中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.5
中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.5
VOL.4
妻(義家茜音:よしいえ・あかね:24歳)は私(義家真一:よしいえ・しんいち:35歳)の表情がショックで曇ったのを察知したのか、慌てて謝ってきましたが、その日から一週間ほどはギクシャクします。結局、『友人との夜の付き合いは週一度にしてランチで集まるようにする、貴方に迷惑かけないようにする。』って茜音から提案され、謝罪されます。私は快く妻の提案を受け入れましたが、心の何処かで妻の事を疑い始めたのもこの頃でした。
それからは妻は主にランチで昼間に外出、週一度のディナーについてもきっちり午後9時には帰ってくるような生活に変わります。心なしか、以前よりも優しくなったような気もしましたし、私達は極めて良好な結婚生活に戻ることができました。一度抱いた疑念が私の思い過ごしだったのかも、と思い始めた時、事件は起こります。
いつものように一時間程の残業を終えて帰宅した時のこと。家のドアを開けた瞬間に違和感を感じました。乱れた靴、リビングに入ると既に外は寒くなり始めていたのに開き放たれた窓、そして開きっぱなしの寝室のドアの向こうには、乱れたベッドシーツ。綺麗好きな妻が居たとは思えない乱れた室内に唖然とします。
そこに茜音の姿はなく、事件か何かが起きたのかも、と本気で心配しました。私は妻の名前を呼びながら部屋中を探します。そしていよいよこれはもう警察に連絡するより手はない、と考え始めた時、やっと妻が帰ってきたのでした。
妻は若干息を切らしながらも、問い質す私に対して『何もないよ。』『ちょっと急に友人に呼び出されてそこまで行っていたの。』って繰り返すばかりです。私は納得がいかなかった。でも、茜音妻が無事であった事に安堵し、全身が脱力するようにその場にへたり込んでしまいました・・・情けない話です。
妻は大急ぎで部屋を片付けると、いつものように手際良く夕食を準備しました。私は努めて平静を保つように心がけ、自らの心を落ち着かせます。しかし夜ベッドに入った時に、どうしても説明のつかない一点に気が付きました。それはトイレの事です。
茜音の姿を探した時にトイレも見ましたが、その時確かに便座が全て上げられていたのです。女性なら蓋を開けるだけで便座まで上げる必要はありません。掃除をしていた、という理由も苦しいですし、兎に角乱れた室内と合わせても、明らかに不可解な部屋の状況に、再び私の疑念が湧き上がってきたのでした。
「他の誰かに抱かれてみては?」と言ったのは私です。今更妻を責めるつもりはありませんでした。しかし、いざ現実にそのような可能性を感じた時、私が取った行動は妻を問い質す、ということではありません。私の歪んだ性癖が真正直であろうとすべき私の倫理意識に勝ってしまった瞬間でした。
私はICレコーダーを寝室に仕掛けたのです。妻を、茜音を信じようとする心を、私の邪な性癖が打ち負かしてしまったのでした。嫁が居ない間にこっそりとレコーダーを仕掛けている最中、涙が出そうになります。自らに対する情けなさ、男として決して公に出来ない情けない姿を客観的に想像していたのでした。 VOL.6へ
2017/07/30
VOL.4
妻(義家茜音:よしいえ・あかね:24歳)は私(義家真一:よしいえ・しんいち:35歳)の表情がショックで曇ったのを察知したのか、慌てて謝ってきましたが、その日から一週間ほどはギクシャクします。結局、『友人との夜の付き合いは週一度にしてランチで集まるようにする、貴方に迷惑かけないようにする。』って茜音から提案され、謝罪されます。私は快く妻の提案を受け入れましたが、心の何処かで妻の事を疑い始めたのもこの頃でした。
それからは妻は主にランチで昼間に外出、週一度のディナーについてもきっちり午後9時には帰ってくるような生活に変わります。心なしか、以前よりも優しくなったような気もしましたし、私達は極めて良好な結婚生活に戻ることができました。一度抱いた疑念が私の思い過ごしだったのかも、と思い始めた時、事件は起こります。
いつものように一時間程の残業を終えて帰宅した時のこと。家のドアを開けた瞬間に違和感を感じました。乱れた靴、リビングに入ると既に外は寒くなり始めていたのに開き放たれた窓、そして開きっぱなしの寝室のドアの向こうには、乱れたベッドシーツ。綺麗好きな妻が居たとは思えない乱れた室内に唖然とします。
そこに茜音の姿はなく、事件か何かが起きたのかも、と本気で心配しました。私は妻の名前を呼びながら部屋中を探します。そしていよいよこれはもう警察に連絡するより手はない、と考え始めた時、やっと妻が帰ってきたのでした。
妻は若干息を切らしながらも、問い質す私に対して『何もないよ。』『ちょっと急に友人に呼び出されてそこまで行っていたの。』って繰り返すばかりです。私は納得がいかなかった。でも、茜音妻が無事であった事に安堵し、全身が脱力するようにその場にへたり込んでしまいました・・・情けない話です。
妻は大急ぎで部屋を片付けると、いつものように手際良く夕食を準備しました。私は努めて平静を保つように心がけ、自らの心を落ち着かせます。しかし夜ベッドに入った時に、どうしても説明のつかない一点に気が付きました。それはトイレの事です。
茜音の姿を探した時にトイレも見ましたが、その時確かに便座が全て上げられていたのです。女性なら蓋を開けるだけで便座まで上げる必要はありません。掃除をしていた、という理由も苦しいですし、兎に角乱れた室内と合わせても、明らかに不可解な部屋の状況に、再び私の疑念が湧き上がってきたのでした。
「他の誰かに抱かれてみては?」と言ったのは私です。今更妻を責めるつもりはありませんでした。しかし、いざ現実にそのような可能性を感じた時、私が取った行動は妻を問い質す、ということではありません。私の歪んだ性癖が真正直であろうとすべき私の倫理意識に勝ってしまった瞬間でした。
私はICレコーダーを寝室に仕掛けたのです。妻を、茜音を信じようとする心を、私の邪な性癖が打ち負かしてしまったのでした。嫁が居ない間にこっそりとレコーダーを仕掛けている最中、涙が出そうになります。自らに対する情けなさ、男として決して公に出来ない情けない姿を客観的に想像していたのでした。 VOL.6へ
2017/07/30
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