中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第2話
中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第2話
第1話
入院中とかリハビリ中とか、それから良くなっても、そういう精神状態の時って疑心暗鬼にもなるし、《妻の天音が浮気していないか?》とか、僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)は凄く猜疑心の塊みたいになって苦しむようになる。
ハッキリ言って、まともに考えれば妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)が浮気なんてする訳は無いのだけど、(気持だけじゃなく、時間的に考えても浮気は無理な生活)少し帰りが遅くなった時とかそう言う時に頭の中で自分の劣等感と合わさって凄くどす黒い気持になるようになっていた。
そんな気持が1年も続いて、なんとか表面上は天音に気取らせないようにはしていたのだけど、あまりにも疑いすぎて寧ろ浮気をしてくれた方が、気は楽だと思うくらいに悩んでいる。そういう状態が発病以降、最近まで本当にずっと続いていた。正直精神的にはもう壊れていたと思う。表には出さないようにしていたけれど。でも半年位前にからだの調子が本当に良くなくて、その時つい“ぽろっ”と天音に、「浮気しても良いよ。」って言ってしまった。
そうしたら、『そんな事を考えた事も無いし、絶対しない!』って云ってくれる。涙が出るくらい嬉しかったけど、正直に言って“それでも僕のこの気持は解消されないだろうな。”と思った。それで案の定、次の日にはもう鬱みたいな状態になる。リハビリ中は、一種のEDになったが、頭の中は淫らな妄想で一杯だった。その頃、天音がいないときに、インターネットを見ていた。その中で〖妻の貸し出し〗というワードが琴線(きんせん)に触(ふ)れたことを思い出した。
僕が病気以降ずっと不安に思っていて、怖くて、怖くてしょうがなかったのが、天音に捨てられたらどうしようって事だった。発病以降、ずっと一緒にいてくれて、懸命な看病をしてくれた妻を、失ったらどうしよう?って、本気で考えるようになった。
その上セックスが上手くいかずに、天音を満足させられないとすれば最悪だった。だから、寧ろ僕の把握できる範囲内で、僕が判断して浮気してもらった方が良いのかもしれない。それなら僕の見てないところで、天音が離れていくかもしれないっていう恐さは感じないですむかもと思った。あとこれも本当の話しなのだけど、天音に劣等感も感じていた《セックスに満足して無いだろうな。男として夫としてどうなのだろ?》と、いうことをずっと考えていた。
それで、何回も何回も考えて、1カ月以上ずっと考えて、天音へついに全部告白する。発病以降自分がどう考えているかとか、何を怖れているのかとか、それがどうしても払拭できない事とか。決して天音を嫌いになったわけじゃないって事も、寧ろこの事で離れていかれたらその方が怖いって事も全部伝えた。
僕が「正直に言ってセックスには満足して無いだろ?」と、言ったら、天音は『確かに満足はしてないかもしれない。でもそんなのは関係ないし僕の事が好き。』って言ってくれる。「でも、それじゃ僕は心苦しい。寧ろ僕の事を考えないでセックスをして欲しい。その上で気持だけは僕の方を向いていて欲しい。凄く我侭な話かもしれないけれど僕を助けて欲しいんだ。」と、懸命に説得をした。
しかし、最初のほうは天音も、『馬鹿なこと考えないで、セックスだけが夫婦じゃないはずよ。』って、言っていたけど真剣に話したら、僕の言いたかった、〖天音にはセックスを満足して欲しい。〗但し、〖気持は僕の方を向いていて欲しい。〗っていうのを少し理解してくれるようになってくる。
「天音が責められる“浮気”じゃない。寧ろ楽しんでくれれば僕の気持も満足するから。」と、付け加えた。それでも天音は1週間考えて、結論を出した。『やっぱりほかの人とセックスするのは嫌だし怖いわ。』って、つぎに『でも、それだと真悟君が満足しないから、“デート” なら一度だけやってみてもいいかな?』但し、『いくら真悟君の云う事でも、やっぱり嫌な人だったらもう2度としません。』って、答えを出してくれる。
「ちょっと中途半端な結論(笑)だけど、天音に楽しんで欲しいだけだから、それでいいよ。」
『その代わりに、真悟君が疑心暗鬼にならないくらい一緒にいるからね。』
この日を境にして、久しぶりに新婚時代の感覚が蘇り、セックスはしないが、一緒にお風呂に入ったり、ベッドでも裸でいちゃつくようになった。 第3話へ
2017/07/12
第1話
入院中とかリハビリ中とか、それから良くなっても、そういう精神状態の時って疑心暗鬼にもなるし、《妻の天音が浮気していないか?》とか、僕(前島真悟:まえじま・しんご:30歳)は凄く猜疑心の塊みたいになって苦しむようになる。
ハッキリ言って、まともに考えれば妻(前島天音:まえじま・あまね:28歳)が浮気なんてする訳は無いのだけど、(気持だけじゃなく、時間的に考えても浮気は無理な生活)少し帰りが遅くなった時とかそう言う時に頭の中で自分の劣等感と合わさって凄くどす黒い気持になるようになっていた。
そんな気持が1年も続いて、なんとか表面上は天音に気取らせないようにはしていたのだけど、あまりにも疑いすぎて寧ろ浮気をしてくれた方が、気は楽だと思うくらいに悩んでいる。そういう状態が発病以降、最近まで本当にずっと続いていた。正直精神的にはもう壊れていたと思う。表には出さないようにしていたけれど。でも半年位前にからだの調子が本当に良くなくて、その時つい“ぽろっ”と天音に、「浮気しても良いよ。」って言ってしまった。
そうしたら、『そんな事を考えた事も無いし、絶対しない!』って云ってくれる。涙が出るくらい嬉しかったけど、正直に言って“それでも僕のこの気持は解消されないだろうな。”と思った。それで案の定、次の日にはもう鬱みたいな状態になる。リハビリ中は、一種のEDになったが、頭の中は淫らな妄想で一杯だった。その頃、天音がいないときに、インターネットを見ていた。その中で〖妻の貸し出し〗というワードが琴線(きんせん)に触(ふ)れたことを思い出した。
僕が病気以降ずっと不安に思っていて、怖くて、怖くてしょうがなかったのが、天音に捨てられたらどうしようって事だった。発病以降、ずっと一緒にいてくれて、懸命な看病をしてくれた妻を、失ったらどうしよう?って、本気で考えるようになった。
その上セックスが上手くいかずに、天音を満足させられないとすれば最悪だった。だから、寧ろ僕の把握できる範囲内で、僕が判断して浮気してもらった方が良いのかもしれない。それなら僕の見てないところで、天音が離れていくかもしれないっていう恐さは感じないですむかもと思った。あとこれも本当の話しなのだけど、天音に劣等感も感じていた《セックスに満足して無いだろうな。男として夫としてどうなのだろ?》と、いうことをずっと考えていた。
それで、何回も何回も考えて、1カ月以上ずっと考えて、天音へついに全部告白する。発病以降自分がどう考えているかとか、何を怖れているのかとか、それがどうしても払拭できない事とか。決して天音を嫌いになったわけじゃないって事も、寧ろこの事で離れていかれたらその方が怖いって事も全部伝えた。
僕が「正直に言ってセックスには満足して無いだろ?」と、言ったら、天音は『確かに満足はしてないかもしれない。でもそんなのは関係ないし僕の事が好き。』って言ってくれる。「でも、それじゃ僕は心苦しい。寧ろ僕の事を考えないでセックスをして欲しい。その上で気持だけは僕の方を向いていて欲しい。凄く我侭な話かもしれないけれど僕を助けて欲しいんだ。」と、懸命に説得をした。
しかし、最初のほうは天音も、『馬鹿なこと考えないで、セックスだけが夫婦じゃないはずよ。』って、言っていたけど真剣に話したら、僕の言いたかった、〖天音にはセックスを満足して欲しい。〗但し、〖気持は僕の方を向いていて欲しい。〗っていうのを少し理解してくれるようになってくる。
「天音が責められる“浮気”じゃない。寧ろ楽しんでくれれば僕の気持も満足するから。」と、付け加えた。それでも天音は1週間考えて、結論を出した。『やっぱりほかの人とセックスするのは嫌だし怖いわ。』って、つぎに『でも、それだと真悟君が満足しないから、“デート” なら一度だけやってみてもいいかな?』但し、『いくら真悟君の云う事でも、やっぱり嫌な人だったらもう2度としません。』って、答えを出してくれる。
「ちょっと中途半端な結論(笑)だけど、天音に楽しんで欲しいだけだから、それでいいよ。」
『その代わりに、真悟君が疑心暗鬼にならないくらい一緒にいるからね。』
この日を境にして、久しぶりに新婚時代の感覚が蘇り、セックスはしないが、一緒にお風呂に入ったり、ベッドでも裸でいちゃつくようになった。 第3話へ
2017/07/12
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