中Ⅱ7〖妻と恋人〗 06
中Ⅱ7〖妻と恋人〗 06
05
妻(尾崎有希:おざき・ゆき:27歳)の声を聞けて、僕(尾崎健司:おざき・けんじ:32歳)は本当に心が安らいだ。明後日が待ち遠しくて仕方ない。《遅い時間に電話して悪かったなぁ》と思った。だが、遅い時間に掃除?それに、話し方にも違和感があったように思える。 誰かと一緒にいた?あんな時間に?
疑惑が一度生まれると、際限なくイヤな想像をしてしまう。あの有希に限って、浮気などあり得ないと思っているが、この前見たアダルトビデオの、有希に雰囲気が似た女優さんが、白人の巨根にやられて吠えていた動画が頭に浮かぶ。僕のモノでは届かないような場所を責め立てられて、我を忘れて叫んでいる有希・・・。頭から振り払おうとすればするほど、余計にリアルに頭に浮かんでしまった。
それよりも、何よりもショックなのが、それを想像して興奮してしまっている私自身。妻や恋人を寝取られて、興奮する人達がいるのは知っている。以前は、私はそれに対して、嫌悪感すら持っていた。自分が、実はそういった性癖を持っているのかと、不安になり落ち込む。だが、明後日帰国して、有希に会えばそんな気持ちも消えてなくなるのだろうと思った。
そして、業務の引継も終わり、お別れパーティーを開いてもらい、出張は終了する。フライトを終えて日本に戻り、空港から真っ直ぐ自宅を目指し、そして、家に到着。ドアを開けると、玄関で有希が待っていた。満面の笑顔で僕に抱きついてくる。
『健司さん、お帰りなさい! お疲れ様! 会いたかったよぉ!』
「ただいま。元気だった?」
『うん。健司さんが毎日電話くれたから、寂しくなかったよ。』
「それなら良かった。あっ良い匂いがする!」
『へへ。もう出来てるよ。さあ食べて、食べて!』
有希の笑顔、声、態度を見て、僕の心配が馬鹿げた妄想だったと気がついた。
僕は、有希の手料理を食べ始める。イギリスで心を入れ替えた僕は、テレビをつけることなく、しっかりと食事を楽しむことを心がけた。パスタや白身魚、サラダ、スープ、名前もわからないが、どれも良い匂いで、口をつける。イギリスでの料理が酷かったこともあるかもしれないが、本当においしいと思った。「おいしい! すっごく美味しい!」 思わず叫ぶ。 有希は、僕が食べるのを嬉しそうに見ている。
僕は夢中で食べ続けた。どう褒めて良いのかわからなかったので、今まで美味しいとしか言ったことがなかったのだが、頑張って褒めてみた。「なんか、深い味だね。凄く時間かかったんじゃないの? このソース、優しい感じの味だね。」言っていて、浅いことしか言えなくて恥ずかしかったのだが、有希はびっくりしたような顔で僕を見つめる。『あ、ありがとう。すっごく、すっごーーーく嬉しいよ!! へへ、健司さんに褒めてもらえた!!』有希は、本当に嬉しそうにそう言った。こんな簡単な褒め言葉で、こんなにも喜んでもらえるなんて、《今まで僕はバカだったなぁ》と思った。 07へ
2017/07/19
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妻(尾崎有希:おざき・ゆき:27歳)の声を聞けて、僕(尾崎健司:おざき・けんじ:32歳)は本当に心が安らいだ。明後日が待ち遠しくて仕方ない。《遅い時間に電話して悪かったなぁ》と思った。だが、遅い時間に掃除?それに、話し方にも違和感があったように思える。 誰かと一緒にいた?あんな時間に?
疑惑が一度生まれると、際限なくイヤな想像をしてしまう。あの有希に限って、浮気などあり得ないと思っているが、この前見たアダルトビデオの、有希に雰囲気が似た女優さんが、白人の巨根にやられて吠えていた動画が頭に浮かぶ。僕のモノでは届かないような場所を責め立てられて、我を忘れて叫んでいる有希・・・。頭から振り払おうとすればするほど、余計にリアルに頭に浮かんでしまった。
それよりも、何よりもショックなのが、それを想像して興奮してしまっている私自身。妻や恋人を寝取られて、興奮する人達がいるのは知っている。以前は、私はそれに対して、嫌悪感すら持っていた。自分が、実はそういった性癖を持っているのかと、不安になり落ち込む。だが、明後日帰国して、有希に会えばそんな気持ちも消えてなくなるのだろうと思った。
そして、業務の引継も終わり、お別れパーティーを開いてもらい、出張は終了する。フライトを終えて日本に戻り、空港から真っ直ぐ自宅を目指し、そして、家に到着。ドアを開けると、玄関で有希が待っていた。満面の笑顔で僕に抱きついてくる。
『健司さん、お帰りなさい! お疲れ様! 会いたかったよぉ!』
「ただいま。元気だった?」
『うん。健司さんが毎日電話くれたから、寂しくなかったよ。』
「それなら良かった。あっ良い匂いがする!」
『へへ。もう出来てるよ。さあ食べて、食べて!』
有希の笑顔、声、態度を見て、僕の心配が馬鹿げた妄想だったと気がついた。
僕は、有希の手料理を食べ始める。イギリスで心を入れ替えた僕は、テレビをつけることなく、しっかりと食事を楽しむことを心がけた。パスタや白身魚、サラダ、スープ、名前もわからないが、どれも良い匂いで、口をつける。イギリスでの料理が酷かったこともあるかもしれないが、本当においしいと思った。「おいしい! すっごく美味しい!」 思わず叫ぶ。 有希は、僕が食べるのを嬉しそうに見ている。
僕は夢中で食べ続けた。どう褒めて良いのかわからなかったので、今まで美味しいとしか言ったことがなかったのだが、頑張って褒めてみた。「なんか、深い味だね。凄く時間かかったんじゃないの? このソース、優しい感じの味だね。」言っていて、浅いことしか言えなくて恥ずかしかったのだが、有希はびっくりしたような顔で僕を見つめる。『あ、ありがとう。すっごく、すっごーーーく嬉しいよ!! へへ、健司さんに褒めてもらえた!!』有希は、本当に嬉しそうにそう言った。こんな簡単な褒め言葉で、こんなにも喜んでもらえるなんて、《今まで僕はバカだったなぁ》と思った。 07へ
2017/07/19
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