中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.4
中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.4
VOL.3
しかし夕食を終えた時、妻(義家茜音:よしいえ・あかね:24歳)が『ちょっと話があるんだけど・・・。』って、いつになく真剣な表情で私(義家真一:よしいえ・しんいち:35歳)を見つめてきます。しかし、「どうしたの?」と聞き返しても黙ってしまう妻。結局『やっぱりいいわ。』って食器を洗い始めました。その後、妻から話を振られた事はありません。
それから妻との“間合い”が少しずつ変わって行きました。それまでは『貴方は今まで通りゆっくりしてていいから。家事は私が全部するから。』って、私が家事を手伝うことを頑なに拒否していた妻が、この頃から私の家事手伝いの提案を断る事もなくなります。
そして、スマホを肌見放さなくなっていったのもこの頃からでした。時には、食器を私が洗っている時に、ソファに座っていた妻がスマホ片手に隣の部屋に慌てて行ってしまう事もありました。少しずつ変わってゆく茜音に戸惑いつつも、しかしどこか以前よりも丸く柔らかくなった印象です。私達夫婦は非常に上手くいっていました。
ある土曜日の事。妻の茜音は、ディナーへ友人と行くことになる。私は専業主婦である妻の行動を制限した事は一度もありませんでした。それは家に閉じ込めて置くのは良くないと思っていましたし、同年代の女の子は皆恋愛や仕事に打ち込んでいるのですから、妻には主婦になって行動が抑制されたと思われたくなかったのです。
身支度をした茜音を玄関で見届けた時、バッチリとメイクした妻の顔を見て、背筋がゾクゾクするほどいい女だと思ったものでした。惚れ直したのを覚えています。普段は付けない香水が仄(ほの)かに香り、ヒラヒラのミニスカートを身に付けた妻はまるで学生の頃のようでした。
茜音は『遅くならないうちに帰るからね。』って私にキスをして出掛ける。しかし帰ってきたのは深夜一時過ぎでした。『ごめん、話が弾んじゃって・・・。』って言う妻は私の目を決して見ようとしません。「何度も電話したのに気付かなかった?」と私が尋ねるが、『ごめんなさい、全然気付かなかった。』って茜音が答えた。
午後9時を回った頃から私は妻に何度も電話を入れますが、すぐに留守電になったり電波が届かなかったりの繰り返しです。茜音は結局私の目を見ることは一度もなく、そのまま浴室に入って行きました。少しだけむくれた私もそのままベッドに入ったのです。
友人達との会食は徐々に増えてゆき、週に2度から3度は出掛けるようになりました。基本的に束縛することはしないものの、流石に仕事に疲れて帰ってきて一人で夕食を取る侘しさに耐えかねてきた私は妻にもう少し頻度を下げてもらえないだろうか、と相談します。ただ、あくまでこちらが下手にです。しかし妻の返事は予想と全く違うもので、『わたしだって本当はまだまだ遊びたかった!』って叫びました。喧嘩をする事はありましたが、私に対して所謂“不満”をもらしたことは一度もなかったのです。だから、この時の妻のこの発言は凄くショックでした。 VOL.5へ続く
2017/06/30
VOL.3
しかし夕食を終えた時、妻(義家茜音:よしいえ・あかね:24歳)が『ちょっと話があるんだけど・・・。』って、いつになく真剣な表情で私(義家真一:よしいえ・しんいち:35歳)を見つめてきます。しかし、「どうしたの?」と聞き返しても黙ってしまう妻。結局『やっぱりいいわ。』って食器を洗い始めました。その後、妻から話を振られた事はありません。
それから妻との“間合い”が少しずつ変わって行きました。それまでは『貴方は今まで通りゆっくりしてていいから。家事は私が全部するから。』って、私が家事を手伝うことを頑なに拒否していた妻が、この頃から私の家事手伝いの提案を断る事もなくなります。
そして、スマホを肌見放さなくなっていったのもこの頃からでした。時には、食器を私が洗っている時に、ソファに座っていた妻がスマホ片手に隣の部屋に慌てて行ってしまう事もありました。少しずつ変わってゆく茜音に戸惑いつつも、しかしどこか以前よりも丸く柔らかくなった印象です。私達夫婦は非常に上手くいっていました。
ある土曜日の事。妻の茜音は、ディナーへ友人と行くことになる。私は専業主婦である妻の行動を制限した事は一度もありませんでした。それは家に閉じ込めて置くのは良くないと思っていましたし、同年代の女の子は皆恋愛や仕事に打ち込んでいるのですから、妻には主婦になって行動が抑制されたと思われたくなかったのです。
身支度をした茜音を玄関で見届けた時、バッチリとメイクした妻の顔を見て、背筋がゾクゾクするほどいい女だと思ったものでした。惚れ直したのを覚えています。普段は付けない香水が仄(ほの)かに香り、ヒラヒラのミニスカートを身に付けた妻はまるで学生の頃のようでした。
茜音は『遅くならないうちに帰るからね。』って私にキスをして出掛ける。しかし帰ってきたのは深夜一時過ぎでした。『ごめん、話が弾んじゃって・・・。』って言う妻は私の目を決して見ようとしません。「何度も電話したのに気付かなかった?」と私が尋ねるが、『ごめんなさい、全然気付かなかった。』って茜音が答えた。
午後9時を回った頃から私は妻に何度も電話を入れますが、すぐに留守電になったり電波が届かなかったりの繰り返しです。茜音は結局私の目を見ることは一度もなく、そのまま浴室に入って行きました。少しだけむくれた私もそのままベッドに入ったのです。
友人達との会食は徐々に増えてゆき、週に2度から3度は出掛けるようになりました。基本的に束縛することはしないものの、流石に仕事に疲れて帰ってきて一人で夕食を取る侘しさに耐えかねてきた私は妻にもう少し頻度を下げてもらえないだろうか、と相談します。ただ、あくまでこちらが下手にです。しかし妻の返事は予想と全く違うもので、『わたしだって本当はまだまだ遊びたかった!』って叫びました。喧嘩をする事はありましたが、私に対して所謂“不満”をもらしたことは一度もなかったのです。だから、この時の妻のこの発言は凄くショックでした。 VOL.5へ続く
2017/06/30
- 関連記事
-
- 中Ⅱ3《妻の変化》第5話 (2017/05/22)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第2話 (2017/05/25)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第二章その4(9) (2017/06/03)
- 中Ⅱ18 『可愛くウソをつく彼女』その13 (2017/06/07)
- 中Ⅱ25[お願いします。]第1話 (2017/06/08)
- 中Ⅱ24〖嫁はヤラれて今より女らしくなる〗その3話 (2017/06/15)
- 中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.3 (2017/06/21)
- 中Ⅱ5<恋多き妻>VOL.4 (2017/06/30)
- 中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第二章その5(10) (2017/07/01)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第3話 (2017/07/04)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第1話 (2017/07/10)
- 中Ⅱ22《刺激が欲しい》第4話 (2017/07/11)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第2話 (2017/07/12)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第3話 (2017/07/13)
- 中Ⅱ26『妻の貸し出し(改作)』第4話 (2017/07/14)
コメント
コメントの投稿