中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第二章その5(10)
中Ⅱ17[自己犠牲と長続き]第二章その5(10)
第二章その4(9)
「いや、無理を言ったと思っていますが・・・そのことを妻(山下芳恵:やました・よしえ:45歳)に納得させた後で、貴方(黒沢雅之:くろさわ・まさゆき:45歳)の名前を言わせたのです。」
〔そうですか。言わせたんですか? “最後の一線”なんて言葉、如何にも奥さんらしいですね。でも、山下(一雄:やました・かずお:49歳)さん、どう思われます? 仮にですよ、私がこっそり芳恵さんに声をかけたとして・・・あなたに内緒で私に抱かれると思いますか?〕
「私に黙ってですか? 妻のことですからそれはないと思っていますが・・・。」
〔いやぁ、これは私の当てずっぽうですが、何となく女の弱みを感じますよ。余り、奥さんに気を回し過ぎたり、買い被ったりすると、返って気の毒ですよ。〕
《そうか、以前、妻を黒沢さんの待っている部屋へ一人で送り出したが、その時 そんな匂いを感じたのかもしれない。私への手前、露骨に妻を誘い出すことは控えているが、声をかければ落ちそうな手応えを感じているのだろう》
「ところで、ホテルの部屋のことどうします? 別部屋をとりましょうか? それとも、三人一緒に・・ってことにしますか?」
〔そんな厚かましいこと、私の口から言えませんよ。あなたが決めることじゃないですか?〕
「それはそうですけど、貴方の方が色々と・・・この道には詳しいでしょうから・・・。」
〔一部屋ってなると、朝までずっと三人一緒に過ごすことになる訳ですから、山下さんが、それを我慢できるかどうかでしょうね。〕
「もちろん、そうなった時の覚悟はできています。黒沢さんのお望みのようにしていただいて結構です。」
〔お望みのようにですか? じゃ、好き勝手なことを言わせてもらいますが、貴方の目の前で、奥さんを何回でも抱かせていただいても構わないってことですね。〕
「私も、断られても仕方がないようなことを、貴方にお願いしているのですから、その辺りのことは、心得ているつもりです。そうしていただいても、一向に構いません。」
〔そこまでお考えなら、別部屋を予約しないでおきましょうか。それから、こんなプライベートなこと、あなたに尋ねるべきじゃないこともわかっているのですが、芳恵さん、アレ、口にするの、できるようになりましたか?〕
「いや、まだです。多分、何か心理的なものが影響しているのだと思いますが、そんなこと、改まって話すこともできなくて・・・。」
〔そうですか。でも、大事なことですから、山下さんの方から切り出して二人で話し合われた方がいいですよ。〕
黒沢さんのみならず、誰が考えてもそう思うでしょう。別に、セックスに対して否定的な訳でもないし、普通の夫婦では考えられないようなことまで経験しているのに、男のペニスを口にすることだけができないなんて・・・。
しかし、セックス時の感じ方や愛の表し方は人様々、生来のものですから、カウンセリングを受けたり、心療科へ行ったりすればすぐに解決できるというほど単純なものでもなさそうです。あくまで、推測の域を出ませんが、妻が口淫や精飲ができない原因として、幼少時に出くわした思わぬ体験、自分が育った家庭のこと、それに、思春期に交際したであろう男によって植えつけられた男性不信など・・・あるいは、考えたくはありませんが、過去の性体験がトラウマになって影響している可能性だってありそうです。
だが、こんな要因は、自分に都合よく、私が勝手に邪推しているだけでした。ひょっとして、私が妻に隠し通している密かな被虐願望と同じように妻の方も、理不尽なことを強いる夫への不審や不満が、口淫の拒絶という形になって表れているのかもしれません。色々な思いが頭を過りますが、この間、私と黒沢さんの会話は途切れていました。きっと二人とも、ここまで話し合ったことを自分の腑に落とすための時間が必要なのでしょう。
こうして、双方、準備が整ったとなると、後は一週間後にその日を迎えるだけで、早くも、その時のことが私の頭にチラつき始めました。黒沢さんと出会ってから、かれこれ三年目か? そして、妻との関係も三度目ともなると、お互いの想いもまた格別のものがあるだろう。
初めて、黒沢さんに妻のお相手をしてもらった時、ブリーフから露わになった並外れのペニス・・・その先が、臍に届かんばかりに反り返っていた場面を思い出す。あの狂おしいものの先から、白い飛沫が妻の膣奥深く放たれるのももうすぐだ・・・。 第三章その1(11)に続く
2017/07/01
第二章その4(9)
「いや、無理を言ったと思っていますが・・・そのことを妻(山下芳恵:やました・よしえ:45歳)に納得させた後で、貴方(黒沢雅之:くろさわ・まさゆき:45歳)の名前を言わせたのです。」
〔そうですか。言わせたんですか? “最後の一線”なんて言葉、如何にも奥さんらしいですね。でも、山下(一雄:やました・かずお:49歳)さん、どう思われます? 仮にですよ、私がこっそり芳恵さんに声をかけたとして・・・あなたに内緒で私に抱かれると思いますか?〕
「私に黙ってですか? 妻のことですからそれはないと思っていますが・・・。」
〔いやぁ、これは私の当てずっぽうですが、何となく女の弱みを感じますよ。余り、奥さんに気を回し過ぎたり、買い被ったりすると、返って気の毒ですよ。〕
《そうか、以前、妻を黒沢さんの待っている部屋へ一人で送り出したが、その時 そんな匂いを感じたのかもしれない。私への手前、露骨に妻を誘い出すことは控えているが、声をかければ落ちそうな手応えを感じているのだろう》
「ところで、ホテルの部屋のことどうします? 別部屋をとりましょうか? それとも、三人一緒に・・ってことにしますか?」
〔そんな厚かましいこと、私の口から言えませんよ。あなたが決めることじゃないですか?〕
「それはそうですけど、貴方の方が色々と・・・この道には詳しいでしょうから・・・。」
〔一部屋ってなると、朝までずっと三人一緒に過ごすことになる訳ですから、山下さんが、それを我慢できるかどうかでしょうね。〕
「もちろん、そうなった時の覚悟はできています。黒沢さんのお望みのようにしていただいて結構です。」
〔お望みのようにですか? じゃ、好き勝手なことを言わせてもらいますが、貴方の目の前で、奥さんを何回でも抱かせていただいても構わないってことですね。〕
「私も、断られても仕方がないようなことを、貴方にお願いしているのですから、その辺りのことは、心得ているつもりです。そうしていただいても、一向に構いません。」
〔そこまでお考えなら、別部屋を予約しないでおきましょうか。それから、こんなプライベートなこと、あなたに尋ねるべきじゃないこともわかっているのですが、芳恵さん、アレ、口にするの、できるようになりましたか?〕
「いや、まだです。多分、何か心理的なものが影響しているのだと思いますが、そんなこと、改まって話すこともできなくて・・・。」
〔そうですか。でも、大事なことですから、山下さんの方から切り出して二人で話し合われた方がいいですよ。〕
黒沢さんのみならず、誰が考えてもそう思うでしょう。別に、セックスに対して否定的な訳でもないし、普通の夫婦では考えられないようなことまで経験しているのに、男のペニスを口にすることだけができないなんて・・・。
しかし、セックス時の感じ方や愛の表し方は人様々、生来のものですから、カウンセリングを受けたり、心療科へ行ったりすればすぐに解決できるというほど単純なものでもなさそうです。あくまで、推測の域を出ませんが、妻が口淫や精飲ができない原因として、幼少時に出くわした思わぬ体験、自分が育った家庭のこと、それに、思春期に交際したであろう男によって植えつけられた男性不信など・・・あるいは、考えたくはありませんが、過去の性体験がトラウマになって影響している可能性だってありそうです。
だが、こんな要因は、自分に都合よく、私が勝手に邪推しているだけでした。ひょっとして、私が妻に隠し通している密かな被虐願望と同じように妻の方も、理不尽なことを強いる夫への不審や不満が、口淫の拒絶という形になって表れているのかもしれません。色々な思いが頭を過りますが、この間、私と黒沢さんの会話は途切れていました。きっと二人とも、ここまで話し合ったことを自分の腑に落とすための時間が必要なのでしょう。
こうして、双方、準備が整ったとなると、後は一週間後にその日を迎えるだけで、早くも、その時のことが私の頭にチラつき始めました。黒沢さんと出会ってから、かれこれ三年目か? そして、妻との関係も三度目ともなると、お互いの想いもまた格別のものがあるだろう。
初めて、黒沢さんに妻のお相手をしてもらった時、ブリーフから露わになった並外れのペニス・・・その先が、臍に届かんばかりに反り返っていた場面を思い出す。あの狂おしいものの先から、白い飛沫が妻の膣奥深く放たれるのももうすぐだ・・・。 第三章その1(11)に続く
2017/07/01
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