中Ⅱ10〖離婚の理由〗 第3回
中Ⅱ10〖離婚の理由〗 第3回
第2回
俺(大澤宗介:そうすけ)は妻の南美(みなみ)の寝顔を見ながら唖然とした。《普通こんな場では白状しないよな。白(しら)を切りとおして、最後の報告書を突きつけ、不倫相手を呼べ!・・・それから修羅場の果てに泣きながらだよな。》
気配を感じた南美が俺を見て涙を流しながら謝っています。俺は妻を抱きしめながら、うとうとして朝を迎えました。起きてからも何も言いません。言う必要も無いからです。
土曜日は九時過ぎから遅い朝食を採った。俺はテレビを見ながら、月曜以降のやり方を考えています。相手が清水汐里(しおり)さんであればどこまで説明をしようか・・・すると無意識に、腕を組み斜め上を見ながら考え事をしていた。
チラッと横を見ると南美が不安そうな顔で俺を見ています。南美にしてみると昨晩の強引なまでの行為といい、今朝の俺の態度といい「不倫がばれているぞ。」といつ切り出されるかと不安に思ったに違いありません。
「どうした?」
『宗介君がその格好をしている時は何かあるもん。怖いよ。』
南美は俺に引っ付いて離れようとしません。《ヤバイ! 戦闘モードが無意識に出ていた。今追い込むわけにはいかない。》慌てて、俺は
「週明け以降の仕事が立て込んでいて、どうしようかと考えていたんだ。」
と言い訳をしました。南美も少し安心したようですが、やはり離れようとしません。
その時電話が鳴り、南美が出ました。それは樺山さんからです。[相手と、月曜日の午後1時に会うことを約束しました。]との連絡でした。やはり相手は清水汐里さんです。これで懸案は一個減りました。俺は南美に、「仕事の目途が付いたよ。」と笑って話しかけました。
「南美、久しぶりに散歩に行こうか。帰りにどこかでランチでもしてこようか。」
『ホンと宗介君、南美うれしい!』
土曜、日曜日と南美とは仲良くマッタリと過ごします。久しぶりののんびりとした休日・・・いやそれは嵐の前の静けさでした。
俺は大澤宗介(46歳) 妻の南美(44歳)は会社員・課長 部下が10数名 結婚21年目、一人娘の明日香(あすか:19歳)は北海道の大学で青春を謳歌しています。定年後に札幌へ移住した祖父母のマンションに寄生中。
南美の不倫相手の清水祐樹は32歳 南美の部下で・主任。 清水の妻 汐里さん 29歳 結婚3年目で子供はいない。これからは俺の推測となる部分です。新入社員として、入社した時の教育係が、南美でした。南美から『有望な新人が入った。』と聞いたことがありましたので、清水の名前は知っています。
清水にしてみれば、仕事も家事もバリバリこなす。相談にも乗ってくれる先輩。そして美人で人妻。憧れや恋心を抱いても不思議はありません。俺もその立場なら憧(あこが)れます。北海道、九州と支店めぐりを4年間してきて戻ってきたのは2年前でした。戻ってきてみると、南美は42歳の熟れた体を持った女・・性的対象としても十分だったでしょう。
俺の会社は南美と清水君の会社(菅原物産)の大のお得意さんですので、多分俺の事も調べたと思います。昼行灯(ひるあんどん)の大澤とか三つ指ナマケモノのナマケモノが取れて三つ指と言えば、俺の名前が出るくらいです。一応肩書きは、総務部庶務二課の課長。仕事はなんかの調査をしているらしいとは社内の噂。女子社員の間では、“お茶を飲むのが一番の仕事よ”だそうだ。
清水にしてみると、〔何でこんなアホに僕の南美さんが?〕という敵対心を燃やしたのでしょう。〔僕のほうが南美にふさわしい〕と自負があったのは解ります。南美にしても後輩に頼られ母性本能と女の部分を擽(くすぐ)られ、飲み会か出張か何かの時に強引に関係が・・・それからずるずると関係が続いた。そんな気がします。 第4回へつづく
2016/05/21
第2回
俺(大澤宗介:そうすけ)は妻の南美(みなみ)の寝顔を見ながら唖然とした。《普通こんな場では白状しないよな。白(しら)を切りとおして、最後の報告書を突きつけ、不倫相手を呼べ!・・・それから修羅場の果てに泣きながらだよな。》
気配を感じた南美が俺を見て涙を流しながら謝っています。俺は妻を抱きしめながら、うとうとして朝を迎えました。起きてからも何も言いません。言う必要も無いからです。
土曜日は九時過ぎから遅い朝食を採った。俺はテレビを見ながら、月曜以降のやり方を考えています。相手が清水汐里(しおり)さんであればどこまで説明をしようか・・・すると無意識に、腕を組み斜め上を見ながら考え事をしていた。
チラッと横を見ると南美が不安そうな顔で俺を見ています。南美にしてみると昨晩の強引なまでの行為といい、今朝の俺の態度といい「不倫がばれているぞ。」といつ切り出されるかと不安に思ったに違いありません。
「どうした?」
『宗介君がその格好をしている時は何かあるもん。怖いよ。』
南美は俺に引っ付いて離れようとしません。《ヤバイ! 戦闘モードが無意識に出ていた。今追い込むわけにはいかない。》慌てて、俺は
「週明け以降の仕事が立て込んでいて、どうしようかと考えていたんだ。」
と言い訳をしました。南美も少し安心したようですが、やはり離れようとしません。
その時電話が鳴り、南美が出ました。それは樺山さんからです。[相手と、月曜日の午後1時に会うことを約束しました。]との連絡でした。やはり相手は清水汐里さんです。これで懸案は一個減りました。俺は南美に、「仕事の目途が付いたよ。」と笑って話しかけました。
「南美、久しぶりに散歩に行こうか。帰りにどこかでランチでもしてこようか。」
『ホンと宗介君、南美うれしい!』
土曜、日曜日と南美とは仲良くマッタリと過ごします。久しぶりののんびりとした休日・・・いやそれは嵐の前の静けさでした。
俺は大澤宗介(46歳) 妻の南美(44歳)は会社員・課長 部下が10数名 結婚21年目、一人娘の明日香(あすか:19歳)は北海道の大学で青春を謳歌しています。定年後に札幌へ移住した祖父母のマンションに寄生中。
南美の不倫相手の清水祐樹は32歳 南美の部下で・主任。 清水の妻 汐里さん 29歳 結婚3年目で子供はいない。これからは俺の推測となる部分です。新入社員として、入社した時の教育係が、南美でした。南美から『有望な新人が入った。』と聞いたことがありましたので、清水の名前は知っています。
清水にしてみれば、仕事も家事もバリバリこなす。相談にも乗ってくれる先輩。そして美人で人妻。憧れや恋心を抱いても不思議はありません。俺もその立場なら憧(あこが)れます。北海道、九州と支店めぐりを4年間してきて戻ってきたのは2年前でした。戻ってきてみると、南美は42歳の熟れた体を持った女・・性的対象としても十分だったでしょう。
俺の会社は南美と清水君の会社(菅原物産)の大のお得意さんですので、多分俺の事も調べたと思います。昼行灯(ひるあんどん)の大澤とか三つ指ナマケモノのナマケモノが取れて三つ指と言えば、俺の名前が出るくらいです。一応肩書きは、総務部庶務二課の課長。仕事はなんかの調査をしているらしいとは社内の噂。女子社員の間では、“お茶を飲むのが一番の仕事よ”だそうだ。
清水にしてみると、〔何でこんなアホに僕の南美さんが?〕という敵対心を燃やしたのでしょう。〔僕のほうが南美にふさわしい〕と自負があったのは解ります。南美にしても後輩に頼られ母性本能と女の部分を擽(くすぐ)られ、飲み会か出張か何かの時に強引に関係が・・・それからずるずると関係が続いた。そんな気がします。 第4回へつづく
2016/05/21
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