名I〖愛する人〗第2節4章第3話 [秋19]35
名I〖愛する人〗第2節4章第3話 [秋19]35
[秋18]34
僕(寺川匠真:てらかわ・たくま:36歳)は、妻(寺川絵里:てらかわ・えり:34歳=今日だけ山岸エリ)と佐々木和也(ささき・かずや:36歳)を交互に見ながら「まあ・・そうだが・・・佐々木・・ちょっと待ってくれ・・・!」と言ってから、前半のスコアカードに目を走らせて、十分に勝てそうなハンデを計算した。この場の全員の実力を知っているのは、僕だけである。前半の絵里のスコアは、奇跡だ。佐々木が言うハンデでは、三上浩二(みかみ・こうじ:35歳)と佐々木が本気を出せば負けてしまう。《もし負けたら、三上はともかく佐々木が何を言い出すのかわかったもんじゃない・・・、まあ、でも妻のことだから、得意の、『また今度ね』って上手く逃れるだろうが・・・》
僕が「ハンデは・・・これでどうだ・・これなら、いいぞ。」と佐々木に見せた。そのハンデを見ながら三上と佐々木が、うーん、と考える。少し間をおいて、佐々木が〚勝てる気がしないけど・・・まあ、いいよ・・軽いお遊びお遊び・・・何か目標があると、張り合いが出るからな・・・はははっ。〛と笑う。
妻がそれに口を挟み『フフッ・・なんだか楽しくなってきたわ・・それで、佐々木さん達が勝ったら・・・どんな命令するの?』《絵里よ・・・それを今、聞いてしまうのか・・・?》すると佐々木が少し焦りながら口を開き〚ええっ・・・と・・・そうだな・・・か、考えときます・・。〛《どうせ、エロいことに決まっているだろうが・・・今言わなくて正解だ、佐々木よ・・・それを言ってしまうと妻がドン引きするかもしれんぞ・・》と僕が思っていると・・・。
絵里がとんでもないことを言い出す。
『フフッ・・・じゃあ、三上さんと佐々木さんが勝ったら・・・わたしのどこでも好きなところ触らせてあげる・・・っていうのは・・どう?』
妻の口から信じられない言葉を聞いた男3人の動きが一斉に止まった。絵里が可愛く両手で頬杖をついて、ジーッと、向かいの席の三上と佐々木を笑顔で見つめている。
僕は、あまりの衝撃に口が開いたまま、妻の横顔を見てから、向かいの二人を見た。二人とも僕と同じようにポカーンと口を開いたまま固まっている。まるで、一時停止画像を見ているようだった。
『あれっ?・・・やっぱり、そんなのぜんぜん嬉しくないわよね・・・。』
って絵里が言い出す。
それで、佐々木が裏返った声で慌てて〚い・・いや・・ぜ・・ぜんぜん・・・う、う、うれしいです・・・それ・・・。〛と返答した。『フフッ・・よかったわ・・・。』って妻が嬉しそう。佐々木が僕の方を少し気にしてチラッと見てから〚ま、まじですか?・・・それ?〛と確認している。
三上の方は、まだ地蔵のように固まったままだ。あまりのショックに意識を失っているのかもしれない。僕も同じく固まったまま、絵里と佐々木のやりとりをまるで眠って夢でも見ているような感覚で聞いていた。 [秋20]36 へ続く
2017/03/16
[秋18]34
僕(寺川匠真:てらかわ・たくま:36歳)は、妻(寺川絵里:てらかわ・えり:34歳=今日だけ山岸エリ)と佐々木和也(ささき・かずや:36歳)を交互に見ながら「まあ・・そうだが・・・佐々木・・ちょっと待ってくれ・・・!」と言ってから、前半のスコアカードに目を走らせて、十分に勝てそうなハンデを計算した。この場の全員の実力を知っているのは、僕だけである。前半の絵里のスコアは、奇跡だ。佐々木が言うハンデでは、三上浩二(みかみ・こうじ:35歳)と佐々木が本気を出せば負けてしまう。《もし負けたら、三上はともかく佐々木が何を言い出すのかわかったもんじゃない・・・、まあ、でも妻のことだから、得意の、『また今度ね』って上手く逃れるだろうが・・・》
僕が「ハンデは・・・これでどうだ・・これなら、いいぞ。」と佐々木に見せた。そのハンデを見ながら三上と佐々木が、うーん、と考える。少し間をおいて、佐々木が〚勝てる気がしないけど・・・まあ、いいよ・・軽いお遊びお遊び・・・何か目標があると、張り合いが出るからな・・・はははっ。〛と笑う。
妻がそれに口を挟み『フフッ・・なんだか楽しくなってきたわ・・それで、佐々木さん達が勝ったら・・・どんな命令するの?』《絵里よ・・・それを今、聞いてしまうのか・・・?》すると佐々木が少し焦りながら口を開き〚ええっ・・・と・・・そうだな・・・か、考えときます・・。〛《どうせ、エロいことに決まっているだろうが・・・今言わなくて正解だ、佐々木よ・・・それを言ってしまうと妻がドン引きするかもしれんぞ・・》と僕が思っていると・・・。
絵里がとんでもないことを言い出す。
『フフッ・・・じゃあ、三上さんと佐々木さんが勝ったら・・・わたしのどこでも好きなところ触らせてあげる・・・っていうのは・・どう?』
妻の口から信じられない言葉を聞いた男3人の動きが一斉に止まった。絵里が可愛く両手で頬杖をついて、ジーッと、向かいの席の三上と佐々木を笑顔で見つめている。
僕は、あまりの衝撃に口が開いたまま、妻の横顔を見てから、向かいの二人を見た。二人とも僕と同じようにポカーンと口を開いたまま固まっている。まるで、一時停止画像を見ているようだった。
『あれっ?・・・やっぱり、そんなのぜんぜん嬉しくないわよね・・・。』
って絵里が言い出す。
それで、佐々木が裏返った声で慌てて〚い・・いや・・ぜ・・ぜんぜん・・・う、う、うれしいです・・・それ・・・。〛と返答した。『フフッ・・よかったわ・・・。』って妻が嬉しそう。佐々木が僕の方を少し気にしてチラッと見てから〚ま、まじですか?・・・それ?〛と確認している。
三上の方は、まだ地蔵のように固まったままだ。あまりのショックに意識を失っているのかもしれない。僕も同じく固まったまま、絵里と佐々木のやりとりをまるで眠って夢でも見ているような感覚で聞いていた。 [秋20]36 へ続く
2017/03/16
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