もそぞろの詩音は相談に乗ると言ってくれた諸口を信じて尚も話し続ける。
〔うん、よしよし・・・任せなさい、俺がなんとかしてあげる。〕
そう言うと、諸口は詩音の顎を引き寄せ、唇を奪おうとする。同時に右手がスーと膝から上に昇り、ショーツ越しに女陰を弄(いじ)った。
『・・・嫌、やめて!オーナー・・。』
2015/10/12
衝立の中で、稲沢詩音(しおん:28歳)が着替えをする。最初に真っ白なブラウスを身につけると、着ていたジーンズを足元に落とすと乳白色の長い素足が露わになった。その脚の表面を、黒のストッキングがするすると太腿へと上がっていく。
黒のスカートを手に取り、その肌触りにウットリとしたところで、聞き慣れた呼出のメロディが、詩音のバッグの中で鳴り始める。
(あら・・主人からだわ!)
詩音は着替え中であるにもかかわらず、携帯を手にした。
『あなた、私です。』
「・・・大変なことになった・・・会社が今日、倒産した・・・。」夫の稲沢信也(31歳)だ。
『な、なんですって・・・会社が倒産!・・』と詩音が思わず声を上げる。
「ああ、前から綱渡りの経営だったらしい・・・それがとうとうこんなことに・・・それで、従業員で組合を結成して退職金等の交渉を弁護士とやることになったんだ。しばらくは、帰れないが・・・今はやれるだけやるしかない。」
『そう・・そんなことに・・・あなた、こちらのことは心配しないで頑張って。あなた、無理はしないで、くれぐれも健康にだけは気をつけてね、お願いよ。無理しないでね。』
「うん、気をつけるよ・・・ご両親には詩音から話しておいてくれ。」
電話が切れた後、詩音は放心状態で立ちすくんでいた。弱々しい夫の声が蘇り、急に途轍もなく不安が押し寄せる・・・子供たちの養育費に家のローン、稼がなければならない時に夫が失業とは!詩音は夫を勇気づけたものの、予想できない将来に頭が真っ白になる。
〔大丈夫かい?・・・詩音ちゃん・・・聞こえたんだけど、旦那さんの会社が倒産だって?〕
『・・ええ・・・はい。』
小刻みに震える詩音の肩に、諸口の手が回った。
〔俺にできることがあれば相談に乗るよ・・とにかく、詳しく話してごらん。〕
諸口は放心状態の詩音を抱きかかえるようにして、ソファに座らせる。そして、ポツリポ
ツリと話す詩音の髪を撫で・・・時には抱きしめ勇気づける。そんな詩音の上半身は先ほど身につけた白のブラウス。着替え中だった下半身は白のショーツと黒のストッキングをつけただけの艶姿。そんな涎(よだれ)の出るような若妻の肢体に諸口が密着しているのだ。
〔俺の大事なパートナーになる詩音くん・・・心配しないで・・・な、詩音。〕
諸口の左腕に力が入り、詩音の上半身を抱き寄せ、右手が黒のストッキングの上をすべり始めている。気もそぞろの詩音は相談に乗ると言ってくれた諸口を信じて尚も話し続ける。
〔うん、よしよし・・・任せなさい、俺がなんとかしてあげる。〕
そう言うと、諸口は詩音の顎を引き寄せ、唇を奪おうとする。同時に右手がスーと膝から上に昇り、ショーツ越しに女陰を弄(いじ)った。
『・・・嫌、やめて!オーナー・・。』
2015/10/12
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