長Y〖彼女の恋〗パート28
長Y〖彼女の恋〗パート28
パート27
新島七海(ななみ)は仕事が終わったら僕(柴崎孝信)の部屋へ来て一泊し、朝迎えに来る高岡俊一たちの車で一緒に出発する予定になりました。それで僕は仕事を早めに終わらせ、明日へ意識が飛び飛びの中、早足で部屋へ戻ります。
明日の準備の最終チェックをしたり、2人分の夕飯を用意したりして待っていると携帯の着信音が・・それは七海からでした。《まさか?》って気持ちで電話に出ると。
『・・あっ、孝信くん?・・あのね、・・ごめんなんだけど・・・今日、行けなくなっちゃって・・・。』
《あーやっぱり・・》
「なんで?・・明日早いんだよ。・・なんか、最近多くない? こういうの・・。」
僕は普段は訊かないのですが、この時は思わず訊いてしまいました。
『・・・・あのね・・本当にごめんね・・ごめんなさい・・。・・あの、ちゃんと間に合うように行くから。』
「そうじゃなくてさ・・。」
このときは、もう僕は止まれませんでした・・
「・・なんか七海、変だよ。・・なにか、僕に隠し事をしてない。」
『・・あの・・・・・・「ぉぃっ!」・・あの、ごめんなさい。明日は、絶対に間に合うように行くから・・ごめんなさい。・・ガチャ・・。』
七海の無言の合間に小さく男の声が聴こえた気がしますた。慌てて切られた電話にイラっとして、七海の携帯にかけ直しましたが・・電源が・・入っていないか・・のコール・・。
「・・なんだよ・・これ・・。」
僕は明け方までよく眠れずウトウトした時です。ガチャガチャっ、玄関のドアを開ける音で目が覚めました。時計を見ると朝の6時前です。僕には誰だかすぐわかりましたが、わざと寝たフリをしました。
その誰かは僕の頭のところにしゃがんで僕の顔を覗き込んでいるようでした。そして、彼女のいつもの香りが僕にも届きます。
『・・ごめんね・・。』
小さな声が聴こえ、遠ざかる気配がしました・・。七海のことを判っていたつもりだったんですが・・後から思うと七海もこの時が一番辛かったようです。
しばらくして僕はそっと隣の部屋を覗こうと体を起こしました。新島七海は暗い部屋の中、一人掛けの簡易ソファに座っています。僕に気づいた七海は、スッと立ち上がってピンと立ち不安気な顔で僕を見つめていました。
『あっ・・孝信くん・・おはよぅ・・。』
「おはよう・・。」
『・・勝手に入ってごめんね・・。』
「そんなことはいい・・・理由(わけ)は?なに?」
『・・・・・・。』
「理由は話してくれないの?」
『あの、・・ごめんなさい・・。』
僕は昔、自分の嫉妬から七海を疑い、一度は別れ、傷つけたというのが心にあるので我慢してきたのですが・・
「話してくれないと、七海のこと信じられなくなる。」
『・・・・・・。』
無言で佇(たたず)む七海に僕は・・
「旅行中がリミットだよ。最近のおかしな行動をちゃんと説明してくれなかったら・・・・。」
『・・・・なかったら?』
「・・別れる。」
七海は顔をぐしゃぐしゃにして座り込んでしまいます。僕はそんな彼女を見つめるしかありませんでした。
2016/04/01
パート27
新島七海(ななみ)は仕事が終わったら僕(柴崎孝信)の部屋へ来て一泊し、朝迎えに来る高岡俊一たちの車で一緒に出発する予定になりました。それで僕は仕事を早めに終わらせ、明日へ意識が飛び飛びの中、早足で部屋へ戻ります。
明日の準備の最終チェックをしたり、2人分の夕飯を用意したりして待っていると携帯の着信音が・・それは七海からでした。《まさか?》って気持ちで電話に出ると。
『・・あっ、孝信くん?・・あのね、・・ごめんなんだけど・・・今日、行けなくなっちゃって・・・。』
《あーやっぱり・・》
「なんで?・・明日早いんだよ。・・なんか、最近多くない? こういうの・・。」
僕は普段は訊かないのですが、この時は思わず訊いてしまいました。
『・・・・あのね・・本当にごめんね・・ごめんなさい・・。・・あの、ちゃんと間に合うように行くから。』
「そうじゃなくてさ・・。」
このときは、もう僕は止まれませんでした・・
「・・なんか七海、変だよ。・・なにか、僕に隠し事をしてない。」
『・・あの・・・・・・「ぉぃっ!」・・あの、ごめんなさい。明日は、絶対に間に合うように行くから・・ごめんなさい。・・ガチャ・・。』
七海の無言の合間に小さく男の声が聴こえた気がしますた。慌てて切られた電話にイラっとして、七海の携帯にかけ直しましたが・・電源が・・入っていないか・・のコール・・。
「・・なんだよ・・これ・・。」
僕は明け方までよく眠れずウトウトした時です。ガチャガチャっ、玄関のドアを開ける音で目が覚めました。時計を見ると朝の6時前です。僕には誰だかすぐわかりましたが、わざと寝たフリをしました。
その誰かは僕の頭のところにしゃがんで僕の顔を覗き込んでいるようでした。そして、彼女のいつもの香りが僕にも届きます。
『・・ごめんね・・。』
小さな声が聴こえ、遠ざかる気配がしました・・。七海のことを判っていたつもりだったんですが・・後から思うと七海もこの時が一番辛かったようです。
しばらくして僕はそっと隣の部屋を覗こうと体を起こしました。新島七海は暗い部屋の中、一人掛けの簡易ソファに座っています。僕に気づいた七海は、スッと立ち上がってピンと立ち不安気な顔で僕を見つめていました。
『あっ・・孝信くん・・おはよぅ・・。』
「おはよう・・。」
『・・勝手に入ってごめんね・・。』
「そんなことはいい・・・理由(わけ)は?なに?」
『・・・・・・。』
「理由は話してくれないの?」
『あの、・・ごめんなさい・・。』
僕は昔、自分の嫉妬から七海を疑い、一度は別れ、傷つけたというのが心にあるので我慢してきたのですが・・
「話してくれないと、七海のこと信じられなくなる。」
『・・・・・・。』
無言で佇(たたず)む七海に僕は・・
「旅行中がリミットだよ。最近のおかしな行動をちゃんと説明してくれなかったら・・・・。」
『・・・・なかったら?』
「・・別れる。」
七海は顔をぐしゃぐしゃにして座り込んでしまいます。僕はそんな彼女を見つめるしかありませんでした。
2016/04/01
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